女性に対する社会問題の改善はママとパパから

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私は反論されることにはかなり慣れている。私が学術研究で探究してきたテーマを考えれば、それは驚くにあたらない。しかし、本当に驚いたのは、私が女性起業家の欠乏に関してTechCrunchBusinessWeekコラムに書いた2本の記事が引き起こしたと思われる大論争だ。最近私が講演に出かけると、必ず女性たちが歩み寄ってきて、私がこの問題を世間に知らしめて彼女らに勇気を与えたことを感謝される。New York Timesは大きな特集記事で私の意見を紹介した。そして、何人かのVCの友人たちからは「明言した勇気」を讃えるメールが送られてきた。反面、一部のVCからは非難も浴びた。ある女性VCは私を「恩着せがましい」ととがめるTechCrunch記事を書いた。 私の記事は全部ゴミであるとTwitterで宣言する者もいた。さらには「私の底意」を疑う実に不快なメールも何通か受け取った。こうして私は、人々の痛いところをついたこと、そしてこれが真に重要なテーマであることを知ったのである。

そこに問題が存在し、それが社会的な問題であることに疑いの余地はない。そもそも女性は全米の技術系企業に3%しか存在しない。上級の技術的立場には殆どいない。全IT特許の5%以下、オープンソース・ソフトウェアの1.2%にしか寄与しておらず、女性の率いる企業がベンチャーキャピタルを受け取る比率は、過去数年で劇的に減っている。これは、今や数学の成績では女子が男子を上回っている事実に関わらず起きていることだ。男性100人につき140人の女性が高等教育を受けており、学士、修士の半数以上を女性が取得し、博士号も半数近くを女性が取得している(Cindy Padnosのこの白書を参照されたい)。

これは、女性が過酷なビジネスの世界でやっていけないという意味ではない。女性がトップにいる企業の方が投資効率に優れ、女性が経営するベンチャー資金企業は、他に比べて12%収益が高い。失敗率も低い。私がNational Center for Women & Information TechnologyのJoanne Cohoonと共同で著したKauffman Foundationの新しい報告書には、企業設立者の経歴、動機、成功要因が、女性と男性とで驚くほど似ていることが示されている。

私は女性を特別扱いすべきだと提案したことは一度もない。むしろ、互いに助けあって目覚ましい成功を収めたインド人たちのような別のグループから学ぶ必要があることを書いてきた。私が言いたいのは、問題を解決したければ、まずその問題が存在することを認め、それから問題の根本的原因を修正するべきだということだ。偶発的な成功例をいくつか見つけられるからというだけで、全体がうまくいっているふりをしてはならない。

私は最大の社会的問題が何であるかに気付いた。それは、Anita Borg Instituteの「ビジョンを持った女性」賞のパーティーで、優れた女性3人が自らの体験談を話したの聞いた時だった。

Kristina Johnson、Lila Ibrahim、Kathleen McKeown。クリックでイベントのビデオが見られる。

かつてデューク大学のプラット工科校の学部長で私のメンターだったKristina Johnsonは、自らの成功の要因の多くを彼女の両親のおかげであると考えている。電気エンジニアの父親はものづくりの楽しさを教えてくれ、ものの仕組みに対する彼女の好奇心を養った。母親は教育の大切さを、Eleanor Roosevelt言うところの「夢の美しさ」によって彼女に教えた。現在Kristinaはオバマ政権のエネルギー担当次官として「地球を救う」ために働いている。

コロンビア大学コンピューターサイエンス教授のKathleen McKeownは、テキスト要約と自然言語生成技術の先駆者だ。彼女の母は応用数学者で、女性が家庭の主婦としての役割しか与えられなかった時代に、家族を養うために働くことが定められた。彼女は娘たちに対して、タフであれ、必要なら社会を否定しろと教えた。

Intelのゼネラルマネージャー、Lila Ibrahimは、Intelが第3世界に教育技術を提供するプロジェクトを率先したが、アラブ系家族の出身であり、そこでは伝統的に女性は殆んど職を持たなかった。それでも、両親は彼女に高等教育を授け、人より秀るよう強く薦めた。

3人の女性とも、両親の助けなくして成功はなかったと口を揃えて言っている。3人共、会の終りには大勢の学生たちに囲まれていた。多くの意欲的な女性起業家がそうであるように、若い学生たちの誰もが必要としているのは、ロールモデルから何らかの勇気をもらうことである。ここに社会的問題を修正するための鍵がある。両親は自分の娘たちに、エンジニアや科学者になることで世界を変える手助けができること、また成功した女性は他の女性たちに勇気と指南を与えるべきである、ということを教える必要がある。

昨日(米国時間5/14)も私は非常に興味深いイベントに参加した。TiEconという、シリコンバレー最大の起業家ネットワーキングイベントである。私は、Kauffman Foundation VPのLesa Mitchell、NCWIT CEOのLucinda Sanders、Polyvore CEOのSukhinder Singh Cassidy、Shmoop CEOのEllen Siminoffらによる、女性起業家の欠乏に関する活発なディベートの進行役を務めた。私たちは、まず問題があるかどうかのディベートを行ってから、解決策を検討した。

SinghとSiminoffも協力的な両親について話した。しかし、2人は女性にとっての社会問題はないと言った。女性が成功して世界に出ていけるかどうかは、自信を持てるかどうかの問題だけである ― 彼女たちがそうしたように。女性が「肩をいからせる」ことで得るものは何もない。このことを調査しててきたSandersとMitchellから具体的なデータを見せられると、シリコンバレー以外では女性が自分たちのようにはネットワークにアクセスすることができず、協力的な両親のいない女性と同じく不利であることに2人も同意した。パネルの意見は、「転換点」にいる女性 ― 起業に興味も動機はあるが、知識と支援がない ― は手助けを必要としている、ということで一致した。

Lesa Mitchellがこう言っていた。数年前彼女は、社会問題など存在しておらずKauffman Foundationは女性たちを特別扱いすべきでない、という意見だった。しかし、大規模な研究とデータを見直してから、完全に考えを改めたという。女性には励ましと起業のための教育、そして頼れるメンターが必要だ。特に女性が不利な状況にある分野では。

要するに、革新と経済成長を促進するためには、人口のもう半分を勇気づけてその潜在能力を引き出す必要がある、ということである。問題意識をもって、改善のために努力しようではないか。ところで、Astiaが、6月8日にニューヨークでWe Own It Summitというイベントを開催し、主要なグループが集まってこの話題を議論する。参加することをお薦めする。私は基調パネルの進行役を務めるが、まちがいなく興味深いものになるだろう。

編集部より:ゲストライターのVivek Wadhwaは起業家出身の学者である。現在UCバークレー客員教授、ハーバード法科大学院上級研究員、およびデューク大学起業・研究商用化センター研究担当ディレクターを務める。Twitterでは@vwadhwaでフォローできる。】

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(翻訳:Nob Takahashi)