"Like"ボタンは悪か?Open Web派がFacebookのあまりOpenでないOpen Graphを批判

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テクコミュニティはまだ、Facebookのあらゆるところに”like”をばらまこう計画と、Open Graphと彼らが呼ぶものでWebを乗っ取ろう計画の意味するところを、十分に理解していない。Open Graphは、どのWebサイトにもソーシャルなフックを設けるという非常に大がかりなプロジェクトだ。それはWebユーザのインタレストと”like”の結果に基づいてWebサイト上にソーシャルなつながりと即席のパーソナライゼーション(personalization, 個人対応)の層をかぶせる。またそれは、Facebook IDによるWeb全域にわたる本人証明システムの基盤でもある。

Open Graphがオープンなのはその名前だけだ。実態はFacebookがコントロールするプロトコルとAPI集合だ。そのデータはFacebookが取得するが、それがそのまま公開API等からも得られるわけではない。Kevin Marksによれば、そのOpenは”open your underwear drawer”(あなたの下着が入っている引き出しを開けなさい)のような意味でのオープンだ。つまり”Like”ボタンを押したらそのユーザの好みがFacebookにとってオープンになるだけである。データは完全にFacebookの資産になる。すでに、オープンWebの活動家たちは、ソーシャル世界のこのような覇権主義に対して反対運動を起こそうとしている。Hunchのファウンダでシード投資家でもあるChris Dixonと、ニューヨーク市の科学者や技術者たち任意集団が、OpenLikeと呼ばれるプロトコルでFacebookのような動きに対抗しようとしている。それは、Facebookのような単一特定サイトではなく、Digg、StumbleUpon、Hunchなどどこからでも”Like”ボタンを置けるというもの。Dixonは、次のようにトゥウィートしている:

OpenLikeは本当にオープンだ。Open Graphプロトコルの’Open’の意味はZuckだけがご存じだが*、こちらは、誰もが使えるし何に利用してもいいという意味で、本物のオープンなのだ!!

〔*: Zuck, Facebook CEO Mark Zuckerberg〕

Chris Messina(ミスターOpenIDと呼ばれる)は、ブログでOpen Graphを批判している:

問題は次の点にある。”Like”ボタンの押し下げ情報はFacebookに行くだけだ。どのソーシャルWebプロバイダにでも自由にサインインできるのではなく、Facebookにしか行けない。しかもさらに、”Like”ボタンを押すたびに信号がFacebookに送られ、自分のプロフィールとアクティビティストリームの両方に記録されてしまう。

たいした問題じゃないって? でも、その意味を考えてみよう。たとえばLarryとSergeyが今日*、PageRankを作り変えたいと思ったら、どうなるだろう?

彼らは、何をどうしたいだろうか? Webに自分のページを置きたい人は、その前に認証を強制される…。その‘認証化PageRank(Authenticated PageRank)’では、自分のページを検索結果に出したい人はその前にGoogleのアカウントを取得しなければならない**。なんか、すごくできすぎたやり方だよね、そう思わない?

ただし、一つだけ問題がある。残念でした、それは悪ですよ。

〔*: Larry PageとSergey Brin, Googleの創業者〕
〔**: なにかのコンテンツを好き(like)ということと、それが特定サイト…Facebook…の認証に(のみ)結びついているのは、ヘンだ、異様だ、悪だ、というオープンWeb派の感覚を、“Googleの検索のPageRankにGoogleの認証条件が付いたらどうなる?”とカリカチュア的に表現している。〕

このようなコップの中の戦争に、勝つのはZuckerbergだろう。彼は5億近いユーザがいるある種のカリスマだ。それに比べるとオープンWebの連中はゼロに近い。でも、このような反応にFacebookは驚いてはいけない。というより、すでにそれを予期していた証拠もある(”like”ボタンの色指定にはlightとdarkのほかにevilがあった)。しかしこれからのFacebookは、もっと慎重に歩む必要がある。まわりに対してもっと善意を示し、Open Graphを文字どおりオープンにしていくべきだ。情報がFacebookのデータベースにしまわれているだけでは、オープンとは言えない。

自分の”like”は、TwitterでもGoogleでも、そのほかの何百万ものWebサイトでもアクセスできるべきだ(Facebookからだけでなく)。いや、きっとこれからはそうなるだろう。ところでしかし、この記事のトップにある”Like”ボタンを押すのだけは、忘れないでね!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))