MSの学園祭TechFestプレビュー―超リアルなペイント、リアルタイム通訳電話など野心的プロジェクト多数

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昨日(米国時間3/1)、私はワシントン州レッドモンドに飛んでMicrosoftの本社を訪れた。この季節にしては驚くほど温かい日だったが、主席リサーチ・戦略担当役員のCraig Mundieと彼のチームが一日かけてMicrosoftが開発中の実験的プロジェクトの数々を紹介してくれた。

午前中は近く開催予定のTechFestでお披露目される製品をいくつかプレビューさせてもらった。TechFestというのはMSの研究者が成果を同僚に発表するイベントである。

そうした成果はやがて実際に製品化される場合もあるし、されずに終わることもある。雰囲気は高校の「科学祭」を思い起こさせる。ただし発表者は10歳か20歳くらい年上で、使える予算はほぼ無尽蔵だ。

私はそれぞれのプロジェクトについて短いビデオを撮った。一番製品化の可能性がありそうなのはリアルなペイント・ソフトのProject Gustavと通訳電話で、最初にエンベッドしてある。しかし他のプロジェクトもすべてたいへん面白かった。

超リアルなデジタル・ペイント―Project Gustav (Naga Govindaraju)

Project Gustavは現実の描画プロセスを精密にシミュレートしたリアルなデジタル・ペイント・ソフトのプロトタイプ。今日の強力なCPUパワーをフルに活かし、マルチタッチ・スクリーンとタブレットを利用した操作は実際に絵の具、パレット、ブラシで絵を描くのに非常に近い。また新開発のアルゴリズムによって絵の具やキャンバス、ブラシも現実感高く再現されている。現在完成しているプロトタイプは油絵とパステル画をシミュレーションしているが他の種類の絵画技法も今後追加される。

通訳電話―Translating! Telephone (Kit Thambiratnam, Frank Seide)

リアルタイムで音声とテキストを相互変換し、通話を翻訳する電話のプロトタイプ。最終目的は、他の手段がない場合でも多言語コミュニケーションを図る助けとなるようなシステムの提供だ。このシステムは個々のユーザーの発話の特性を解析して適合させる高度なテクノロジーを利用して、リアルタイムで実用に耐える高精度の音声認識とテキスト読み上げを実現している。ユーザーの話した言葉は音声認識でテキスト化され、機械翻訳された上で再度読み上げられる。これによって自動通訳機能が提供される。同時に認識された元言語のテキスト、機械翻訳後の対象言語のテキストが表示され、ユーザーは自分の意図が正しく処理されているかを確認できる。

モバイル版3Dタッチスクリーン―Mobile Surface (Chunhui Zhang):

これはモバイル・コンピューティング用の新しいユーザーインタフェースの試みだ。目的はMicrosoft Surfaceと同様の3DタッチスクリーンUIを各種モバイル・デバイス上で実現すること。デモでは、プロジェクタとカメラを使って、コーヒーテーブルや1枚の紙といったありあわせの表面を3Dタッチスクリーンに変えて利用する。このシステムではさらに3Dのオブジェクトの投影、AR(拡張現実)、マルチレイヤ3Dによる情報表示なども可能だ。カメラとプロジェクターを緊密にリンクして、映像を投影しながら同時に対象物をリアルタイムで3Dスキャンすることができる。生成された3Dデータは紙やテーブルなどの表面に(印刷同様に)実寸で投影可能で、ユーザーはそれを手で操作できる。Mobile Surfaceシステムはユーザーがどこにいようとデジタル情報を直感的に操作できる能力を与える。

生理学的モダリティ(手法)を利用した自然なインタフェース (Desney Tan and Dan Morris):

新しいモダリティによってより自然なコンピュータ・インタフェースを開発しようとする試み。センサーその他のさまざなインタフェース・モダリィは、モバイル環境に適合するよう強化される必要がある。このチームでは人間の身体から直接データを読み取るセンサー技術を利用する方法を実験している。筋肉の発する電流を利用したインタフェースでは、ユーザーは筋電図センサーをアームバンドで装着し、筋肉の動きを直接コンピュータに入力する。これによってテーブルや紙などの表面上、あるいは宙空での指や腕のジェスチャーを直接読み取ることができる。さらにバイオ音響センサー、身体に装着する機械的センサーなどの利用によって、全身の動作をそのままコンピュータ操作に利用できるようにするシステムを研究中だ。

クラウド・コンピューティングのための新インタフェース (Chunhui Zhang):

クラウド・コンピューティングではユーザーはいつどこからでも自分のデータにアクセスできる。またクラウド・コンピューティングはウェブのデータマイニングからソーシャルネットワークのような新しい形式の情報へのアクセスを可能にした。これは同時にクラウドという新しい環境に適合したインプット、アウトプットのための新しい
ンタフェースが必要とされていることを意味する。このチームが開発したクラウド・マウスはそのような試みの一つだ。このマウスには6自由度があり、触覚によるフィードバックを行う。クラウド・マウスは3D空間の中で多様なジェスチャーが可能となっており、ユーザーはあたかも自分自身がクラウド空間の中に身を置いているかのように直感的に複雑な処理を行える。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01