「場所」に「チャレンジ」を結びつけたSCVNGR, 立ち上げ数日であっと驚くトラフィック急増

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社名に母音がないのは残念だが、Googleが投資しているSCVNGRは、Foursquareをはじめとする位置対応サービスの連中にとって本格的な脅威になりつつある。先週SCVNGRは、iPhoneとAndroid用のアプリケーションを提供することによって、初めての一般消費者向けサービスを立ち上げた。同社はそれまで、大学、地方行政府、大企業などを相手に、位置対応機能を持つオーダーメードの専用アプリケーションを提供していた。

消費者向けサービスの立ち上げ以来、SCVNGRのCEO Seth Priebatschによれば、同社は驚異的な成長を経験した。”もう、むちゃくちゃな伸びだよ”。SCVNGRによれば、先週の木曜日以来毎日、トラフィックは記録を更新した。しかし、いくら加速度的に成長していても、SCVNGRはまだまだ、ライバルたちに追いついていない。今のユーザ数は、100万にも達していないのだ。

FoursquareやGowallaと違ってSCVNGRは、やり方が一風変わっている。同社は、企業(や団体)相手のビジネスを経験してから消費者向けサービスを開始した。SCVNGRは昨年、合衆国陸軍やプリンストン大学、それに20あまりの小売り企業のような大きな組織向けの、ゲームエンジンを立ち上げた(Priebatschは学部1年生のときにプリンストンをドロップアウトした…卒業予定は2011年だったが)。SCVNGRのこのエンタプライズツールを使って顧客企業〜団体は、現実世界の”チャレンジ”を軸とするモバイルゲームを作れる。プレーヤーは、場所にチェックインしたり、チャレンジ…その場所で写真を撮る、質問に答える、など…を達成するたびにポイントをもらえる。顧客企業〜団体は一つのチャレンジを作るたびに1クレジットを購入する。価格は業種や購入量によって違うが、たとえば大学の場合は25クレジットを約5千ドルで買う(つまりあとからSCVNGRにその5千ドルを払う)。

SCVNGRのこのビジネスは、地味だったがかなり成功した。Priebatschによると、600あまりの企業や団体が登録ユーザになり、リターンレートは91%と相当高かった。サポートとアクセス分析を伴う企業団体向けサービスが、SCVNGRの収益のすべてで、今でも広告以外のそのほかの収益源を検討している。しかしこれまでは、そのたった一つの収益源で十分だった。ここ数か月の収支は黒字であり、正社員は45名でレイオフの予定もない。1月にHighland CapitalとGoogle Venturesから$4M(400万ドル)のシリーズBを獲得し、資金総額は$4.79M(479万ドル)になっている…十分な額だ。Google Venturesが位置対応のゲームサービスに投資したのは、これが初めてでしかも唯一である。

消費者向けプラットホームを構築するという戦略の転換も、Google等からの資金獲得が契機になっている。Google VenturesはSCVNGRのプロジェクトに、ユーザエクスペリエンスデザイナーのBraden Kowitzを貸し出したが、Priebatschによれば、それがプロジェクトの開発に非常に重要な貢献を果たした。そのモバイルアプリケーションでは、個人ユーザでも企業ユーザでも無料でチャレンジを作れるが、ただし従来のエンタプライズツールのようなサポートとアクセス解析のサービスはない。ユーザは一つの場所に数回チェックインすると、そこでのチャレンジを作れる。Priebatschは、これまでの顧客である大企業や大型団体と違って、中小企業は無料のサービスを好むと見ているが、しかしそれもまた、SCVNGRの世界の価値を高める。というわけで同社は、企業顧客との新しい形の関係を柔軟に模索している。たとえば次の月曜日(米国時間5/23)には、SCVNGRはTesla〔電気カー専門メーカー〕のディーラーのための特別なチャレンジを何個か展開し、そのすべてを達成した最初の1000人は特製のTeslaバッジをもらえる(チャレンジがいくつあるかを見つけるのも楽しみの一つ)。TeslaはSCVNGRに一銭も払わないが、SCVNGRにとってはプラットホームと同社の一連のアプリケーションを世間に知らしめる恰好のマーケティングチャンスになる。

SCVNGRの構造には、機会と課題の両方がたくさんある。Foursquare的な機能性の上にロバストな(堅牢な)ゲーミングモデルを作っているが、ユーザが作成するコンテンツにより一つの場所にチャレンジが集まりすぎるおそれもある(現在は人気の高さでソートされ、新しいチャレンジを置くと不利になる場所もある)。また、今の単純素朴なポイント制度を今後どうするか、という課題もある。具体的には、今現在SCVNGRは大型ライバルたちのようにクーポンを提供していないが、Priebatschによればその構想はある。“今GowallaやFoursquareがやってることは、それほど楽しいものではないね”と彼は言う。“うちはあくまでも、ゲーム性を重視したい。だからコードに凝りたい”。SCVNGRのゲーム重視の姿勢はすばらしいと思うが、でもFoursquare(などなど)はクーポンのいろんな活用方法を開発してユーザ数100万の線を突破する気でいるから、時間をかけすぎて”おもしろさ”に固執するのは、考えものではないかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))