Apple、トヨタとメディアの誇大報道

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トヨタは私たちを殺そうとしているのか、と人々が思った頃を覚えているだろうか。多くの車が急発進し、アクセルペダルの固着やフロアマット、コンピュータなどが責められた結果、トヨタは大規模なリコールを実施した。その後、米運輸省道路交通安全局は、事故の原因は基本的に「ペダルの操作ミス」であると静かに公表した。これは、ブレーキを踏むべきときにアクセルを踏んだ愚か者がいた、という意味だろうか。やれやれ。

トヨタのリコール騒ぎの始まりは、2009年冬に、大量のフロアマットが送り返されてきた時だった。小さな電球1つを直すために、クリスマスツリーとプレゼントを全部持っていったグリンチのように、トヨタは高飛車かつ疑いの目で見ていたが、ついに1月、タオルを投げて数々の過ちを認めた。これも覚えているだろうが、昨年11月は経済不況で自動車が売れない時期だったため、販売競争で一歩でも先んじるためにはどんなことでもするのが、メーカーとして理にかなっていた。トヨタの崩壊によって当時同社の売上げは確実に減少した。競合他社の数字が改善したかどうかの評価は困難だが(ほぼ全社が対前年比で減少した)、トヨタの「非問題」が業界の利益になったことは明らかだった。1件の悲惨なLexusアクセル問題で失われた命を軽視するつもりはないが、トヨタが自らに責任のない多くの問題で、不当に非難されてきたことはきわめて明白だ。

2010年、原油流出の夏に時計を進める。Appleの新型iPhoneには、電波強度の表示と減衰に関するかなり重大な問題があった。それは、公平を期して言えばあらゆる携帯電話ユーザーが被る問題だった。例えばこんな魅力的なビデオがある。

先週私は、アンテナゲート事件は結局他人の不幸を喜んでいるだけだと書いた。ブロガーたちは ― 私を含め ― 何年もの間iPhoneの優位性をメーカーになりかわって宣伝し、他のデバイスを軽くあしらってきた。私は罪を犯した、MG[Siegler]も罪を犯した、Gruberも罪を犯した。みんなiTard(Apple製品狂)である。だから、これほど視覚に訴え(適当な条件下で)再現性のある問題が起きると、世界中が誇張しにかかった。地方局を含め主要ニュースがこの話題を取り上げた。結局Appleは、虐げられた大衆のためにパンとサーカスのチケットを配ることで、アンテナ問題を忘れ、代わりに無料でもらえるケースに注意を向けさせなければならなかった。BP流出の次のニュースサイクルに移る頃には、アンテナゲートは忘れられ、まき散らされたインクは水泡に帰しているに違いない。

私はトヨタとAppleの話をどちらも「誇張」の事例として取り上げた。毎年8、9月のニュース日照りの時期に恒例のサメが襲来するように、報道機関はセンセーショナルな話題を絞り出すのが大好きであり、競合他社はそれが続くことを望んでやまない。RIMとNokiaは、キーノートでAppleのアンテナ問題と同列に扱われたことに不満らしいが、彼らの営業チームがこの騒ぎに乗じて、競って顧客を捕まえにかかっていることはおわかりだろう。

私はここにアンテナゲートに終止符を打つが、Appleを褒めるつもりはない。私は企業を信用しない。企業はわれわれのことも従業員のことも気にかけていない(Foxconnを見よ)。気にかけるのは現金だ。しかし総合的にみて、市場は最高の製品をトップに押し上げるものと私は考えたい。Appleはこの新デザインで多くの過ちを犯し、それは次回修正しなければならない。しかし、今回の騒動はAppleというより携帯電話業界全体の不満の問題だ。巨人の損は全員の得 ― Appleのライバルたちがどんなに否定しようとも。

荒らしのみなさんへ:私の意見に対する威勢のよい非難を下にどうぞ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)