Jeff Bezos、Kindleの未来について大いに語る(ハイライトビデオあり)

次の記事

GoogleのCEO、Zyngaとの提携に言及


昨夜(米国時間7/28)、AmazonはKindleの最新版を発表した。スクリーンが改良され、サイズはスリムになり、なにより重要な点だが、従来よりずっと手頃な$139ドルに値下げされた(Wifi版。3G版は$189)。これを機に、AmazonのCEO、Jeff BezosがCharlie Roseショーに出演し、iPadのようなタブレット・コンピュータが登場してもKindleが利用される余地は十分にあると主張した。番組はここで通して見ることができる。さらにCharlie Roseショーの好意で、下にハイライトのビデオクリップとテープ起しをエンベッドすることができた。

今回の番組でいちばん注目すべき点は、BezosがKindleをあくまで長文の読書専門のデバイスにとどめておこうとしていることだろう。Bezosは「AmazonはKindleに特別のユーザー体験を導入するつもりはない。ユーザー体験を創造するのは本の著者だ」と述べた。Bezosはさらに、KindleはiPadや年末には市場に溢れるであろう、その仲間のタブレット・コンピュータとはまったく異なるジャンルのデバイスであることを強調した。他のデバイスと異なり、Kindleには目立つ特徴がなく、そのことによってユーザーの注意を本そのものに集中させることができる、と主張した。

われわれがなぜあれころのことをしないのか、その理由を説明すべきでしょうね。われわれは特別のユーザー体験を作るつもりはありません。ユーザー体験を作るのはあくまで著者です。ナボコフでもヘミングウェイでもいいですが、それを読むことによるユーザー体験があるわけです。しかしそれを作るのはわれわれの仕事ではない。われわれの仕事は便宜を図ることです。つまり欲しい本が60秒で手に入る。全蔵書をいつでもどこでも持ち歩くことができる。重みで手が痛くもならない。長時間呼んでも目が疲れない。バッテリーが何ヶ月ももち、バッテリー切れの心配をしなくてすむ。

なんでタッチスクリーンにしないんだという声をよく聞きます。ではなぜわれわれはタッチスクリーンにしなかったのかというと、もしタッチスクリーンを採用するとしたら、現在のテクノロジーでは静電容量方式になるわけですが、これはディスプレイの上に専用のレイヤーを重ねる必要がある。そうすると反射がひどくなります。余分のガラスなりプラスティックなりの層を重ねるわけですから、どうしても余分の反射が出てくる。技術的にはタッチ機能を加えることはまったく簡単です。しかし読書体験に妥協なく便宜を図るというわれわれの観点からするとタッチスクリーンの追加は正しい方向ではない。われわれはあくまで最良の読書デバイスを目指す。われわれのアプローチは正しいと思います。

Bezosは「AmazonはiPadその他のタブレット・コンピュータの登場を歓迎する。なぜならこうしたデバイスは優秀なウェブブラウザであり、Amazon.comでショッピングするユーザーをさらに増やすことになるからだ」と述べた。(GoogleのEric SchmidtもAppleのモバイル製品について同様の主張をしている)。BezosはまたAmazonがKindleの販売台数を秘密にしている理由を次のように述べた。

それじゃ理由をお話しましょう。われわれがKindleの販売台数を秘密にしているのは、それがライバルとの競争上有利になると考えるからです。誰かが似たようなデバイスを開発しようと考えたとする。そうするとKindleの販売台数は製造ラインや販売チャネルを計画する上で非常に重要な情報になります。 しかしわれわれが「何百万台も売れた」とだけ言っていればこうしたライバルにとってあまり参考にならない。

番組中でRoseはBezosにiPhone 4のいわゆる「アンテナゲート」事件について質問した。Bezosは当初質問をはぐらかそうと試みたが、Roseに巧みに追いつめられて「あれには少々驚いた。どうしてテスト中に問題が発見できなかったのか理解できない」と認めた。しかしBezosはアンテナゲートがAppleにとって長期的に深刻な問題となることはないだろうと付け加えた。

さてBezosは単に強気のセールストークを並べているだけなのか? それともKindleにはiPadその他のタブレットに対抗する独自の強みが本当にあるのか? 私の直感では―IT業界では反対の意見もあるだろうが―Bezosの主張は正しい。個人的な経験からしてもKindleのほうがiPadよりはるかに快適な読書体験を与えてくれる。もちろんだからといってiPadで本を読むのが苦痛だというのではない(私はバスの中でいつでもiPadで本を読んでいる)。しかしiPadではぶっ続けで何時間も読書に没頭するのは難しい。(iPad式の対話的な多機能デバイスのもたらすユーザー体験については以前に書いた記事を参照)。 古き良き本格的小説を読むにはKindleのほうが優れている(もっとも読書体験だけに限っていえば、本物の本が依然として最良だと私は思うが)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦/namekawa01