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ネット上のグローバルなハローワークを目指すCloudCrowd–ファウンダたちが長期戦の覚悟を語る

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あの悪名高きNapsterCloudMark(スパム撃退サービス)のファウンダの一人だったJordan Ritterは、クラウドのパワーと人間の能力を結びつけることに、つねに最大の関心があった。彼は昨年4月に、CloudMarkの元役員だったAlex Edelsteinと二人で、彼らの次の事業計画を練り上げた。

そのとき二人がビールを飲みながらまとめた構想が、CloudCrowdとして実現した。

CrowdFlowerやAmazonのMechanical Turkと同じく、CloudCrowdも労働力市場をクラウド化する。そのために、世界中の労働者たちの巨大なネットワークを作る。今、その数はおよそ25000人、完了した仕事の数は2009年10月のサイトの立ち上げ以来100万を超える。先輩のCrowdFlowerの50万人に比べるとまだ少ないが、CEOのEdelsteinによると毎週2000ぐらいのペースで急速に増加中だ。タスク数100万に達するまで7か月を要したが、Edelsteinの予測では今後8週間で200万になるそうだ。上のビデオを見よう。

CloudCrowdには、2つの部分がある。まず、そのビジネスの大半は、クライアント企業が持ち込む仕事とその手配だ: 企業が仕事をCloudCrowdに提出し、そしてこのサービスが仕事を適切な労働者に請け負わせる。労働者はFacebookのアプリケーションからCloudCrowdにアクセスし、そこで仕事を拾って給与の取り決めを行う。仕事は、画像の画質をチェックするといった単純なものから、Webサイトの全ページの翻訳のような手間のかかるものまで、さまざまだ。料金は仕事の難度で決まるから、給与は数セントから数ドルまでと幅がある。仕事が完了したら別の有賃ユーザが結果をチェックし、品質管理を行う。

第二の部分は、新たに設けた対消費者サービスだ。

CloudCrowdは最近、EditZenというものを立ち上げた。ここは、Wordのビジネス文書などを1ページ4ドルで編集してくれるサービスだ。もうすぐ立ち上げるTranslationZenは、1ページ19ドル95セントで翻訳を請け負う(従来の翻訳専門サイトに頼むと1ページ60ドルは取られる)。

消費者サービスを除き、CloudCrowdの取り分は20%から80%までとさまざまだ。平均的労働者がもらう賃金はそう高くないが、副収入源としてはわるくない。とくに開発途上国では、本来の賃金水準がアメリカなどよりも相当低い。事実、今集まってくる労働者は合衆国以外からが多く、とくに多いのが東南アジアと東欧だ(中でもマレーシア、フィリピン、シンガポールが多い)。

CloudCrowdはまだ利益が出ていないが、資金の状況はまあまあで、今サンフランシスコで15名の社員を抱えている。今のところ唯一の投資家であるEdelsteinが、このプロジェクトに150万ドルを投じた。しかし最近は、シリーズAを目指して数社のVCと話を進めている。

CloudCrowdのようなサービスの最大の課題は、増え続ける労働者への適切な対応だ。Edelsteinも、仕事の量と種類を十分に確保することが、とくに最初のうちは難しいと認める。まだマーケティングやクライアント企業の開拓に十分な資金を投じておらず、これまではもっぱら口コミによるクライアント拡大に頼ってきた。Edelsteinは、こう語っている:

“労働者からの最大の苦情は、仕事が少ないということ。たしかに、労働者の数に対して、仕事の量は十分ではない。これまでは、まず製造業が中国や開発途上国に移り、その次はホワイトカラーの仕事がインドに移ったが、どちらの場合も、仕事の質などについて相手国の人びとを教育し、国内の企業が納得するまで、何年もかかった。どんなアウトソーシングも、一晩では実現しない。だからFortune 500に並んでいるような有名企業が、十分な量の仕事をインターネット上のクラウドにアウトソーシングするようになるまでには、やはり数年はかかると覚悟しなければならない。”

CrowdFlowerのようなライバルに負けず成功するためには、労働の質に対する信用を確立することと、労働者たちのスキルに関する正しい情報をなるべく多く蓄積することが何よりも重要だ。Ritterによると、システムは各ユーザのプロフィールを自動的に作り更新するよう作られている。つまり、ユーザが仕事を完了してそれに対するリビューが終われば、そのユーザ(労働者)のプロフィールが更新され、彼/彼女の信用度やスキル情報が更新される。そういう情報が適切に組織化されていれば、短期間で仕事をやってもらいたいと願っている顧客企業にとって、貴重なデータになるだろう。

“インターネットの上に、頼りになる人びとの信頼度グラフ(credibility graph)のようなものを構築していきたい”、Ritterはそう言う。”顧客企業がたとえば、’これこれの仕事を高品質で確実にやってくれる人を千人ほしい’と言っても、残念ながら現状ではそれに即応できない。今のインターネットの上では、安心して仕事を頼める人を千人見つけることすら、不可能なのだ。われわれは、われわれのサービスを通じて、この状況を変えなければならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))