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調査報告: 合衆国のベンチャーキャピタル業界は縮小、新興市場が伸びる–ただし投資案件の量と質は向上へ

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DeloitteNational Venture Capital Associationが今日発表した調査報告書によれば、合衆国のベンチャーキャピタリストたちは今後の5年間に関して、国内の市場は縮小するが、中国、インド、ブラジルなどの新興市場での成長が期待されると考えている。この調査は、全世界の500あまりのVCを対象に行われたものである。

調査結果によれば、合衆国の回答者の90%以上と、ヨーロッパおよびカナダのVCたちは、2015年までにベンチャー企業は減少すると見ている。これに対し中国、インド、ブラジルのベンチャーキャピタリストの多くが、これらの国でこの期間にベンチャー企業が増加すると考えている。

合衆国のVCたちが業界に関して元気のない見方をしているのは、IPOの市場が弱いことと、税制や各種の規制がVC振興の方向にないためである。合衆国の回答者の過半数が、VCの有限責任パートナー(limited partners, VCへの資金提供者:有限責任)たちの多くが、今後の5年間で、合衆国のベンチャーキャピタルファンド(VCの投資原資)への投資により消極的になるだろうと考えている。

一方、中国の回答者の99%が、同国におけるベンチャーキャピタル企業の増加を期待し、ブラジル(回答者の97%)やインド(85%)も同様である。

VCの資金調達に関しては、合衆国の回答者の56%が有限責任パートナーたちが合衆国のベンチャーキャピタルへの投資に消極的になると考えている。これに対してブラジル(回答者の92%)、中国(91%)、インド(76%)は、これらの国において有限責任パートナーたちが投資により積極的になると考えている。

新興市場のVC市場ではこのように回答が前向きだが、しかし自分たちの国の外での投資活動が増えると答えた者は全回答者の34%にすぎない。国境を越えた投資活動に比較的積極的なのは、フランス(56%)、イスラエル(50%)、そして連合王国(イギリス)(49%)である。逆に国外投資に消極的なのは、ブラジル(19%)、インド(15%)、中国(11%)である。

合衆国では、回答者のVCたちの今後5年間の評価額の動向に関する見方が二分し、32%が増加を期待、34%が減少、さらに34%が横ばいを期待している。評価額の期待がもっとも楽観的なのは中国とインドで、ベンチャーキャピタリストたちのそれぞれ68%と62%が今後5年間では増加と考えている。逆にイスラエルとフランスではそれぞれ、回答者のわずか10%と6%しか、自国での評価額の増加を予想していない。

合衆国とヨーロッパでは業界の縮小が懸念されているものの、全回答者の57%は、今後5年間でディールフロー*の量は増大し、56%がその質も良くなると期待している。〔*: deal flow, 投資案件の数。〕

投資のタイプに関しては、合衆国の回答者の72%がクリーンテク*業界、58%が医療やソーシャルネットワーク関連のスタートアップに投資したいと答えている。というよりも、すべての国で、多くの回答者たちがクリーンテク業界に投資すると言っている。〔*: clean tech, 環境技術/ビジネス。〕

合衆国に関しては、回答者たちの態度が明らかにネガティブである。昨年の不況にもかかわらず今年のVCの資金調達は上昇したが、過去10年、リターンは一貫して減少傾向だ。成長と投資機会は、明らかに海外にある。今年のベンチャー業界の最大のクローズ(close, 投資の完了, 完了した投資)は、Sequoia CapitalのSequoia ChinaにおけるForeign Currency Fund III(外国通貨ファンドⅢ)で、それは今年前半のアーリーステージファンド(early-stage fund, 長期的総額でなく当初獲得資金)として10億ドルを確保した。この調査報告には暗い側面もあるものの、今後の5年間で長期的なリターンは上向きに転ずるという希望もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))