[jp] ライフハックのnanapiワークスはソーシャル時代に新しいコンテンツ供給の仕組みをつくれるか

次の記事

ハイパーローカルニュースサイトが簡単に広告管理できるPaperGのFlyerboard, 大手サイトが続々採用

何気ない日常のライフハックをソーシャルの力で作ろうというロケットスタートが運営するnanapiが新しいサービスを始めた。nanapiワークスは審査を経た登録ユーザーが記事を書くと1本あたり200〜500ポイント(1ポイント=1円相当)が貰えるというクラウドソーシングサービスだ。

審査を通ったユーザーに与えられる管理画面でオーダーを確認して自分が書けるテーマを選択することができる。書いた記事はnanapiに掲載されると同時に、企業プロモーション用のコンテンツとして提供されることもあるという。8月3日の開始以降、登録ライターは110人ほど、記事の執筆本数は60件ほどになるそうだ。

立ち上げにあたってロケットスタート代表の古川健介氏は「蛇口をひねるようにコンテンツを作るサービス」を作りたかったと語る。「テーマを先に決めてCGMサイトを作ると読者と書き手が固定されてしまう。これだと1つのサイトが流行ったからといって次が流行るとは限らない」とこれまでの経験からCGMがヒットする要因が大きく「運」に左右されたと話す。

テーマごとに必要なコンテンツを提供できる仕組みがあれば様々なメディアができるーーそう考えた古川氏は「リクルート時代に手がけた、バナーをクラウドソーシングで製作するC-TEAMがある程度成果を出していたので、これを記事コンテンツでできないか」とnanapiワークスを企画したそうだ。類似のサービスにはDemand Mediaがある。

さて。売買した記事によるPRビジネスといえばペイパーポスト(PPP)を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。記事をお金で購入してPRをする手法は根強い批判がある。過去、Google Japanがこんな事件でページランクを下げられたのも記憶に新しい。もちろん、彼らが目指しているのはPPPではない全く違うシステムだ。

ペイパーポストがどこまでいっても批判にさらされるのは、お金を貰って書くという行為そのものよりも、内容が無いことに起因することが多い。同時多発的に発生した記事を拾った検索エンジンは、まるでその話題がもっともホットであるかのように誘導しようとする。もちろん、エンジン側もそれらをスパム扱いしようとするがそれはイタチごっこだ。

その点、nanapiの提供するコンテンツは元々ライフハック情報で、何気ないといいつつも知らない人にとってはありがたい、ある意味技術的な情報だ。もし、企業側のPRにこのようなコンテンツが使われたとしても、nanapiという「フォーマット」が間に入ることになるので、PPPのような直接商品の賞賛記事が並ぶという恐れがない。

例えば、今実際に提供されている生命保険会社のキャンペーンページに彼らのコンテンツが提供されているが、純粋に役立つ情報が並んでいるので、つくられたPR臭はしない。これらのコンテンツは「nanapiからAPI経由で他のメディアに送り出す仕組みを用意しているので、キャンペーンに合わせた様々なテーマで使えるコンテンツを提供できる」そうだ。

「これからは企業プロモーションにとって有益なコンテンツをマッチングさせたい。例えばアクセス数のよい記事だけ配信するなど、1人のライターに依存しない方法を提供したい」と、いい記事ではなく、稼げる記事が重要だと語る。nanapiワークスはそのために各記事がどれだけTweetされたかなどの解析ができるツールを用意している。

ソーシャルウェブではタイムラインの一行一行がトラフィックになる。人は興味のあるコンテンツを見つけるとそれにRTしたり、likeしたりして別の人につたえる。この伝播が新たなトラフィックになり、拡散する。利用価値の高い情報は人の手を借りて伝播する可能性が高い。Twitterのような短いツイートであれば、ヘッドラインしか流れないので、そのリンクの先にある記事は重要な役割を果たす。だからこそ企業側は良質なコンテンツを必要とするようになる。

確かに企業側はこのソーシャルウェブ時代、顧客との関係強化のためにとはいえ、絶え間なく「つぶやき」つづけることは難しい。こういった良質なコンテンツの力を借りて情報を発信し、それにRTやLikeといった方法でユーザーとのコミュニケーションを深めるといった方法はこれからの企業側プロモーションに新しい方法を提供してくれるかもしれない。