[jp] ソーシャルの力で「あたりまえ」を教えてくれる。nanapiは新時代のライフハックサイトだ。

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私達は小さい頃からいろいろなことを学んで成長する。教えてくれるのは学校の先生や両親、そして友人などだろう。しかし、学習機会の最も多い学生時代が過ぎ去り、社会人となると急に教えてもらえる機会が減ってしまう。例えば冠婚葬祭だ。

ご祝儀の袋をどうやって包んだらいいのか?どんな服を着ていけばいいのか??もちろん、両親や友人に聞けばいいかもしれない(実際私はそうだった)けれど、たまたま聞けない状況だったらどうする?

そんな「あたりまえ」と思われる一般常識、なんでもない人にとってはなんでもない生活の情報をソーシャルに作り、そしてソーシャルに教えるウェブサービスがロケットスタートの提供するnanapi(ナナピ)だ。代表の古川 健介氏ミルクカフェに始まり、したらばC-teamサグルメなど数多くのサイトを手がけてきた。新サービスにはこの経験がどのように生かされているのだろうか。

「特別なことは本当はあまりいらないのです。サイトにもかいてあるようにあたりまえのことをちゃんとしたい、と思ったとき、実はあまり情報がなくって」。古川氏はサービスを立ち上げた理由をこう説明してくれた。

サイトはスッキリとしたデザインで様々なライフレシピ(nanapiでは生活情報をライフレシピと呼ぶ)を探すことができる。「彼女の両親のもとへ挨拶に行く時に配慮すること六ヶ条」や「脱タバコ!禁煙初心者がまずやってみるべき方法」など、確かに困ったときにハマればものスゴく役立つアドバイスから、「ラジオを聴こう!超初心者のためのラジオ基礎知識」など、知ってる人にとっては「?」がつくほど基本的な生活情報をみることができる。もちろん、自分がちょっとしたライフレシピを持っている場合はユーザー登録して投稿も可能だ。

と、ここまで説明を聞いて沢山の競合サイトを思い浮べた方も多いのではないだろうか。確かにガイド的なメディアであればAll Aboutがあるし、もっと人的なアプローチであればOK Wave人力検索はてなのような国内サービスもある。海外ではMahaloや、究極的に人が答えてるchachaなんていうのもある。

nanapiが他と違うのはソーシャルウェブ、特にTwitterのトラフィックを積極的に活用しようとしている点だ。「2009年9月にサービスインしてから約半年ほど。会員が5000人で集まったライフレシピは2300件ほど。1カ月に200から300件のレシピが集まる」(古川氏)

現在の月間ページビューは250万PVほどで、流入トラフィックのほとんどがTwitterやmixiニュース、つまりソーシャルウェブからだそうだ。nanapiのTwitter公式アカウントは合計で10000人を超えるフォロワーを獲得しているし、具体的なTwitter連携のサービスとして「ちょこっとnanapi」という簡単なQ&Aの仕組みも提供している。

※ちょこっとnanapiからTweetされた質問と私の回答

これは非常に重要なポイントだ。TwitterはRetweetという「文化」を持っている(昨年正式な機能になったが)。例えば@akhkというアカウントで頻繁に情報を配信しているワイアードの石原 明彦氏がたまにこのnanapiの気になった情報をRetweetするのだが、このように共有される情報は良識あるサイトのブランディングや誘導に役立っている。Twitterとの相性もよいのだろう。

私も実際、nanapiを知ったのは彼のTweet経由。カメラのフラッシュについてのライフレシピがあるときタイムライン上に流れてきて「そういえば」と気付いたのがきっかけだ。このそういえば、という感覚はやはり検索窓へキーワードを投げる形式では難しい。書店で何となく気になった雑誌を手に取るのと似た、非常にランダムな体験かもしれないが、プッシュで良質の気付きを与えてくれるのもソーシャルウェブの特徴だ。

このようにライフレシピを通じたソーシャルコミュニケーションがnanapiへのトラフィックを生みつつあるという事実は、Grouponの成功で盛り上がりをみせる共同購入サービスと同様に、従来のGoogleベースでサイトを運営していたプレーヤーにとっては脅威になるかもしれない。

ビジネスについては「現在はスペシャルレシピというタイアップをやっている。例えばブックオフオンラインの使い方のようなコンテンツ。でも、将来的にはユーザーがライフレシピが流通する、そういったコンテンツプラットフォームになることも考えたい」そうだ。このあたりもユーザーが有益な情報を提供し、それがソーシャルに共有される仕組みが完成すれば、その延長上に見えてくるかもしれない。

また、海外への展開についても「例えばネクタイの洗濯の仕方、なんていうのは世界共通。例えばこういったライフレシピをその地域ごとにローカライズしてもらえるようなAPIの提供などは検討してみたい」とその展望について語ってくれた。

「そもそもサービスが好き。自分から情報を作り出すことがこれからもできればいい」これまでも数々のサービスを手がけた同氏が、新たなソーシャルウェブという波を掴んで新たな時代を作り出すのか。これからも注目したい。