iTunes Pingのプライバシー設定は模範的―フォロー、友だち、隠れる、から選択

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Appleのメディアアプリの最新版、iTunes 10をダウンロードした読者も多いだろう。新しいiTunesの目玉はなんといってもPingだ。Appleとして、初めての音楽SNSの(いや、ジャンルを問わず初めてのSNSの)試みである。Pingはいちばん根本的な部分、つまりソーシャルグラフのあり方からして興味深い。

Pingを利用するには明示的に参加(オプトイン)する必要がある。AppleのCEO、Steve Jobsはプレスイベントで「1億6000万人のユーザーがすでに存在する(加えて現在23ヶ国で利用可能)と豪語したが、これは多少誤解を招く表現だ。iTunesのユーザーのうちオプトインするのは少数だろう。大多数のユーザーは単に面倒くさい、興味がない、といった理由でオプトインしないものと思われる。ともあれオプトインしたとしよう。設定の次のステップが興味深い。直ちにプライバシー設定のページが表示され、ユーザーはいくつかのオプションから選択するよう求められる。選択できるオプションは「フォロー」、「友だち」、「隠れる」の3種類だ。

ユーザーはまず「他のメンバーのフォローを許可する」か、あるいは「許可しない」か選べる。「フォローを許可しない」を選択した場合、「隠れた」ままでPingを使いつづけることができる。これは役に立つオプションだ。この場合、他のユーザーのプロフィールや投稿を見ることはできるが、自分の情報は公開されない。「他のメンバーがフォローする」を許可する場合、さらに2つのオプションから選択することになる。「誰でも自分をフォローできるようにする」というTwitterモデルと「他のユーザーが自分をフォローするには承認を必要とする」というFacebookモデルだ。

このソーシャルグラフのプライバシー設定の実体はかなり複雑だが、さすがAppleで、それを非常にわかりやすく見せることに成功している。Facebookの無用に煩雑なプライバシー設定ルールとは正反対だ。私は最近、Facebookはプライバシーのルールを大幅に簡素化し、友だち關係とフォロー關係の両方を提供すべきだと書いた。それがちょうどここでAppleがやっていることである。 Facebookでは相互承認を必要とする「友だち」関係しか用意されていない。そのため、実際には嫌っている相手なのに承認の要求を断りにくかったために登録されているという「偽の友だち」関係が多数生じている。たいへん具合の悪い状況だ。

今さらFacebookに「隠れる〔フォローを許可しない〕」オプションを導入するのは無理だろう。多くのユーザーが興奮して反乱を起こすに違いない。しかしAppleがこのオプションを設定したのは非常に賢明だったと思う。このオプションのおかげで匿名のまま他のメンバーのプロフィールや投稿を読むことはできる。しかしコメントを投稿すれば身元が明らかになる。つまりPingでは匿名での荒らしは不可能なのだ。

私はまだ実際の有効性について十分に判断できるほどPingを使い込んでいない。なんといってAppleとしては初めての本格的なソーシャル化への取り組みだけに初期の不都合がいろいろあっても驚くにはあたらないだろう。しかしシンプルで分かりやすいプライバシー設定という入り口の難関を見事にパスしたことは確かだ。この点Facebookも参考にすべきだろう。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01