Google App EngineにBusinessバージョン登場, VMwareとも提携

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Googleが軸足を企業サイドに移しつつあることは、誰の目にも明らかだ。とくに最近はGoogle Appsに力を入れ、ユーザ企業がSocialwokZohoのようなサードパーティ製のアプリケーションも導入利用できるための窓口として、Apps Marketplaceを立ち上げた。そして今日Googleはさらに一歩を進め、今日(米国時間5/19)のGoogle I/Oでの発表によれば、Webアプリケーションをクラウドで構築しホスティングするためのプラットホームGoogle App Engineに、その大企業向けサービスとも言うべきBusinessバージョンを導入した。この新たな有料バージョンにより顧客企業は、自社のビジネスアプリケーションをGoogleのクラウドインフラストラクチャの上に構築できる。同じくGoogleの発表によれば、顧客企業がクラウドインフラの上でアプリケーションを開発/展開できるために、同社は今後VMwareとコラボレーションしていく。

Googleが2年前に発表したGoogle App Engineは、フルスタック*でホスティングされ、自動的にスケールするWebアプリケーションフレームワークだ。昨年Googleは、このプラットホームでJavaアプリケーションを構築できる機能を加えた。今回のBusinessバージョンにより、一点集中型アドミニストレーション、有料制デベロッパサポート、アップタイムに関するService Level Agreement(SLA)、定額制月額料金、などの機能も導入され、もうすぐ、SSLやクラウドベースのSQLも提供される。〔*: full-stack, 既製のコンポーネントをくっつけていく方式でなく、最初からフル機能を装備している方式のフレームワーク。〕

新バージョンが提供する一点集中型アドミニストレーション(centralized administration)は、ユーザのドメイン中の全アプリケーションを管理できるアドミニストレーションコンソールだ。Googleは、Service Level Agreementによって99.9%のアップタイムを約束する。有料だがデベロッパに対するサポートもある。またセキュリティ対策として、Google Appsのドメインからのユーザにのみアクセスを許容し、さらに個々のアプリケーションごとにアドミニストレータのセキュリティ選好を実装できる。

新バージョンの料金は、1アプリケーション/1ユーザあたり月額8ドルで、上限月額は1000ドルである。さらに今後はエンタプライズレベルの機能としてSQLデータベースがホスティングされ、顧客企業のドメイン上でSSLによるセキュアな通信を確保し、また今後Googleからのより高度なサービスも提供される。

そして今回の発表に花を添えるのが、仮想化の最大手VMwareとのコラボレーションだ。VMwareは最近、Salesforceとの提携を発表したばかりだが、Googleとの新たなパートナーシップにより顧客企業は、アプリケーションの構築と展開をGoogle App Engine for BusinessやVMwareの環境上で迅速容易に行えるようになる。後者のVMware環境として利用できるのは、インフラとしてのvSphere、vCloudのパートナー、SalesforceのVMforceなどだが、このほかたとえばAmazon EC2のようなインフラの利用も可能だ。ねらいはあくまでも、顧客企業が、マルチデバイス(デスクトップ、モバイル、ほか)対応のリッチなWebアプリケーションを容易に作成し、Javaベースのホスティング環境から展開/提供していくことにある。そのためにGoogle App Engine for Businessのユーザは、VMwareのSpringSource Tool SuiteやSpring Roo(Google Web Toolkitを統合)、Speed Tracerなどを利用できる。

GoogleはGoogle Web Toolkitにデータプレゼンテーションウィジェットを加えて、従来型のエンタプライズアプリケーションの開発を迅速化し、エンタプライズユーザの作業効率と対話性を向上し、モバイルアプリケーションの制作を容易化している。さらに、このたびVMwareのSpringSource Tool Suiteを統合したSpeed Tracerによりデベロッパは、パフォーマンスボトルネックの発見と対策を、アプリケーションのクライアント〜ネットワーク部分だけでなくサーバ上に対しても行えるようになった。

以上見てきたようにGoogleは、高機能で相互運用性に富む環境とツールセットをデベロッパに提供することにより、エンタプライズ開発のクラウド化を今や強力にプッシュしている。これまでもAmazon Web Servicesは、ホスティング環境サービスとしてGoogle App Engineにとって強敵だったが、このfor Businessバージョンの登場によって今度は、AWSのほうが脅威を感じるかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))