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Microsoft Officeは中途半端なクラウドコンピューティングになりそう

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Microsoftはまだ、イノベーションのジレンマから抜け出せないようだ。これまで長年、Office製品で大儲けしてきただけに、Officeへの依存体質は根深く、そのOfficeを完全にクラウドに乗せようとすると、企業内部で問題続出なのだ。今日(米国時間4/8)話を聞いたSVPのChris Caposselaも、「物」としてのソフトウェア商品がない世界で利益を上げることの難しさを、よく認識している。

MicrosoftはOffice 2010発売を間近に控えているが、これによって初めてこの巨大ソフトウェア企業は、Word、ExcelなどのOfficeアプリケーションをWindows Liveから無料のWebバージョンとしてリリースすることになる。

消費者はこれらのアプリケーションの基本機能を無料で使えるが、Microsoftはアドオンを有料化することで損失をカバーできると期待している。先週、Microsoftの企業部門担当社長Stephen Elopは、楽観的な口調で、利益率は縮小するかもしれないが(はっきり“する”と言いなさいよ!)アドオンの売上によって利益の額は底支えされると言った。

利益の維持に関する質問に、Caposselaの最初の答えはソフトの販売だ: “今いろんなことに取り組んでいるが、まず挙げたいのは、PCを買った人がOfficeを簡単に買えるようにすること。そのために、OfficeをプレインストールしたPCの提供を多くのOEMにやってもらっている。今年の秋からは、必要な人はOfficeをプレインストールしたPCをどこでも簡単に買えるようになる。”

本誌のビデオインタビューでは、Caposselaは最後のほうでクラウドコンピューティングには有料サービスが付随すると言ったが、どんなサービスが大きな売上源になるのかなど、詳しいことは何も言わなかった。でも、彼が最初にためらいもなく言ったのがソフトの販売だから、Microsoftは依然として金のミルクを出す老牛の乳房を、とことん絞り上げるつもりのようだし、しかもそのことに対し、過剰に楽観的であるようだ。先月Steve Ballmerは、“クラウドには全社をあげて取り組んでいる”と言ったが、雲(cloud)の上にあるのは会社の頭だけで、胴体と足は大量のソフトウェア製品の山にうずもれているのだ。

Microsoftが今相手にしている市場は1995年のソフトウェア市場ではない。海賊版という問題は今でもあるが、今日より重要なのは、Google Docsの脅威がもはや無視できなくなっていることだ。これまでMicrosoftは多くの大企業–Starbucks、GlaxoSmithKlineなど上位1万社の大企業の70%–を不治のOffice中毒にすること(‘vendor lock-in’, 特定社幽閉)に成功してきたが、中小企業に対しては苦戦している。中小企業やスタートアップは、シンプルでチープなGoogle Docsに惹かれているのだ。今のGoogle Docsはかなり複雑な面もあるが、起業家たちの多くは、Microsoft Officeよりはずっと簡単安価に自分の会社で使えると感じている。

消費者が(今の)Google Docsよりも簡単なものを求めているのに、Microsoftはより複雑なものを提供しようとしているようだ。ソフトウェア製品としてのOfficeは、もうこれまでほど売れないから、同社は多様な有料サービスやオプション(Exchange Online、Sharepointなどなど)に頼ろうとしている。そのために、なお一層複雑化していくのだ。

と、いろいろ言ったけど、Microsoftのクラウドコンピューティングへの進出自体は正しい路線だ。一消費者としてもブロガーとしても、Office 2010をオンラインで使ってみるのが楽しみだ。豊富な機能は魅力だが、しかしそれが有料だったら二の足を踏むだろう。

(画像: Flickr/FirstMichael

〔訳注: Microsoftでは圧倒的な儲け頭であるOffice部門の権力が強く、あらゆるイノベーションの芽を圧殺してきた、という趣旨の元社員によるエッセイが、今年の2月に話題を呼んだ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))