[jp] 便利と思うから作るんです。「らぼかへ」開発者に聞くものづくりの楽しさ

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お絵書きボードは大好きだったけど、だからといってiPadは新聞を救ってくれない

Startup Meeting vol.3のライトニングトークで会場の票と爆笑をかっさらったのはチームラボ株式会社の山本氏だ。彼が発表してくれたネット接続コーヒーメーカー「らぼかへ」の凄さは、超越した技術やすばらしく磨かれたハードではない。彼のアイデアとマインドがストレートに会場に伝わった結果だ。

「らぼかへ」のすべては彼の破壊力あふれるライトニング・トークに詰まっているので、そちらを是非ご覧いただきたい。※ちなみにお食事中の方は視聴にご注意を。

「基本的に自分が不便だから作ってるんです。」彼が考えるものづくりの起点はきわめてシンプル。「時代的にも技術的にもこう出来るはずなのに、なのにできてないのが嫌。主にターゲットは自分で、別にスケールするとかそういうのは関係がなくって。」このあたりのツールは大体1日程度で作ってしまうそうだ。

彼は何を思ってこのコーヒーメーカーにたどり着いたのだろうか。「大学院では手書きのタブレットに数式を書いて認識させるという研究をしていました。でも途中で飽きちゃいまして(笑)研究は数年没頭できる人がやっぱり向いてるんですよね。」それが求められているかどうか、疑問に思った彼は大学院を途中で抜けて現在の仕事場であるチームラボに参加。同社は前回の東京Campにもスケッチピストンというサービスで興味深いデモを見せてくれている。

そんな中、ふとしたきっかけでこのらぼかへは生まれることに。「元々オフィスの机周りを工作するのが大好きで。ディスプレイと一緒にドキュメント見たいと思ったら段ボールをペタ、とか。工作が好きなんです。」自動ドアがあるのと同じで、普通にコーヒーメーカーの残りがいつでもわかって、教えてくれたらいいのに。そんなノリで出来上がったのがらぼかへ。

「実は作ってそのままだった。特に盛り上がりもせずに1〜2ヶ月放置されていたんですよね。放置プレイです。(笑)」世に出るきっかけはKoressプロジェクトに持っていったことだ。彼らもまた個性的なネット接続型ハードを世に送り出している。

※社内の炊事場に何気なく稼働しているらぼかへと壁に張られた外部レビューの数々。

「彼らの食いつきが激しかったんですよ。で、ああ、これは受けるんだ、と。」その後、この強烈なコーヒーメーカーはおばかアプリ選手権、楽天テクノロジーカンファレンス、MAKEなど様々なイベントへ”出張”することに。「わりと受けてくれました。半分はチープなところかなと。あれをガチで作っていったらひいたでしょうね。この面白さはエンジニア的には重要かな。」

「ツイッターじゃないというところもありました。半分冗談だったのだけど、自分たちのコーヒー残量をツイッターに流す意味ないって。(笑)ステータスの方が便利だし、流れに負けなかったことが重要。」

コーヒーメーカーをネットに接続させようという発想は「ネットでなんかやろうというのは思ってないんですよね。特に区別してるわけでなく。鏡置いてできるんだったらそれでいいし、目的が達成されるのではあればそれでいいと。その上でネットとくっつける方が便利だから。」とあくまで自然体。ウケ狙いではなく、極めて合理的な考え方で出来ていたことが逆に新鮮だった。

※開発者の山本氏。首からぶら下がるのは自分のTwitterアカウントを貼付けたiPhone。なんとこのカメラ、自動的にシャッターが・・

現在は開発チームに所属している彼。こういうものづくりはいつやっているのだろうか。「割とそういうことが許される環境にいるのかな。特別に使える時間が与えられているわけじゃなく、時間は自分で作っています。やることやっていれば、常識の範囲で本業に影響ないかぎりはまあ、自由というか。あえて昼間にやろうということは思いませんけど。」面白いものを作ると広めてくれたりしてくれるメンバーがいることも大きいそうだ。

「社会適応的には微妙な工作技術が高まるより、新しい分散フレームワークとか詳しくなった方が役に立ちそうなんですけど。だからこそ、僕なりのリスクを取って生きるということがしたくって。どこの役に立つんだろうという方向にすすめることがテーマです。」という山本氏。朴訥な人柄から産み出される強烈なクリエイティブの次回作も楽しみにしたい。

なお取材中、らぼかへ以外にも大量の”面白いモノ”に遭遇した。インタビュー中笑いが止まることはなく、大変刺激的な体験だった。いくつか紹介させて頂くが、彼の創作意欲はブログで紹介されている。興味のある方はこちらもご覧頂きたい:[作ってみた] – 好きなことしかできませんが、何か?

アクトトイレ:寂しいトイレ空間に癒しを与えてくれるそうだ。ロールの上で光り続けるマウスの明かりがやさしい。

twitter:RTラッパーDAISUKE2:Twitterのつぶやきに韻を踏ませるbot。一行目が誤字なのは偶然。

小型トラックボール:マウスが嫌という理由で産み出されたものの4日で故障したそうだ。