Facebookは明日のGoogleに、Googleは明日のマイクロソフトになるのか?

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編集部注:Facebookは次のGoogleになれるのか? このゲスト寄稿では、元GoogleのBindu Reddyが、Facebookのオンライン広告プラットホームとしての潜在能力の観点から説得力ある議論を展開する。Reddyは、他の元Google社員らが出資した口コミ広告ネットワークMyLikesのCEOである。彼女はGoogle在職中、プロダクトマネージャーとしてGoogle Docs、Google Sites、BloggerをはじめとするさまざまなGoogleアプリを担当した。

今日、およそ何の情報を探そうという時でも、行く先はGoogleである。ユーザーの探している物に関連のあるスポンサー付リンクを表示することによって、Googleは広告が最も効果的なのはそれが有用な時であることを世に示した。その効果の高さは、Googleをして$25B(250億ドル)の検索広告ビジネスを10年のうちに作らしめた。

しかし、Googleの検索ビジネスは、ユーザーが既に何かを探している時にのみ成立するという本質的な制約がある。Googleが最新のディオールのマスカラ商品の広告を表示するためには、その前にユーザーがメーキャップを探す必要がある。

一方Facebookは、世界のアイデンティティー管理人となった ― 年齢、性別、位置、出身校、勤務先、友人関係 ― この個人情報のすべてが、ユーザーが関心を持つであろう情報の断片を提供するために用いられる。いとこの結婚式の写真が見たい時、同僚がこの週末見ている映画を知りたい時、友だちが「いいね」と思った音楽が何かを知りたい時、あなたはFacebookに行く必要がある。要するに、みんなは今何かを発見するためにはFacebookに行くよう馴らされてしまったのだ。Facebookアプリケーションプラットホームの成長と、FarmvilleやMafia Warsをはじめとするアプリに(これまでのところ)助けられ、Facebookはエンターテイメントや時間を費やすためのウェブ最大の目的地へと成長を遂げたのである。

Googleが、検索結果とシームレスに繋がる広告モデルとしてスポンサー付広告を持ち込んだのと同じように、Facebookがブランドや発見に基づくメンバーにとって有用な広告を、自社システム上に構築できるであろうことは想像に難くない。GoogleのAdWordsと同じく、Facebook広告は中核サービスに組み込まれ、ユーザーに深く関わりを持つ時に、最も高い効果を示す。

例えば、右にあるSonyの広告を見てほしい。これは私が実際に操作できるスポンサー付投票ウィジェットだ。ミニFacebookアプリという感じで、アンケートに参加しながらブランドと接するのは楽しいものだ。マーケターがユーザーの注意を引くうまい方法を次々と見つけるにつれ、Facebookに革新的な広告方法が急速に進化していく。どうすればブランド広告を有用かつ効果的にするかをFacebookが見つけだすのは時間の問題だ。

Google AdWordsと異なり、このモデルにはユーザーが具体的に何かを探しにいく必要があるという制約がない。メーキャップ用品を検索しなくても、Facebookにログインするだけで、その人がファッションに敏感な若い女性であればディオールのマスカラを発見できる。ディオールはこうして、Google検索に広告を出す以上に多くの潜在顧客にリーチすることができる。

効果的で有用な発見広告モデルによって、Facebookは、従来型のテレビやオフラインのブランド広告市場(推定約$132B[1320億ドル] )から大きなシェアを取る可能性を十二分に持つ最初のウェブ企業になった。検索広告が未だに広告費全体($458B[4580億トル])の6.25%($25B)に過ぎないことを考えると、Facebookは次の10年で広告収益、そして時価総額でも優にGoogleを上回る可能性がある。

2000年代前半にGoogleが急成長してMicrosoftから優良テクノロジー企業のトップの座を奪った場面のリプレイをわれわれは見るのだろうか。今回はFacebookがGoogleに取って代わる番のようだが、果たしてGoogleに何か打つ手があるのかどうかわからない。理由はこうだ。

Googleはブランド広告/発見広告を理解できない。

Googleの広告ビジネスモデルは意志と関連性に基づくもので、発見によるものではない。AdWords、AdSenseのパフォーマンスべースのモデルは測定が容易であり、Googleの論理的分析的思考派たちにアピールする。影響、発見、ブランドの広告の力を発揮するためにはGoogleの左脳派にとってこれまで以上の右脳思考が必要になるる。

さらには、ブランド広告の新しい形態を革新、探究する代わりに、ここ数年のこの分野におけるGoogleの戦略は、旧態依然のブランド広告のリーダーであるDoubliClick(主としてバナー広告)を買ったことだけだ。要するにこの分野に関して、GoogleにはFacebookと比べて発見やレコメンデーションの力を理解する新鮮な思考が欠けているのである。

Goolgeは偉大なテクノロジー企業だが商品を扱う企業としては二流である

Googleも容易に認めるとおり、同社で最も力を持つ人たちはエンジニアだ。製品マネージメント等の非エンジニア部門はGoogleではどちらかといえばサービス組織である。これはGoogleがテクノロジー重視の事業に強く、商品主体の事業では二流であることを本質的に示している。

Googleに技術的な挑戦 ― 最大の検索インデックスの構築(Google検索)、最大のストレージシステム(Gmail)、最速のブラウザー(Chrome)、最も気の利いたjavascriptインターフェース(Maps)― をさせれば、Googleは光り輝く。翻って、商品的な挑戦 ― ビデオのコミュニティーサイト(Googleビデオ)、ソーシャルネットワーク(Google Wave、Buzz、Orkut)、Eコマースプラットホーム(Google Product Search)― となると、Googleは完壁ではなく二流になり下がる。

Googleのテクノロジー基盤は、大規模なデータセットの最適化されており、迅速な反復には向いていない。ここのエンジニアたちは、よりよいアルゴリズムや大型システムの仕事を好み、急速に発展するユーザー生成コミュニティーサイトのソーシャルな行動や経済を理解しようとしない(おそらくYouTubeの人たちは例外)。

Googleは中核製品に関しては段階的製品戦略を取る

Facebookが自社の中核製品に対して、一部のユーザー不満を買うというリスクを冒してまで思い切った変更を加え続けるのに対して、Googleの検索やGmailといった中核アプリの戦略は、主としてデータに基づく段階的なものだ。

Googleは、この種の段階的アプローチのために、Facebookとの戦いに中核アプリを活用できない。ようやく最近になって、GMailの一部としてBuzzを導入し、Google検索の一部として左ナビゲーションバーを採用するなど、大胆な動きを始めた。しかし、Buzzを見てもこれらの変更は不足かつ遅きに失した感があり、彼らに本気でやり続ける気持ちがあるのかどうかさえわからない。

以上を踏まえ、Googleがその支配を失う可能性は十分にあるのではないかと私は本気で心配している。みなさんはどう思われるだろうか。Facebookが鮮やかに立ち回り、明日のGoogleになるのか、あるいは、MicrosoftがNetscapeに対した時のように、Googleが目を覚ましてFacebookに勝利するのだろうか。

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(翻訳:Nob Takahashi)