VerizonがGoogle Nexus Oneを振ってHTC Incredibleに浮気, いや本気

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GoogleのNexus Oneは、この巨大インターネット企業のモバイル市場への本格的な参入を意味していたはずだ。それは初のいわゆる”Googleフォーン“であり、販売もGoogleが一手引き受けで、ほかのAndroid機に比べてGoogleのブランドがより一層際だつものだった。今日(米国時間4/26)そのNexus Oneが、○○タマをキツーく蹴り上げられた。しかも、悪いのはGoogleだ。

合衆国最大のワイヤレスキャリアVerizonは、Nexus Oneを売らないことに決めた。そりゃたいへんだ、かな? このキャリアはiPhoneも売っていないが、iPhoneは困っていない。Nexus Oneの場合はしかし、Verizonは最初、売る約束をしていたのだ。1月のNexus Oneお披露目のイベントでGoogleは、Verizonとの提携を発表したぐらいだ。

VerizonはこれからiPhoneにキャリアとして対応する気だから、という説がある。でも同社は、Nexus One以外のAndroidフォーンは今も積極的に宣伝している。VerizonがGoogleのキャリア進出を恐れているという説もある。でもそれなら、最初からGoogleと提携しないだろう。しかもGoogleからの売れ行きが大したことないのだから、今になって恐れる理由もない。VerizonがNexus Oneを振った理由は単純だ。もっと良いAndroid機がもうすぐ出るからだ。

Nexus Oneを売っているGoogle自身の言葉を、同社のサイトで見てみよう: “Verizonのネットワークに関しては、HTCのDroid Incredibleを買える。強力なAndroidフォーンであり、機能の豊富さではNexus Oneの従兄弟(いとこ)とも言える“。つまりVerizonはAndroid家の別の娘を嫁に迎えることにしたから婚約者のNexus Oneを振ったのだ。スキャンダルだ!

GoogleがBloombergに提供した声明は、それがまるでGoogle自身の発案だったと言わんばかりだから、なかなかおもしろい。

GoogleはNexus OneをVerizonからは売らないことに決定した。同社のスポークスマンAnthony Houseはメールによる声明で、”オープンなAndroidのエコシステムの全域で、すばらしいイノベーションが生起しているから”とその理由を述べている。

Nexus Oneに大きく賭けていたGoogleがVerizonにIncredibleを売れと言ったのか? それはないだろう。両社は今でも提携関係にあるから、お互いの顔を汚さないためにこんな言い方をしているのだ。

HTCのIncredibleは、あらゆる点でNexus Oneより良い(Nexus Oneはあらゆる点でDroidより良い)。だからVerizonの態度はきわめて納得できる。最良の製品があるのに、わざわざ次善の製品を採るバカはいない。

Google自身にも、それは分かっていたはずだ。いや、われわれ全員、そしてほかの人たちも、それは分かっていた。今Androidというプラットホームには、おもしろい現象がある。数か月おきに新製品が出て、それまでの“ベストの”製品を抜く。今Android機を買えないのは、そのためだ。買うならベストの機種を買いたい…それはmyTouch 3Gだ、いや待て、Droidだ、ノー、Nexus Oneだ、違う、Incredibleだ。2月にはこう書いた: “Androidについて知ってることのすべて、それは、今どうしてもどれか一つを買わなければならないとしたら、ザナックス(Xanax, 精神安定剤)が必要だということ“。

Nexus Oneが正式に発表される前の12月には、GoogleがAndroidフォーンを発売すると聞いて、それは自分の子を食べるようなものだと思った。Androidプラットホームを支えるGoogle自身がベストのAndroid機を出したら、ほかのメーカーは困るだろう? 各社は互いに競合関係にあるから、なおさら問題だ。安全策として各社とも、Googleが公式に支持している仕様で作るべきか? とんでもない。その後の実態は、各社の食い合いだ。

イノベーションは良いことだし、iPhoneのユーザとしては、Android機が出回ることによって業界全体がいよいよ活発に前進するようになればすばらしい、と思った。しかしGoogleにとっての問題は、このような各社の食い合いによって、Androidが勇猛果敢なイノベーションの場でなくなることだ。前にも書いたが、Nexus Oneの真の意味はデバイスそのものではなく、Google自身がそれを売るという新しい売り方にある。携帯電話をキャリアからでなくふつうのお店で買うようになれば、長年キャリア支配だった業界に大革命が訪れるはずだ。

でも、その革命は牛歩だった。Nexus Oneの発表時点では、提携キャリアはT-Mobileだけだったから、オンラインで買う意味もあまりない。でも、やがていろんなキャリアから売られるようになるという約束だった。AT&Tがこのバスに乗り、Verizonが続いた。これにより顧客は、どのプランを選ぶかだけでなく、どのキャリアを選ぶかという自由を手に入れる。キャリア間の競争は、良い結果を生むはずだ。でも、今はだめだ。VerizonがNexus Oneから手を引いた今は、振り出しに戻ってしまった。

Googleのサイトによれば、IncredibleはGoogleからは買えない。Verizonへ行かなければならない。これもだめだ。一箇所(ワンストップ)で”いろいろな機種を買える“という約束はどこへ行ったのだ? その一箇所とは、Googleのことじゃなかったの?

[写真: flickr/snowkei]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))