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Facebookはついに次世代ウェブの主導権を握ったのではないか?

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Zuckerberg曰く: “Web全体が最初からすみずみまでソーシャルである状態を作りたい”

今朝(米国時間4/21)、サンフランシスコで開幕したFacebookのf8デベロッパー・カンファレンスのキーノートは比較的短くてシンプルだった。しかし見誤ってはいけない。このスピーチにはウェブサービス全体に巨大なインパクトを与える可能性のある発表がいくつか含まれていた。特に重要なのは以下の3項目だ。ソーシャル・プラグイン(SocialPlugin)、オープン・グラフ(Open Graph)、オープン・グラフAPI(Open Graph API)である。これらはFacebookの今後の方向性を極めて明確に示すものだ。Facebookは誰にとってもウェブの必須の構成要素となることを目指している

FacebookのCEO、Mark Zuckerbergの発言については、われわれのErick Schonfeldがすでに要約記事を書いている。しかしプラットフォーム開発の責任者、Bret Taylorの発言もMarkに劣らず重要だ。Taylorの発表でいちばん興味深かったのは、「ウェブではソーシャル関係〔ソーシャル・グラフ〕が現在のハイパーリンクに劣らず重要になっていく」というのがFacebookのビジョンであることが分かったことだ。Facebook自身がウェブで最大のソーシャル・グラフの保有者なのだから、ある意味当然の見解ではある。しかし、ここ数カ月のFacebookの驚異的な成長を考えると、このやはりビジョンは正しいだろうと考えざるをえない。

となれば、Googleには脅威だ。いってみればウェブという町に新しい保安官が現れたようなものだ。

キーノートの冒頭でZuckerbergは驚くべき数字を披露してみせた。Facebookのユーザーが4億を超えた(そして急速に5億に近づいている)ことはわれわれも知っていたが、彼はFacebookが現在、過去最高のスピードで拡大していることを明らかにした。Facebookのユーザーベースがすでにこれほど巨大であることを考えると驚くべきことだ。Zuckerbergはまた1億ユーザーを獲得するのに5年かかったのに対し、携帯で1億ユーザーを得るのには3年しかかからなかったと述べた。また過去1年間でその数が3倍に増えた。一番驚くべきニュースはわずか1年でFacebookConnectのユーザーが1億になったことかもしれない。だからこそ、今朝のZuckerbergの発言はウェブの構造を根本的に変える可能せがある。なぜなら、キーノートで発表された数々の革新(ことにOpenGraph)はまさにステロイドで増強されたFacebook Connectそのものだからだ。

こう言えば、いささか大げさで、無用に不安を煽るセンセーショナリズムだと批判されるかもしれない。しかし、FacebookがBret Taylorの才能をいかに的確に利用しているか考えてみるといい。Taylorは以前、小さなソーシャル・ネットワークを作った”(もちろん昨年Facebookが買収したFriendFeedのことだ)。今やTaylorはFacebookの新方針を推進するチームのリーダーを務めている。Taylorは今朝のキーノートでFriendFeedの開発を進めたときFacebookConnectがいかに役立ったかを率直に語った。

TaylorはFriendFeedを開発中に面白い事実に気づいた。新しいユーザーがFriendFeedを使い始めたとき、5人以上の友達が見付かるとその後も使い続ける。しかし4人以下だと戻って来ない可能性が高くなる。まだユーザー数がさほど多くないスタートアップの場合、5人の友達を見つけるというのは不可能に近い厳しい条件だ。そこでFriendFeedはさまざまな他のサービスを使ったログイン手法やメールの連絡相手の検索など友達を見つける工夫をした。そして結局FriendFeedの成功を支えたのはFacebookConnectだった。Talorによると、FB Connectを通じてサインアップしたユーザーは他のサインアップ方法で参加したユーザーに比べて、4倍も常連になる割合が高かったという。「もしFriendFeedが独立のサービスのままだったら、われわれはTwitterとGoogleを含め、Connect以外のサインアップボタンを削除していただろう」とTaylorは語った

「しかし一方で、プログラマーとしてはConnectの利用はまったく厄介だった」とTalorは告白した。FriendFeedにとってFacebookConnectの実装はいつも頭痛のタネだった。この点についてはこの1年、他の多くのプログラマーが同じ感想を持っている。Taylorは“私は以前からプラットフォームはこんなに複雑であってはならないと考えていた”と言う。そして今日発表されたFacebookの新しいSocial Pluginは利用法が革命的にシンプルになった。

これがTaylorのFacebook Open Graphを売り込みむセールストークだ。実際、多くのスタートアップがこの売り込みに乗ってくると思う。ユーザーを引き止めるためにソーシャルグラフの活用が有効であることは間違いないし、Facebook以上に巨大なソーシャルグラフは存在しない。

他のプレイヤーは独自のソーシャルグラフを構築してFacebookと戦い続けるか、あるいは降伏するかという選択を迫られることになる。 “われわれがさまざまなソーシャルグラフを統合したときには、ウェブは今よりずっと役に立つ場所になるとZuckerbergは約束した。

Facebookは今朝、いくつかのSocial PluginとOpen Graphを30社の大手サイトに提供し始めた。私は先程そうしたサイト訪問してみた。すでにCNNにはLikeボタンが設置されていた。これは従来の共有ボタン(Likeボタンに比べたらはるかに遅くて不安定)よりずっと便利だ。

長期的な展望としては、Facebookがウェブの中心(たとえばGoogle.comにとって代わる)になろうとするなら、改良すべき点は多く、道のりはまだ遠いと思う。 他のサービスからコンテンツを奪い取ろうとするその鉤爪は鷲のように鋭い。この攻勢から逃れられるサイトは少ないだろう。

おそらくこれから「Facebookの独裁」に対する懸念が大いに語られるだろう。事実、懸念はある。しかし同時にFacebookが適切に行動するなら、ウェブの諸要素の関連性が今よりも高まり、ずっと便利になる可能性も十分にある。もちろん、未上場の会
が持つにはいささか異常なほどの権力ではある。われわれはFacebookがその責任を正しく認識し、悪をなさないでくれるよう願うものだ。

[写真: flickr/ingridtaylar flickr/alan vernon]

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01