Nixty、Eラーニングでドデカイ物を作る野望をもってスタート

次の記事

ネット上のグローバルなハローワークを目指すCloudCrowd–ファウンダたちが長期戦の覚悟を語る

オンライン教育では、実際の教室での体験のすべてを再現することはできない、と言うのは簡単だ。先生との1対1の対話、クラスメイトとの対面による触れあい、質問がある時には手を挙げればよいというわかりやすさ等。チャットウィンドウを開いたり、メールを送るのとでは比較にならない。

問題は、人々がどれほどその違いを気にかけているか、である。なぜなら同じ議論は、CD対MP3、TV対オンラインビデオ、紙の本対KndleやiPadについても聞いているからだ。ほぼあらゆるカテゴリーにおいて、没入型体験より利便性を優先する人たちが有意な数存在することが証明されている。

これまでのところ、教育の世界でそれが大規模に起きたことはなく、以前私が書いたように、多くのシリコンバレー拠点の起業家が、挑戦を断念している。あの記事の後、山ほどのEラーニング会社の口上を聞いた。ある一社に特に目を奪われたのは、彼らのこの分野で巨大な企業を作ろうという欲望と、勝つためには高度なグローバル化が必要であるという認識だった。こういう話は、米国以外の会社から聞くことが多い。

会社の名前はNixtyで、今日(米国時間7/13)発進する。メンバーらは以前学習管理ソフトウェアの会社を経営していて、いくつかの契約で業界の巨人Blackboardに勝っている。主として価格で。 そして、ちょっといいソフトウェアビジネスではあったが、巨大な何かに化けるようなものではなかった。しかし、ファウンダーたちは何か大きなものが欲しかった。

Nixtyは、Eラーニングコースの世界規模の巨大プラットホームを目指している。現在同社には、MIT、ハーバード、スタンフォード、エール、IIT、バークレイなどの大学による200のコースがあり、自動採点簿や、簡単に作って印刷できる賞状など、さまざまな教育用ツールを提供している。アイビーリーグのコースを集約して、ずっと使いやすいソーシャルに基づくユーザーインターフェースに作り変えたほか、Nixtyでは教員や専門家が、このドラッグアンドドロップの簡単なコース作成ソフトウェアを使って、新しいコースを作ることを期待して、複数の人たちがテキストやビデオや講演を追加できるwiki的切り口を導入する。

教員にとっての参入コストは低い。公開コース(全員に公開)は無料で作成できるほか、Nixtyでは個別あるいは継続的な教育コースのための支払い機能を提供する予定だ。有料コースでは、3コースで$4.99/月、あるいは9コース$9.99/月の料金を教員から徴収する。これに加えてコース毎に教員が決めて生徒から徴収する金額の20%をNixtyに支払う。

オープンでソーシャルなEラーニングツールでありたいと考える企業は、もちろんNixtyだけではない。この市場は特に途上国で需要が高け、Nixtyは、多くの戦いが起きるのはそこであり、米国ではないことを賢くも認識した。これは、米国にニッチ市場がないと言っているわけではない ― 例えば、両親が新しい自己学習型カリキュラムを望む自宅学習の子どもたち、身体障害や育児問題さらには自宅監禁のために外出が困難な人たち等(そういえば、弁護士、法律家向けの連続教育コースも一つのニッチかもしれない)。私の両親は教員を引退した今でも、時おり自宅で相互依存グループによる学習や読書を行っている。今でも雑務に追われることなく教える楽しみを味わいたいと思っている両親や、似た境遇の多くの人たちが、このソフトウェアを使って自分でコースを作り、Nixtyの簡単なコースビルダーインターフェースで、自分のパソコンの中にある教材を楽々とドラッグアンドドロップする様が想像できる。。

しかし、没頭型体験にこだわる人がどれだけいるか、という議論に戻ると、米国で大学に行く余裕のある人たちの殆どが、実際に大学に通う体験を望んでいるというのが事実である。大学に戻りたいが仕事や子育てで時間が取れない、という人はNixtyを使えるが、そこには私が「Rosetta Stoneのジレンマ」と呼ぶ問題がある。私はRosetta Stoneのソフトウェアが大好きだし、この語学学習のアプローチはうまくいくと思っている ― しかし、結局のところ流暢に話せるようになるために必要な時間に近道はなく、私にはその時間がない。Eヘルスのベンチャーの多くがつまづいたのも同じ理由だ。会社は、人々が実際にどう行動するか、に即して作るべきであり、どう行動してほしいかではない。

しかし、もしNixtyが米国にいる優位性を活かして世界最高の教育コンテンツを集め、インド、インドネシア、ブラジル、中国などの国々に最適化したユーザーインターフェースを作ることができれば、大きな成功を手にすることも可能だ。子どもをアメリカの大学に行かせたいがそこまでの余裕はない、という家庭を想像してほしい。外国の学生がNixtyを通じて必要な単位を取得して、2年生か3年生に編入することも可能だ。

Nixtyにとってタイミングは良い ― 先週、ミシガン州立大学がドバイキャンパスを閉鎖すると発表した。米国の大学がこの10年間に行ったきた世界進出を縮小し始めたトレンドの最新事例だ。キャンパスにいることは、オンラインで授業を受けるより優れた学習体験なのか。もちろんそうだ。しかし、もしドバイに住んでいて他に選択肢がないのなら、Nixtyが教育のライフラインになれるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)