[jp] 東京Camp vol.3に参加してくれたデモピットをご紹介。ー前編

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comScoreスマートフォン活用レポート:専用アプリケーションの利用率がブラウザの利用率を逆転。活用事例が多いのはやはりソーシャルネットワーク

5月27日に行ったイベントはこれまでと少し構成が違って、Startup Meetingと東京Campが同時開催だった。回を追うごとに参加してくれる読者のみなさんは増えていただけるし、今後もう少し大きなイベント、そう、例えばTechCrunch50Disrupt ーとまではいかないにしても、TechCrunch Japanとしての意見や集まってくれるスタートアップがもっと注目されるようなステージを用意したいと考えているからだ。

昨年の8月にプレイベントをやってから早くも3回目(プレイベントを入れれば4回目)になる東京Camp。今回もこの野戦病院のような場所に集まって時間一杯デモと説明を続けてくれたいくつかのデモを紹介させて頂く。まずは前編から。

クチコミ割引 Piku.jpピク メディア株式会社

Pikuはクーポンの共同購入サイトで話題を振りまいているGrouponと同じコンセプトのサービスだ。ハイパーローカルアドとフラッシュマーケティングを組み合わせたこのビジネスモデルはTwitter、facebookなどのリアルタイムかつソーシャルな導線を活用することで、大きな成果を上げることに成功している。Pikuについては以前この記事で紹介している。ビジネスモデルが分りやすいだけに、競合もこれから増えるだろう。


KAUPON [カウポン]キラメックス株式会社

KAUPONも日本で始まったばかりのGrouponレースに参加したスタートアップだ。ある一定期間内に共同購入者を集めることで通常では考えられない価格でのチケット購入が可能になる、売買が成立して初めて費用が発生する完全成果報酬型ビジネス。

「街の夫婦でやってる飲食店でとても料理が美味しいのだけれど、プロモーション費用が出せない。そんなお店がKAUPONを使ってリスクフリーで大勢集客できれば、たくさんの人が美味しい料理を食べれて嬉しい。夫婦も嬉しい。これは絶対『良い事』だと思ってます。KAUPONがそんな『良い事』をできるサービスにしていきたい」と代表の村田 雅行氏は立ち上げの想いを熱く語ってくれた。

このコンセプトが示す通りなら、彼らの用意するチケットは単なる安物ではなく、利用価値の高いものになるだろう。PikuやKAUPONなど、リアルタイムデータ、ソーシャルウェブ、フラッシュマーケティングの要素を取り入れたサービスは伸び盛りだ。このテーマは別途書いてみたいと思う。


MYTRACKs(マイ・トラックス)イデアリスタ株式会社

Startup Meeting vol.2ライトニングトークで優勝したサービスが今回、新たにmixiアプリに対応したMYTRACKs for mixiを引っさげて私達のイベントに帰ってきてくれた。MYTRACKsはウェブ上でバーチャルセッションができるスタジオを提供し、まさに「時空を超えた」バンド活動を可能にしてくれるサービスだ。ソーシャル上でのサービスインが今回可能になったことで、ユーザー数も順調に伸びているそう。操作も実際にみせてもらったが、大変簡単にみえた。(そもそも楽器の演奏の方が大変だと思うが・・)

今後は「Facebook、iPhone/android等へ拡張しながら、MYTRACKsで世界中 のプレイヤーをつなげたい」そうだ。海をこえた「オヤジバンド」達のセッションが聞こえてくる日を楽しみに待ちたい。


fluxflex(フラックス・フレックス)

※サイトはまだオープン前

ソーシャルゲームが盛り上がりを見せる中、頭を悩ませる問題がひとつ。サーバーだ。ソーシャルゲームはヒットした場合、短期間に凄まじいユーザー数を集めることがある。しかしそれを見込んで巨大なサーバーシステムを構築することは逆にコストというリスクを背負い込むことになる。fluxflexはその問題を解決するためのスタートアップ向け・アプリケーションホスティングサービスだ。

ポイントは「オートスケーリング」。ソーシャルゲームでよく使われるAmazon Web Serviceなどは負荷に合わせてスケールするシステムを組むことができる。このメリットをもっと簡単に受けられるアプリケーションホスティング、といえばイメージがつくだろうか。

「アプリケーション開発者にとって、もっと安く、簡単に、余計な手間が発生することなく利用できるプラットフォームは作れないだろうか」(代表 深海 寛信氏)という想いで作られたfluxflex。正式なオープンはまだだが、無料から使えるそうなのでローンチした際にはまたお知らせしたい。


ツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクト首都大学東京 渡邉英徳研究室:Works

インターネットが時間と空間を飛び越えてくれる。わかりやすい回答のひとつ、それがGoogleの提供する地図や地球儀だろう。色々な話題を振りまいてはいるけれど、確実に私達、人類のどこでもドアとしてその役割を果たしてくれている。

しかしそこにあるのはあくまで地図だけだ。首都大学東京、渡邊 英徳氏が展開するツバル・ビジュアライゼーション・プロジェクトはバーチャルな地球儀の上で実際に繰り広げられる人々のコミュニケーションを独特の方法でビジュアル化し、ひとつの表現として提示してくれた。

