GmailのPriority Inbox〔重要メール受信トレイ〕―メールボックスの山火事をとりあえず消し止めるのに役立つスグレもの

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読者のところでもすでにこの新機能が使えるようになっているとよいのだが。GmailのPriority Inbox〔重要メール受信トレイ〕については、数日前Googleがわれわれをテストに招待してくれたので、Jason Kincaidがすでに紹介記事を書いている。そこでここではさらに詳しく利用法を説明し、ついでに自分なりの感想を述べてみたい。Jasonも書いていたが、私もPriority Inboxはメールの使い方を一変させるようなファンタスティックな機能だと思う。とにかく一度使ってしまったらこの機能なしのメール生活など考えられなくなる。ただしユーザー側で多少のチューニングを施す必要がある。その方法を簡単に説明しよう。

Priority Inboxを使い始めるにあたっては、まずGoogleの紹介ビデオを見るよう強くお勧めする。わずか2分だが、基本的な機能がわかりやすくアニメで説明されている。実をいえば、ほとんどのユーザーにとってはこのビデオで説明されているとおりで十分だろう。しかし日々膨大なメールを受け取っているヘビーユーザーには、もう少し詳しい説明が必要だ。

Priority Inboxで私が特に気に入っているのは、受信トレイ内に4つの新しいセクションを設定できる点だ。もちろん、従来も受信トレイを分割する機能はあった。しかし今回の新機能は設定も利用方法もはるかに分かりやすい。デフォールトでは次の3つのセクションが用意されている。Important & unread〔重要&未読〕、Starred〔スター付き〕、Everything else〔それ以外〕だ。しかしユーザーが4つ目のセクションを追加できるオプションがある。ユーザーはメールにタグづけすると同時にそのセクションにメールを分類できる。たとえば、私は“A1”というタグを選んだ。ラベル選択のドロップダウン・メニューはABC順なので、こうすればトップに表示される。あるメールにA1とタグ付けすると、そのメールは4つ目のセクション(いや、実際には上から2番目に表示されるのだが)に分類され、表示される。

さてこのようにして新たな受信トレイは4つのセクションに分割された。一番上に表示されるのはImportant and unread〔重要&未読〕で、このセクションはいつも空になっているのが望ましい(このセクションのメールを全部読んだ状態)。その下が上で説明したオプションのセクションで、A1とラベルされたメールが分類されている。このセクションには「すでに読んだが、またすぐに参照する必要がある重要メール」を分類しておく。その下が「スター付き」で、これは「今後参照する必要があるかもしれないメールだ。一番下が「それ以外」となる。私の場合はアーカイブ行きの「ゴミ箱」の一種だ。

この「それ以外」セクションがありがたいのは、ここには上の3セクションに分類されたメールは入ってこないという点だ(これは従来のGmailの複数受信トレイではできなかった)。

こうして受信トレイを「非常に重要」から「まったく重要でない」に至る4階層に分割すると、どんなに膨大なメールが殺到しようと、やすやすと対処することができるようになる。Gmaiが自動的に重要性を判定する機能以上に、私に取ってはこの階層化が役に立っている。

そうはいっても毎朝受信トレイを開くときに重要メールが自動分類されているのは非常にありがたい。しかも学習機能が驚くほど優れている。使い始めた当日はけっこう当たり外れがある。しかし現在使い始めてわずか5日目なのに、分類は不気味なほど正確になっている。そしてどうやら日毎にさらに賢くなっていくようなのだ。正確さの原因の一部は、私が「絶対に重要ではない」メールを判定するフィルタをマニュアルで設定しておいたせいだが、それでも大部分は「重要」アイコンをクリックいして剥奪したり付与したりしたことによるようだ。

ちなみに、フィルタを入念に設定し、複数受信トレイを利用すれば従来もこれとほぼ同等の結果を得ることは可能だった。しかしPriority Inboxの場合はユーザーは長い時間をかけて複雑なフィルタを設定する必要がない。だいたいほとんどのユーザーはそんな面倒なことを始めはしない。Priority Inboxではユーザーはあるメールが「重要か、重要でないか」とGmailに教えて学習させるだけでよい。それがワンクリックでよいのだから、「読む、読まない」を分類するのと同じ手間ですむ。

妙な話だが、私はこのところ毎朝Gmailがどんなふうにメールを分類しているかを楽しみに受信トレイを開くようになってしまった。それに一日の途中で受信トレイを開いても以前ほど処理に手間がかからなくなった。しかし、メールというシステムに内在する本質的な問題は未解決のままだ。まずメールの絶対数が多すぎる、返信するのに時間がかかり過ぎる、知り合いのメールにはいちいちい返信しないと失礼だと思われている、等々。

私は自分の個人アドレスで100通から200通のメールを受け取っている。その他仕事上で共有しているアドレスにも数百通のメールが来る。それらのメールを全部読んで全部返事を出していたら何時間もかかってしまうだろう。それでは他の仕事ができなくなってしまう。いちいちクリックしなければならない個所が多すぎるのも非常に問題だ。メールを開くためにクリック、返信するためにクリック、送信するためにまたクリック。それらの間にロードするための待ち時間が何秒か入る。トータルすれば非常に長い時間になる。しかもメールの返信にはエチケット上守らなければならない決まりがいろいろとある。まったくとんでもない無駄だ。

私がTwitterが好きなのは、リアルタイムストリームだからだ。いちいちメッセージを開く必要がない。メッセージは目の前をさっさと流れていく。反応したいメッセージが現れたらそこで一回クリックするだけでよい。メッセージの送信にもクリックが必要だが、特別な窓を閉じる必要はない(すくなくともtwitter.comの場合)。さらに140文字の制限があるので、いやでも簡潔にならざるをえない。よく「Twitterでは字数制限のせいで十分に会話ができない」という不満を聞くが、私は逆に字数制限こそTwitter最大の美点だと思っている。それと、Twitterではすべてのメッセージに返事をする必要がない
とがユーザーの常識になっている。これもすばらしい。

メールの根本的な問題を解消するような新しい革命的なメールシステムがそのうち発明されるはずだと期待する人が多い。しかしそんなことがそもそも可能かどうか大いに疑わしい。仮に非常に優れたメールシステムのアイディアが登場したとしても、それが現実のサービスとして多くのユーザーに普及するようになるには多大の幸運と時間が必要だ。現状ではTwitterとFacebookがそうした新しいメールシステムにもっとも近い存在だ。しかし近い、とはいってもよく観察すれば、そんなに近いわけではない。

それよりも現実的なのは既存の有力メールシステムが新しいルールを採用することだ。その意味で、GoogleのGmailの改良の努力が明らかにトップクラスだ。もちろん今回のPriority Inboxはメールのルールの根本的な書き換えではない。単なる整理ツールに過ぎない。しかしそれでもあらゆる面で改良になっている。私としては喜んで利用させてもらう。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01