違う人のDNA検査結果データを96人に送ってしまった23andMe

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自分の唾液をスタートアップに送るなんて、気持ち悪いと思うかもしれないが、23andMeでは、比較的安い料金で誰でも自分の遺伝子を検査してもらえる。ここが今日(米国時間6/1)、”一部の顧客の試料が弊社と弊社の提携研究機関によって検査時に不正に処理された”と発表した。そしてそれによって”最大で96名の顧客”が、自分のものではないDNAデータを受け取った。…顧客を困惑させる大きなミスだし、このような、消費者と直接接する遺伝子検査企業に対する規制が強化されるかもしれない。23andMeは該当する顧客全員に通知を送った。

間違ったDNAデータを受け取ると、とんでもないことになる場合がありえる。一人の顧客は、データを受け取ったあと、23andMeのコミュニティフォーラムの”うちの子は私の子じゃないの?“と題する投書で、次のように述べている:

私の息子の検査データには、血色素症のキャリアであると書かれていました。私はびっくり仰天しました。だって親は、どちらもキャリアではありません(夫の検査結果はまだ来ていませんが)。娘の検査結果を見ると、私と共有している部分がかなりあります。でも息子のは、私にも娘にも似ていません。息子が生まれる1か月前に、地元の2つの病院で赤ちゃんを取り違えるという事件がありました。私はパニックに駆られて、何度も当時の記録を調べました。息子は、ベッドで枕を抱えて寝てしまい、今日は学校を休みました。私は彼に、検査機関のミスなのよ、と言ってやりました。

Genetic Futureというブログによると、顧客の試料を入れておく96穴(たとえば12×8)のトレイの扱いミスだろう、という。また、エラーが下請けの検査機関で起きたことも、このブログは問題視している(つまり23andMe自身はDNA検査をしていない)。しかし責任は、そのデータを顧客に送った23andMeにある。しかも今回は、安全対策が機能しなかった。23andMeは、再発防止策について、次のように述べている:

このような事故が今後起きないために、検査時の確認工程をもう一段増やします。また、検査工程における手作業の部分をなくし、試料分析の完全自動化を目指します。さらに、データを顧客のアカウントに載せる前のチェックを、より厳重にいたします。

検査機関における、試料やデータの取り違えは、珍しい現象ではない。しかしそれでも、ミスが頻繁にあるという事実は、気分の良いものではない。とくに遺伝子データは、あらゆる個人情報の中でもいちばん機密にしておきたいデータだ。それによって、家系の分析や、疾病素因、それに子どもが抱える危険な遺伝的素質まで、分かってしまうのだから。

とは言うものの、今回の被害は軽微だった。有名な科学雑誌NatureのブログGreat Beyondが、非営利の運動団体Genetic AllianceのCEO Sharon Terryの談話を紹介している。Terryによれば、被害は”比較的小規模で、しかも迅速に訂正された”、しかし、このような遺伝子検査は”複数者による監視と確認作業が必要だ”。

ぼくは23andMeのような企業に対して、昔から愛憎半ばしている。遺伝子情報というものは、理解と利用の仕方が本当に正しければ、未来への予見を与えてくれるすばらしいものだ。23andMeからもらったデータが役に立ったというケースは、過去にも未来にもあるだろう。でも同時に言えるのは、この分野は広大な未知の領域であることだ。今回は、遺伝子情報の取り違えは絶対にあってはならないことだ、と改めて強く認識させてくれる、貴重な事件だったと言えるかもしれない。

〔23andMeのファウンダの一人はGoogleのファウンダSergey Brinのオクサン。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))