麻薬密売人や15歳の子どもでなくても, プリペイドフォーンで昔に帰るのは良い気分

次の記事

Google TV関連、もうひとつの極秘プロジェクト

注: うちのMobileCrunchの読者は、この記事を読んで怒り狂うかもしれない。でも最近のぼくは、ふつうに当たり前のように使えるシンプルな技術に、はまってるんだ。今まで見たこともない、最新の、すごいことのできるすごい製品を手にして、電話をかけるなどのいちばん基本的な使い方でまごつくことが多いだろ。突然キャリアが落ちたり、すぐに電池切れになったり、平気でするからね。だから今のぼくは、シンプル・イズ・ベスト教の信徒なんだ。

1週間前にぼくは、携帯電話に関して困った状態になった。外出用の2台…Motorola Droid(Verizon)とNexus One(T-Mobile)…が、どちらも過去形になってしまった。Nexus Oneは、シアトルへの引っ越しでごたごたしてるとき、どこかへ蒸発した。そして、安定性の良いVerizonの圏域に期待して、予備機として持っていたDroidは、タイルの床に落とす”テスト”をやってるとき、予告なく急死した。仕事で使える携帯電話が、急にゼロになった。

ふつうなら新しい携帯電話を買うところだが、HTC EVOの発売がもうすぐなのに、今ここで数百ドルの買い物をする気にはなれない。EVOがSprintから発売される6月4日まで使えるものが、あればいいのだ。

そして、それがきっかけでぼくは、プリペイドフォーンの世界に、はまることになった。犯罪ドラマThe Wireを見ていると、プリペイドフォーンは麻薬密売人にとって重要な道具らしい。電話機をしょっちゅう変えてれば、優秀なボルチモア警察でも盗聴が難しいだろう。なにしろ、これぐらいしか書くことのない、じみーでへーぼんで話題のない道具なのさ、プリペイドフォーンって。

そこでぼくは、ご近所の親切なお店であるRadio Shackへ徒歩で行き、店頭を見物した。なにしろ、じみーでへーぼんな機種ばっかりで、まあ今が1999年だったら小さなカラー画面がクールに見えたかもしれない。でも、とても小さくて、しかも電話をかけられる。それだけで十分だ。

それに、すごく安いねぇ。ぼくが買った25ドルのやつは、Net10のLG 100で、60日間、300分通話ができる。もちろん延長もできる。契約はないし、途中解約料金もない。自分のGoogle Voiceの番号がこの電話機を指すようにしたら、ぼくに電話をかけてくる人たち全員が、ぼくが今までと同じスマートフォンを使っていると思うはずだ。誰一人、25ドルのプリペイドフォーンだとは気づかない。

その電話機の機能は、電話をかけることと受けることだけだが、スピーカーの音質はこれまで使ったどのスマートフォンよりも良い。電池寿命も長い。そのほか、テキストメッセージと着メロの選択はできる。

というわけで今日までの5日間、非常に頻繁に使ったが、使うのをやめようという気には全然ならない。電話の起呼の品質は、AT&TなのにAT&Tとは思えないほど良い。5つ星だ。不良の起呼はすぐ落ちるだけだから、相手が何を言ってるのかよく分からないのを我慢して電話を続ける状態には、けっしてならない。ぼくにとっては、とても新鮮な経験だった。ここ数年経験したことのないほど良質な技術、と言いたいね。

iPadもしょっちゅう持ち歩いているが、Webの閲覧やそのほかのアプリケーションは、なにしろ、どんなスマートフォンよりも良い(Google VoiceのWebサイトはiPadでは見づらいが)。だからiPadではデータ接続をすごく長時間使う。携帯電話でこんなに長く使ったことは、これまで一度もない。だから、ということは、携帯電話でWebアクセスができなくなっても、全然困らないのだ。

それに、実際のところ、ある種の社会的状況、たとえばディナーパーティーなどでは、携帯電話の使用を完全にやめなければならない。しかしケータイの上でFoursquareやGowallaを使ってチェックインしていたら、それも難しい。だから、最初からそんなことのできない電話機がベストなのだ。プリペイドフォーンを使うようになってから、パーティーなどではそこにいる人たちとよく会話をするようになった。その間(かん)、ぼくのかわいいプリペイドフォーンは、電池残量たっぷりの状態で、おとなしくしているのだ。

という次第で、かつてはiPhone教団の創立メンバーだった男が、そのありがたい教えを捨てて将来性ありそうなAndroidとGoogle Voiceに改宗し、そして今では、LG 100プリペイドフォーンひとすじの、熱狂的な信者なのだ。

6月4日までは、その状態だ。その日が来れば、節操のないぼくの魂は、Sprintの店へ行ってHTC EVOを買えと命じるだろう。LGのことはすっかり忘れて、チェックアウトのときホテルの部屋に置いてきたりするだろう。結局のところ、愛とは、移ろいながら輝きを増す、すばらしいものなのだ。

でもそれまでは、来週のTechCrunch Disruptでぼくを見かけたら、携帯電話を見せてと言ってほしい。いや、きっと見たいはずだ。あなたが、誰かが自分のiPhoneをポケットなどから取り出すたびに、ますますしらけてしまうタイプの人なら、iPhoneは携帯電話ではなくファッションであることをよく知っているだろう。そういうあなたは、携帯電話の新しい流行を作り出す人かもしれない…完全にレトロなやつを(ただし同時に、iPadは持ってるべきだろうね)。

[原文へ]
[米TechCrunch最新記事サムネイル集]

(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))