Skype、いよいよ上場へ―登録届出書によれば有料ユーザーは6%

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いよいよSkypeが上場への具体的な動きに入った。同社はこのほどSEC〔アメリカ証券取引委員会〕に 新規上場の登録届出書を提出した。届出書に記載された売り出し額の上限は$100M(1億ドル)とされているが、これはあくまで仮の数字だ。

同書によれば、Skypeの2010年上半期の売上は$406M(4億600万ドル)に対して純益はわずか$13M(1300万ドル)だった。しかも利子収入が大きな部分を占めているため、純利益率は3%にとどまる。しかもSkypeは新興のスタートアップではない。上半期の営業収入はわずか$1.4M(140万ドル)だった。しかし同期の粗利益率は51%あった。またSkypeの業容が拡大するにつれて世界各地で接続料の値下げ交渉が進展しているところから粗利益率は改善の傾向にある。

IPOの実施までにSkypeは調整EBITDA(税、減価償却差し引き前の売上利益)を公表しなければならない。調整EBITDAは都合のいい指標で、営業権、株式ベースの従業員報酬、訴訟費用などの影響を受けない。2010年上半期の調整EBITDAの$115.7M(1億1570万ドル)、前年同期比で54%のアップとなっている。Skypeの手持ちキャッシュは現在$85M(8500万ドル)。これらの数字はSkypeの過去の実績をベースに調整を加えた見積財務情報に記載されたものだ(下の財務情報の表はクリックで拡大できる)。

今回の届出書で明らかになった興味深い事実の一つは、Skypeのファウンダーたちが作ったP2Pテクノロジー企業Joltidに対して、訴訟の和解条件に従って$344M(3億4400万ドル)を支払わねばならないことだ。いっとき、この訴訟のせいでSkypeがeBayから分離するのが不可能になるかと思われた

2010年上半期にSkypeユーザーはトータルで950億分の音声、ビデオ通話を利用しており、そのうちビデオ通話の割合は40%にも上ることがわかった。また同期間中、8400万通のSMSテキストメッセージが送信されている。

6月30日現在、Skypeには約1億2400万のユーザーがいたが、そのうち有料ユーザー810万(全登録ユーザーは5億6000万)に過ぎなかった。ただし、この有料ユーザーは平均年間$96を支払っている。Skypeの戦略は当然ながら全ユーザー数を増やすと同時に有料ユーザーへの転換率を高めていくことにある。

収入確保のためには単にSkype-Outの料金を稼ぐだけでは足りない。Skypeは広告収入の拡大を図ると同時に企業向けサービスの追加を計画している(アンケートによると、37%のユーザーがビジネス目的でSkypeを利用している)。Skypeの企業戦略は届出書に以下のように記載されている。

広告を含む新たな収益モデルの構築。Skypeのユーザーは2009年7月1日から2010年6月30日までの1年間で1520億分のSkype間通話を行っている。この通話ボリュームは、広告、ゲーム、バーチャル・ギフトなどを含む新たな収益源となるのに十分な機会を提供するもの見込まれる。

Skypeはルクセンブルグに登録された企業で、アメリカでは米国預託株式(American depository shares)として発行されることになる。新規上場に際しては新たな持ち株会社が設立され、公開株の株主と個別株主(Silver Lake Partners、Andreessen Horowitz、従業員等)の保有する株式を統合して管理することになる。Skypeの企業構造については下のチャートを参照。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01