[jp] 9月に関西、そして全国へーー数分で完売を続けるKAUPONのひみつ

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爆発的に増え続けるクーポン共同購入系サイトの中、数分で完売を続けるスタートアップがある。KAUPOM(カウポン)だ。投資や提携などのビジネス的な話題が先行するなかで、一歩一歩、着実にチケット販売を積み上げている。ゼロからスタートした彼らが店舗、利用者を掴む方法はどこにあるのか。

5月10日に2人ではじまったKAUPONは、今アルバイト含めて10人ほどのチームで運営している。これまでに販売したチケットはおよそ10000枚。7月の販売売上げが1100万円だそうで、6月に比べて倍になっている。これまでで最も高額なチケットが7600円、平均単価が大体3000円ほど、ほぼすべて飲食系だ。

商品券など(割引可能なチケットなど)を販売することはせず、実際の店舗で使えるチケットだけを販売。代表の村田雅行氏は「ユーザーが求める飲食系チケットの傾向は分ってきた。なのでそろそろ他のジャンルにも進出したい」と、今後イベントやホテルなどの取り扱いを検討していると話す。特にイベントなど、平日に集客が難しい場合は「効果的に活用してもらいたい」そうだ。

いつも驚かされるのは完売までの速さだ。ほとんどの場合数分で売り切れる。飲食が中心なので必然的に販売できるチケットの上限枚数が限られてくることも要因のひとつではあるが、元々このようなフラッシュさせて購買意欲をかき立てる方法が王道であるだけに、基本に忠実なフラッシュマーケティングを実践しているといえるだろう。

当然、失敗もある。これまでで、成立しなかったチケットについては2件あって「1500円の野球チケットが成立しなかった。やはり日時指定すると(さらに平日も重なると)厳しい」そうで、安いからいいというわけではなく、どう魅力的なチケットをつくれるかがポイントと語る。

ところで取材中に(他の事業者への取材も含めて)いくつか手荒な営業方法について耳にすることが多くなった。たとえば未成立チケット分がいくらかでるのでお店側が得する、などというような営業方法はその事業者だけでなく市場自体を荒らすことになる。

KAUPONがこれから提供しようとしているホテル系のチケットについても「販売するために旅行業取扱管理者の選任と申請が必要」(村田氏)だそうで、内容によってはこのように免許や申請を求められることがある。わんさとコピーが生まれるなか、利用者はトラブルを避けるためにもそのあたりの知識も含めて提供者を選ぶ必要がありそうだ。

さて、KAUPONのこれからの展開については「9月から京阪神方面を強化し、10月以降この方法で毎月1エリアずつふやしていく予定」だそうだ。ぐるなびと提携したPikuや、大資本のある事業者とは異なり、未だに独立系で大きな投資も受けていない。彼らは代理店方式で、ローカルビジネスに強いフリーペーパー事業者などのパートナーと提携してエリア拡大を目指す。

また、店舗フォローの観点から「KAUPONが集客だけでなく店舗の改善ツールとしてもつかえるように」するそうで、購入ユーザーの傾向などを店舗側にも提示し、よりよいチケットが提供できるようにしたいという。一方ユーザー側には新たにポイント機能を提供するという。

Grouponの日本進出については「世の中の認知が広がることはいいこと。しっかりと価値が提供できる事業者が増えれば、全体的に市場が広がることになる」と村田氏。競合が多いため、なかなか具体的な案については書けないことが多いのだが、聞いたいくつかのアイデアは全て店舗と協力して購入ユーザーに向かうようにできていた。

店舗、KAUPON、お客、つねに三者のバランスを考えているのがKAUPONのよさであり、強みはそこにある。Grouponレースの激しいデッドヒートの中だからこそ、このような正当派のプレーヤーがさらに伸びてくれることを祈りたい。