Appleアンテナ問題、唯一の真の解決策

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編集部より:ゲストライターのSteve Cheneyは、ウェブおよびモバイル技術専門エンジニア兼プログラマー出身の起業家である。

Appleのプレス会見を明日に控え、iPhone 4のアンテナ問題に関する果てしない憶測が飛び交っている。あらゆる議論の中、解決策についてはどちらの側の意見も極端だ ― 全面リコールか、しらを切り通すか、バンバー無料配布か、はてはハードウェア問題全般を否定するか。

最良の解はそんな極論の中間にある。ハードウェア問題を全面的に認め、自主回収とともに製造過程に緊急な改善措置を行うこと。理由はこうだ。

アンテナ問題は明白な事実であるばかりでなく、そこには終りがない。これまでにiPhone 4はまだ300万台しか出荷されていない。PC Worldの推計によると、2011年までに4000万台が出荷される見込みだという。

この驚くべき予測によって、Appleにとって真の問題が見えてくる ― 問題が消えることはないのだ。iPhone 4が1台売れるたびにユーザー基盤は増えていく。そしてこの問題はかなり気まぐれで、場所や電波状態によって挙動が異なるため、問題が顕在化する可能性は出荷台数の増加とともに幾何級数的に高まる。さらには、主要報道機関によるネガティブ報道が続くことによって、Appleの苦悩は文字通り指数関数的に拡大しかねない。

単純な解決策がある。

台湾のODM(Original Design Manufacturer[OEMの一種だが設計も行う])は、製造ラインに緊急修正を加えることに驚くほど長けている。Foxconnや台湾のODMを訪問した際、彼らが製造サイクルの途中で変更する様子に私は驚愕した。殆どの人は、家電製品の部品が3~6ヵ月単位で変更されていることを知らない。しかもそれらの変更は、部品やソフトウェアレベルの変更であり、これは工業デザインの単純な変更に比べてはるかに困難である。

このことは、HTC社(ODMでもOEMでもある)を想像すればすぐ理解できる。もしHTCに全面新規モデルの電話機を平均1~2ヵ月毎に生産する能力があるなら、FoxconnとAppleが、製造途中にアンテナデザインを変更する修正を加えることが可能なのは、明白である。

この修正は何からなるのだろうか。実に単純だ。ステンレス製アンテナを絶縁被膜で覆えばよい。Appleのデザインの神、Jonathan Iveなら、金属面を覆いかつ外観、質感、透明度、硬度といったステンレスの高級感を損わない材料など意のままだろう。

FoxconnとAppleなら1ヵ月以内でこれを完了できるはずだ。Foxconnは新しいiPhone 4の生産ラインを準備しておき、新しいアンテナが整い次第ラインを切り換える。ステンレス鋼には(網膜ディスプレイなでと異なり)品不足がないから、この解決策の実施はAppleとFoxconnがいかに速く動くかのみにかかっている。

アンテナ問題がApple史上最悪の失態になりつつあることを踏まえると、必要なリソースを結集することは、Appleの第一優先であるべきだ。じっさい、もし明日Steve Jobsが、すでにそのような修正が進行中であると発表すれば、騒動を鎮める上で大きな役割を果たすだろう。

これはAppleにとって不可避である。なぜなら、ユーザー基盤は急速に拡大しており、Appleの品質保証に対する無頓着は恒久的な傷になりかねないからだ。テスト不足とJobsのメール対応のいずれもが、極度にずさんだった。アンテナ問題は、Jony Iveが最近のインタビューで、Appleの材質管理を自慢していた話と完全に矛盾する ― ステンレスが導電性であることは、無線技術師でなくても知っている。

アンテナは絶対に今すぐ直すべきだ。Appleは製造ラインが軌道に乗ったある時点で「自主回収」を行えばよい。例えば、今すぐ自主回収を発表し、9月1日以降最長3ヵ月間、ユーザーがジーニアスバーでiPhone 4を交換できるようにする。

このような自主回収による財務的負担は大きくない。2期(9月四半期と12月四半期)にまたがるので、収益への影響が軽減されるからだ。また、新たな教養を身につけた多くのユーザーは、その頃までにバンパーやサードパーティー製のケースを使っているだろうから、リコールに応じない人も大量にいるはずだ。

Appleはアンテナを修正すべきだ。さもなくばブランドへのダメージは最悪になる。ちなみに、セルフ修理サイトのiFixitと話したところ、彼らはAppleが既に何らかのコーティングを使っていると考えているそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)