盗まれたiPhone事件、私ならこう対応した

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今テク業界最大の話題は、Gizmodoの盗まれたiPhone事件である(注:「盗まれた」という表現は説明を簡単にするために使っているだけで法的な意味ではない)。一人のApple従業員がiPhoneプロトタイプを持って飲み屋に入り、そこに置き忘れてきた。誰かがそれを拾い$5000でGizmodoに売った。Gizmodoは特大スクープをモノにしたが、現在刑事事件で捜査を受け、民事訴訟の可能性もある。前半部分についてはJohn Gruberが良いまとめを書いている。結末がどうなるかはこれからだが、警察はGizmodo編集長の自宅を家宅捜索して機材を押収した。

いくつかのサイトが、これを昨年中頃本誌が関わった Twitter文書スキャンダルと比較している。さらには、本誌ならこのiPhone状況をGizmodoと同じように扱ったのかどうかという質問もいくつか受けた。

私は法的問題については意見を言う資格がないので踏み入らない。警察が自宅に家宅捜索に入ることについては、正味でプラスの出来事である可能性が非常に高いと私は言いたい。われわれは確実にストーリーの中心人物となり、誰からも注目されることになる。だから、まだGawker[Gizmodoの親会社]が恐怖に震え上がっているとは思わないように。ただし、あらゆる法的圧力はうちのライターではなく私に振りかかってくることを願っている。

それはともかくとして、私ならどうやってこの件にどう対応していただろうか。

Twitterの文書は本誌宛にメールで送られてきたもので、こちらからは一切要求していない。われわれはすぐにTwitterとその弁護士に連絡を取った。どの文書も公開する前のことだ。舞台裏の議論はいろいろとあったが、Twitterが当初から明確にしていたのは、この文書を公開することに対して法的措置に訴えるつもりはない、ということだった。彼らの要求は、全部は公開しないでほしいということだった。

もちろんTwitterは、われわれが一切の文書を公開しないよう試みたが、彼らは道徳的、倫理的圧力をかけてきたが法的圧力はかけなかった。結局両者は最後まで何が倫理的に正しい行動であるかについて完全な合意に至ることはなかった ― これに関する私の考えはここに書いた。

ある意味であのTwitter事件はiPhone事件よりも問題だった。Twitterの文書は、同社のメールアカウントに侵入したハッカーによって明らかに盗まれたものだ。ここにそこで起きたことが詳しく書かれている。最終的にわれわれは、その文書を公開することが妥当であるという結論を下した。ニュース価値がそれだけ大きいと考えたからだった。そのハッカーもまた、文書を公開する意図を明らかにしていた。われわれは、彼がそうしないよう多大な努力を払って説得した。大部分の文書があまりにも個人的で影響が大きすぎるからだったからだ。

Gizmodo/iPhoneのケースではそのあたりがあまり明確ではない。電話機は一人のエンジニアが置き忘れ、それを別の個人が拾得したものだ。その人物はAppleに返却すべきだったのだろうか。そこは議論になるかもしれないが、これを拾われることに関してAppleが無頓着でなかったことには議論の余地がない。

私の意見では、Gizmodoが過ちを犯したのはiPhoneを買った時だ。これは決してやってはならない。本誌ではこれまで大ニュースになるかもしれない情報を買わないかと持ちかけられたことがあるが、常に断わってきた。われわれのポリシーでは、決して情報を金で買わない。これは一般的なことではなく、有名メディアでさえ記事を金で買うことはある。しかし、われわれはそれを受け入れることができないだけのことだ。

Gizmodoに対する訴訟は彼らがiPhoneを買ったことに依存しているのだろうか。私にはわからないが、心証を悪くすることは確かだ。

Appleの不服は、iPhoneの情報が事前に流出した結果、競合相手に機能を真似する時間を与えたということだろう。それは妥当な訴えではあるが、同じ訴えはEngadgetに対しても起こすことができるように思う。彼らもこのデバイスの写真を掲載した。そこでも同じ損害が与えられており、かつGizmodoより前に記事を載せている。

要するにこういうことだ。誰かが新しいiPhoneを手に事務所にやってきて、写真を撮らせてくれると言ったなら、われわれはすぐにそうする。もしAppleや警察が来たら、弁護士を立ててできる限り大きな話題にする。唯一やるつもりがないのは、デバイスを金で買うことだ。最後にはそれが、Gizmodo追及の決め手になるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)