Google Docs、リアルタイム性をさらに高める―新アプリDrawings追加

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GoogleはGoogle Docsの改良によって徐々にではあるが、着実にMicrosoftの核心ともいうべきOffice製品群に迫っている。現在Google Docsは無料のウェブ・アプリケーションとしてワープロ、表計算などが提供されているが、今日(米国時間4/12)、Drawingという新しアプリが加わった。同時に表計算を始めとするGoogle Docsのリアルタイム性が大幅に改善された。これらのニュースはGoogleのAtmosphereイベントで発表された。

Google Drawingsは実は一般的な意味でのドローソフトではない。むしろオンラインのホワイトボードとでも言えばいいだろうか。これは画像やフローチャート、テンプレートなどを利用して複数のユーザーがディスカッションしアイディアを交換するためにツールだ。参加者が使えるチャット機能も組み込まれている。画像は外部からインポートして自由に処理できる。ただし残念ながらフリーハンド描画機能がサポートされていない。GoogleDrawingsはHTML5をサポートしたブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、SVGをサポートするIE9)で最高の能力を発揮する。GoogleGearsを通じたGoogle Docsへのオフライン・アクセスは5月3日でいったん中止される。後日HTML5版で復帰の予定。

しかし今回のバージョンアップで重要なのは、Google Docsのリアルタイム性が大きく前進したことだ。従来、Google Docsでは(特に複数ユーザーで編集している場合)、入力した内容が反映され、自動的にセーブされるまでに明らかに認識できる遅れがあった。Googleはこの問題を根本的に解決すべく、まったく新しいアーキテクチャーをゼロから開発したという。

ワープロの文章や表計算のセル内容を共同作業中のユーザーが入力、編集したとき、従来は他のユーザーに変更が表示されるまで数秒待たねばならなかった。今回のアップデートで、他のユーザーの入力が文字単位でリアルタイム表示されるようになった。Googleの技術者はブラウザの上で作動するJavascriptによる新しいレイアウト・エンジンを新規開発、これがリアルタイム処理を高速化し、反応を早めている。またこのエンジンにより、フロートしている画像をドラグ&ドロップで移動するとテキストが自動的に回り込むなどの新機能もサポートされた。Google Docsのプロダクト・マネージャー、Anil Sabharwalは「Googel Docsでドキュメントを共同編集するのは普通に会話するのと同じくらい簡単だ」と述べた。ユーザーがこれらの機能を利用するためには、設定オプションからオンにする必要がある。〔訳注:現在日本から利用できるGoogleドキュメントにはまだこのオプションが表示されていない。〕

Google Docsは総合的な機能の面ではMicrosoft Officeに大きく遅れているが、同僚その他のユーザーと共同で文書の作成、編集を行う機能に特化し、その使い勝手でOfficeをしのごうとしている。ここでカギになるのは、Google Docsがクラウド・サービであるにもかかわらず、デスクトップ・アプリなみに反応が速くなければならないことだ。今回の発表イベントでSabharwalはGoogle Docsが優位に立つ分野として次のような分野を挙げた―リアルタイム・マルチユーザー編集、内蔵IM、クラウド・ストレージ、モバイル・ウェブからのアクセス、オンライン自動アップデート、無料。

またSabharwalはプレゼンテーションの中で下のようなスライド(何か特定のデータに基づくわけではなく、純粋に概念図だが)を用いて、GoogleのOfficeを超える優れた共同作業ツールとなるという戦略を説明した。私が面白く思ったのは、GoogleDocsが2010年中に総合的な機能でOffice 2003のすぐ下まで迫ることになっているだ。一方、MicrosoftもOffice 2010で大きくクラウド化に踏み出す。Microsoftが用意する概念図は、もちろんGoogleのものと大いに異なるものになるだろう。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01