Kindle本の売上、ハードカバーを越える。アマゾン曰く「転換点」到達

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Amazonの電子書籍リーダー、Kindleがすばらしいデバイスであると言われて久しい。残念ながら、これまで長い間価格が高すぎた。AppleのiPadが出てきて、少々色も、少なすぎる。しかし、Amazonは最近、賢明にも同機の価格を大幅に改訂し、$189へと下げた。その結果再び成長が加速している、とAmazonは言っている。

事実、今四半期の各月ともKindleの売上は上昇している。「Kindleの新価格によって、転換点に到達しました ― Kindleデバイスの売上台数の伸び率は、価格を$259から$189に下げて以来3倍に増えました」とAmazonのファウンダー、Jeff Bezosは語る。

おそらくもっと興味深いのは、今やKindle上で販売された本の数が、Amazonで売れたハードカバーの部数を上回っていることだろう。過去3ヵ月間、Amazon.comで売れたハードカバー100冊につき、Kindle本143冊の割合いで売れているという。しかもその差は開いている。先月はハードカバー100冊につき180冊のKindle本が売れた。これは、Amazonの米国全体の書籍事業の数字であり、さらにはKindle版のないハードカバーも含んでいる。さらに無料のKindle分は含まれていないので、実数はさらに多くなるだろう。

またAmazonによると、2010年前期に販売したKindle本は、2009年前期の3倍だという。現在ストアにはKindle用に63万冊の書籍が揃っている。そして、そのうち51万冊が$9.99以下である ― AppleのiBookstore(もっと高い)と比較して有利な点の一つだ。さらにAmazonは、180万点の著作権の切れた1923年以前の書籍をKindle用に利用可能だ。

もう一つ興味深いのが、すでに5人の著者がKindle版の自著を50万部以上売っていること。Charlaine Harris、Stieg Larsson、Stephenie Meyer、James Patterson、Nora Robertsである。

今月Amazonは、大画面のDXモデルのスクリーンを改善して黒フレームにした新型を発表した。

以上を踏まえても、Amazonは今後Appleなどとハードウェアで厳しい競争を戦わなければならない。Kindleは読書用としてはすばらしいが、できることはiPadの何分の一かでしかない(Amazonさえも、これを強調している)。だから私は来年中には、Kindleを$99にする値下げが行われるのではないかと思っている。もしAppleがiPadを$499で据えおけば、当分は十分な差別化になるだろう。しかもAmazonは、賢明にもiPadやiPhone、Android機などのデバイス用にもKindleアプリを提供している。これによってAmazonは、自らがハードウェアを扱うか否かに関わらず、将来の書籍ビジネスに影響が及ばない。

もう一つ、なぜAmazonは数値をプレスリリースで公表しているのだろうか。以前この会社は、Kindleの販売台数について多くを語らないことで知られていた。もちろん、かつての週替わりの「iPadがKindleを殺す」ストーリーにも数字は出てこなかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)