ipad
Fotopedia
fotonauts
digital books

Fotopedia、iPad向けに「さまざまな情報にリンクする写真集」を刊行(ビデオデモあり)

次の記事

世間は狭い―話題の映画でZuckerbergを演じた俳優の従兄弟はFacebookの社員

iPad上ではデジタル書籍に関する新しいアイデアが次々と登場しつつある。iBookの形式ではなく、アプリケーションとして提供することでいろいろな手法が試行されているところだ。この試みのひとつとして、Fotopedia Heritageという興味深いアプリケーションが登場した。今後リリースしていくiPadおよびiPhone向けフォトブックの第一弾だとのことだ(iTunes Link)。

このアプリケーションは、単純に写真集をiPadに移植したというようなものではない。従来の写真集などが持ち得なかった魅力を持つものだ。世界遺産サイトに登録されている20,000件以上の高画質写真を文字通り手元において楽しむことができる。本アプリケーションについて、Fotopediaのクリエイターであり、元Appleの技術者であるJean-Marie Hullotが説明をしてくれた。その様子は上のビデオに収録してある(iPhoneで撮ったものなので、照明等に不備があるのはご容赦いただきたい)。

アプリケーションはiPhoneでも利用できるが、主にはiPadで利用することを念頭において開発されたものだとのこと。まず、画像をスワイプして次々に世界遺産サイトに登録されている写真を閲覧することができる。それぞれの写真には場所や被写体に関するタグが付されており、指でタグにタッチすればフランスの写真、その中でパリの写真、そしてエッフェル塔の写真というように次々にいろいろな写真を楽しむことができる。タイの写真を見ながら、寺院関連の写真を絞り込んで閲覧することもできる。特定のジャンルの写真から別のものにすばやく移動して見ていくことができる。見たい写真を探すなら、画面右側にあるフィルムアイコンをクリックして一覧をスワイプしながら探してみることもできる。

写真はすべて2年前のTechCrunch50でデビューしたソーシャルフォトサイトのFotopediaに登録されているものだ。Fotopediaには才能豊かな写真家が大勢参加していて、ほとんどの写真はCreative Commonsのライセンスで公開されており、そのそれぞれはGoogle MapやWikipediaの記事にリンクされている。Fotopediaの目標は世界を写真で表現しようということで、今回はこの中から世界遺産に関する写真を集めてiPad版写真集を刊行するに至った。今後、ほぼ1ヶ月毎に新たな写真集を刊行していく予定もあるそうだ。次号は国立公園の写真集を予定しているのだとのこと。

Fotopediaはデータベース的な面を重視していて、ほとんどの写真はWikipediaにリンクしている。今回刊行された写真集でもWikipediaのテキストが利用されている。また位置情報も付されていて、撮影場所を地図で確認することもできるし、TripAdvisorの情報を見てみることもできる。またそれぞれの写真はメール、Facebook、あるいはTwitterで簡単に共有することもできるようになっている。

Fotopediaの刊行する電子書籍はCreative Commonsライセンスの写真を集めて掲載する場合には無料で出版される。またFotopediaの写真家たちが集って有料の写真集を刊行することもできる。この場合、販売金額の一部をFotopediaに支払う必要がある。

今回の写真集を簡単に説明するなら、Fotopediaのウェブサイトにある写真をうまくまとめたものと言うことができる。そこでHullotにブラウザベースのものを刊行するつもりはないのかと尋ねてみた。それに対してはブラウザベースのものもリリースするつもりはあるとのことだった。ただその場合、アプリケーション版で提供しているようなシームレスな統合環境を提示しにくいというのが悩みだとのこと。いずれにせよ、今回のアプリケーションは、デジタル書籍とウェブを結びつけた際にどのようなものが実現できるのかを示したサンプルとして捉えることもできる。コンテンツは無限に連鎖して、データを構造化して管理しているので検索や共有するのも簡単に行える。結局のところ、書籍とウェブには何ら違いはないということになるのかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)