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やれやれ… 「悪をなさない」なんて呪文はいいかげん止めてもらいたい

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「悪をなさない」というモットーについてはGoogleはもう大分前に非公式に取下げている。その代わりに、もっと真面目な「悪の程度を最小限にする」という考え方を採用している。パトリック・オブライエンではないが「止むを得ない場合は小さい方のコクゾウムシを選べ」だ〔訳注*〕。 率直に言えば、この程度に倫理的であれば、普通の会社にとっては十分なのだ。

そこで今日(米国時間3/15)、Twitterのファウンダー、CEOのEvan WilliamsがTwitterの運営の指針は“善をなす力となる(be a force for good)”ことだと述べたのを聞いて、少々身がすくむような気恥ずかしさに襲われた。

ビジネスをやってきた中で私が学んだ―今も学びつつある―もっとも重要な教訓は、「私を信じてください」と言う奴を絶対に信じてはならないということだった。そんなセリフは間違いなしの危険信号で、近い将来とんでもない悪事をしでかそうとしている奴に限ってそう言うのだ。だから会社もそんなことを言って威張ってはならない。

まず第一に、「善をなす」という目的と「利益を上げる」という目的を完全に両立させることは不可能である。しかも資本主義のよいところは、政府が詐欺や独占、環境破壊などに対して適切な規制をするかぎり、各自の利己的目的に基づいた活動が総体として全員の福祉を向上させる結果になるところにある。社会主義的御託を並べるのは大学でもてるにはいいだろうが、現実の社会を運営する方法ではない。

第二に、会社でも個人でも政府でも「善をなす」ことを表立ってモットーにし始めると、その陰で深刻な独善がはびこり出す危険性が高まる。戦争を始める人間は皆自分が「神の側」だと考えている。歴史を振り返ってみれば、幾多の最悪の所業が神の名の下になされたことがわかる。

私としてはTwitterにはきちんと運営を続けてもらい、さらにGoogle、Facebookその他のライバルを驚かすような新機能を着々と開発してもらえればそれでよい。Twitterを利用して善いことをするのはユーザーに任せるべきだ。Twitter自身は中立の立場をしっかり守り、独善に陥らないようにすることが重要だ。

もちろんTwitter自身で善をなしてもよい。しかしそれならしゃべり散らす必要はなく、単に黙って実行すればよいのだ。

〔訳注* パトリック・オブライエンは英国海軍のジャック・オーブリー艦長をヒーローとした海洋冒険小説の作者。引用はオーブリーのジョークで、「より少ない悪 = lesser evil」 と「より小さいコクゾウムシ = lesser weevil」をかけたダジャレ。〕

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01