iPhone SDKへの不満に対するジョブズの回答:中間レイヤーは水準以下のアプリをもたらす

次の記事

iPad専用アプリケーションの3分の1はゲームアプリ(その他、App Storeで見る各種統計情報など)

ここ数日間ウェブを賑わしている話題は、AppleがiPhoneのSDK契約を改訂し「翻訳あるいは互換のための中間レイヤーを介して公式APIにリンクするアプリケーション」を禁止したとことだ。この結果Adobeから近日公開されるFlash-to-iPhone変換ツールをはじめとする多くの開発ツールが使えなくなる。Adobeその他多くのデベロッパーからのヒートアップした反応をよそに、Appleはこの改訂に関して口を閉ざしている。しかし、どうやらSteve Jobsが沈黙の壁を破りセクション3.3.1の改訂について言及したようだ。あるデベロッパーとのメールのやり取りでのことだ。

TaoEffectのCEO Greg SlepakがJobs宛に彼の懸念をメールで訴えたところ簡単な返信が2通あり、それを彼のサイトで公開している。Jobs宛の最初のメールに、Slepakは多くのデベロッパーが今回の行動に批判的なHacker Newsのかなりネガティブなスレッドへのリンクを載せた。Jobsはこう返信した。

John Gruberの記事は、実に洞察に富みネガティブではないと私たちは考えています。

http://daringfireball.net/2010/04/why_apple_changed_section_331

Steve

Jobsが参照した記事で、Daring FireballのJohn GruberがAppleの行動の背後にある論理を説明している(Jobsのお墨付きを得たところを見るとGruberは正鵠を射たのだろう)。その要旨は、AppleがiPhoneとデベロッパーの間に「メタプラットホーム」の存在を望んでおらず、それはライバルのプラットホームとの並行開発を促進し、iPhoneエコシステムに対するAppleの制御を弱めるからであるというものだ。しかし、たしかにGruberの記事は考え抜かれて非常に論理的ではあるが、デベロッパーが不満である理由を説明しているとは私には思えない。問題は、Appleがなぜこれをやっているかをデベロッパーが理解できないのではなく、Appleが自身の利益を守ろうとするこの行動が、根本的な何かに反していることだ。彼らはデベロッパーが使いたいツールを使わせないと言っているのである。

Gruberの記事はSlepakを説得することもなかった。彼のJobsへの返信の一部を引用する。

デベロッパーの視点から見て、貴社は創造性そのものを制限しています。Gruberは間違っています。クロスプラットホーム・フレームワークを使った書かれたアプリケーションにはすばらしいものがたくさんあり、彼自身も賞賛しています。MozillaのFirefoxはまさにその一例です。

Jobsの次の返信は数分後に届きこう書かれていた。

私たちも以前その世界にいましたが、プラットホームとデベロッパーの間の中間レイヤーは、究極的に水準以下のアプリケーションをもたらし、プラットホームの進歩を妨げるものです。

この論拠にデベロッパーが納得するとは思えない。中間レイヤーを用いて開発された上質のアプリケーションの例はいくらでもある。しかもApp StoreにはApple自身のツールを使って作られたどうしようもなく出来の悪いアプリケーションが氾濫している。そもそもAppleはすでに審査システムを実施している ― どうしてそこで品質をチェックせず、デベロッパーにアプリ開発のやり方を強いるのか。

Slepakが最後にJobsに送ったメールがこれだ。

Macは、その上でFirefox、Ableton Liveをはじめ何百という上質のアプリケーションが動くという事実に間違いなく助けられてきました。そしてそれは、デベロッパーが使うことのできるツールに選択肢があるという事実に支えられてきたものです。

ダメなデベロッパーはレイヤーの数に関係なくダメなアプリを作るでしょうし、Unity3Dなどのソースコード変換ツールを制限するのは理にかなっていません。みんな最終的にはiPhoneデベロッパーツールを通じてアプリをビルドしているのですから、この状況はAppleのフレームワークを完全に無視して別の物を使うことのできるMacとも比較になりません。

私が考えるに、セクション3.3.1は真っ当なデベロッパーにとってこのプラットホームの魅力を減らすだけであり、代わりにライバルのプラットホームでソフトウェアを作る理由を与えるものです。

考慮いただければ幸いです。

Sincerely,
Greg

メールのやりとりの全体(SlepakのJobs宛返信の全文を含む)は彼の記事で読むことができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)