「遠く離れたツバルに住む人々と、世界中の人々の間に存在する「壁」をインターネット技術を活用することで取り払い、コミュニケーションの新たな扉を開きたい」と話してくれた同プロジェクト。ここに示されているのは時間と場所を盛り込んだ新しいインターフェースの可能性だ。ネットによって確実に国と国の距離は近くなった。しかし、このようなプロジェクトが進むことでその距離はもっと近く、そして便利になるかもしれない。


ララコレレイ・フロンティア株式会社

Startup Meetingでテーマにした位置とARの要素を組み合わせるとこういうものができました、というお手本のようなサービス。ララコレはスマートフォン上でその場所にある情報をARで表示し、ユーザー同士で共有するコミュニケーションツールだ。これだけを聞くと一瞬不安になる読者の方もいるかもしれない。そう、このツールを何に使ったらよいか分らない、という意見だ。

しかし彼らのアイデアは、このサービスにあるイベント性を付け加えることで理解しやすいものになる。それが「ココイク!」機能を活用した実際のフィールドゲームだ。「ココイク!」は今いる場所ではなく、これから行く場所を先に設定しておき、そこにコミュニケーションしながら集まる、という機能。これを使った宝探しゲーム(実際にプレで彼らが実施したのはAR爆弾解除ゲーム)は大変スリリングだ。

ロケーションベースのサービスはリアルな店舗や場所への誘導がビジネス的にも重要なキーとなる。実際に体を動かせるイベントやゲームが頻繁に企画されることになるのであれば、可能性は大変高まるのではないだろうか。


ソーシャルロケーションブックマークサービス NearNearシリウスラボ

情報にあふれている現代において、それらに触れることよりも、いかに記録・有効活用するかが重要になる。NearNearはこの問題に位置情報を活用した解決方法を提供してくれる、非常にシンプルで分りやすいサービスだ。

例えばテレビなどを見ていて気になるお店などの情報を見つけたとき、彼らのサービスを使ってウェブページをブックマークしておく。ここまでは別に通常のウェブブラウジングと変わりない。

ポイントは二つだ。ひとつ目はこの情報をソーシャルに共有してくれる。フォローしているユーザーのブックマーク情報を共有することで、膨大な情報を1人で構築する必要はない。

そして最大のポイントが位置情報の記録だ。ブックマークしたウェブページの住所情報を記憶し、ユーザーが実際に近くを通りかかったとき、ブックマークした情報を教えてくれるという機能だ。住所データはウェブサイトから自動的に抽出して登録してくれるので、入力の手間も少ない。ソーシャルブックマークと位置のすばらしい融合例と云えるだろう。


Sync+ / SyncShop

リモートデスクトップは便利な反面、セキュリティ面で利用範囲が限られる。どのような状況であれ、あらゆる個人情報が溜め込まれているPCを、他人が乗っ取って操作するということはもう考えられないことなのかもしれない。しかし、一方でこの技術がなくならないのはそれなりにニーズがあるからだ。特にPCに不慣れなユーザーを遠方からサポートするような場面はまだまだ多いかもしれない。

Sync+はブラウザを使ったコミュニケーションというユニークな発想で、ブラウザのみリモート操作を可能にする技術だ。ブラウザ同士をHTTPでつなぎ、相手のブラウザを操作することができる。操作できるのはブラウザのみなので例えばOSのシャットダウンなどはできない。

残念なのがプラグインを使うところだ。相手にプラグインをインストールさせないとこの仕組みが使えないので、インストールを促すことになる。当然相手は操作もままならない初心者(だから操作してもらうのだ!)の場合が想定されるので、この操作はハードルが高いだろう。この問題については解決方法を含めて検討しているそうなので、それらが解決されれば非常に有用性の高い技術になるかもしれない。


スマートフォン向けYield Optimizer「AdMaker」Nobot Inc.

AdMakerはスマートフォン「アプリ」を対象にしたアドサーバーとアドネットワークを提供しているサービス。ただ、単純に広告配信するだけでなく、最適化して最も効率的な収益を上げられるようにしてくれる、広告収益最適化(Yield Optimizer)が特徴だ。彼らの提供するSDKでアプリに広告設定を組み込むことで、例えば複数提供されるアドネットワークの配信比率を変更して効率化をはかったり、将来的にはアプリを使ったユーザーの情報を元にした、動的な最適化も可能になるそうだ。

しかし最も重要だと感じたのは彼らの展開するアドネットワークのエリアだ。彼らは国内だけでなく、海外にも積極的に出向いて営業しているらしい。国内でスマートフォンアプリを開発しているデベロッパーにとって、海外にどうやってプロモーションするかは悩みの種になる。その点、AdMakerを使えば世界中のアドネットワークを利用することができるようになる、つまり、自分達が広告主として参加することもできる、ということだ。

スマートフォンアプリを通じた世界的なエコシステムは既に大物がさらに大物と手を組んで牛耳ろうとしているのかもしれないが、そこに挑む彼らのアプローチにも注目したい。提携する国内・外のアドネットワークについてはもうすぐ発表するそうだ。

後編へつづく