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[jp]ソーシャルコマースサイト「品品プレミアムモール」はフラッシュマーケティングの楽天を目指す

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ソーシャルコマースやフラッシュマーケティングといった言葉が最近は頻繁に飛び交っている。ご存知の通りGrouponライクなサービスが日本でもこの数カ月でたくさん立ち上がったからだが(もちろん本家もクーポッドに資本参加して国内に登場しているわけだが)、そのほとんどがGrouponの類似サービス(というかほぼ同様)で差別化ポイントといえば、扱っている商品が違うといった程度のものでしかなかった。

それはそれでその勝敗を見るのも興味深いのだが、アライドアーキテクツが9月13日にスタートさせる「品品(シナジナ)プレミアムモール」(以下、品品)は見た目こそGrouponライクな時間のカウントダウンが全面に表示される共同購入サイトだが、これが楽天のようなショッピングモールの形式になっているのだ。

いままでのGrouponに代表されるサービスは、1つの地域に1日で1つのサービス(商品)をクーポンとして共同購入型で販売する方式をとっていた。共同購入型と言っているのは、一定数の購入者がいれば、高い割引をしてくれるクーポンをユーザーが購入できるというものだ。

品品は共同購入の部分についてはおおよそ変わらないが、サイトには楽天のショッピングモールのように複數の出店者が自由に自分のところの商品やサービスを販売できる。つまり、1つの地域に1つのサービスというわけではない。時間も1日とは限らない。品品のサイトにいけば、複數の店舗が商品やサービスをある時間内に共同購入の形式で販売しているというわけだ。

ポイントとなるのは「出店者が自由に販売できる」というところ。いままでのGroupon型サービスはクーポンを販売するサイト(つまり、Grouponを例にすればGrouponのサイト)側の都合がある程度加味されて、その商品を販売する日取が決まっていたのだと予想される。

高割引のクーポン販売は、店舗のプロモーションと位置づけられていて、一度来客してくれたらその店舗のリピーターになってもらったり、その客が口コミで人を呼んでくれることを期待して、Groupon型サービスを店舗として利用するわけだ。

ところが、店舗側はそれ以外もこういったサービスを急遽使いたくなることがある。

たとえば、翌日に大人数の予約を控えていたレストランがあるとして、その予約がキャンセルされたとしよう。せっかく準備までしていたのに、その準備も無駄に終わってしまうということがある。だったら、格安にしてでも明日のキャンセルされた分の予約を取り戻そうということもあるんじゃないだろうか。そんなときにレストランは品品で、キャンセルされた予約分だけを販売できる。

たとえ半額になったとしても、準備したコストや席を空けておくよりは、安くても席は埋まったほうがいい。そういう店舗側の都合によっていつでも使いたいときに使えるというのが品品というわけだ。クーポンを販売するだけじゃなく、物販もできるので、過剰生産してしまった商品の在庫を減らすためにタイムセールスで販売するなんてこともできる。後ろ向きな場合だけではなく、良質の食材が大量に安く手に入ったので、いつもより安く提供したいなんてケースもあるだろう。

とここまで書くと、単なる共同購買サービスのようにも聞こえるが、品品はほかにも次のような仕組みを持っていてより店舗側にとってもユーザーにとっても歓迎すべき仕組みが備わっている。

1つは商品やサービスの割引券の発行だ。品品では「クーポン」と読んでいるが、紛らわしいので割引券とここでは呼ぶことにする。割引券は品品のある店舗で買い物をした際にユーザーに発行される割引券で、よくリアルな店舗でももらう「次回におこしくださった際には、この券を提示していただければ◯×パーセント割引します」といったたぐいのものだ。

それだけ聞くとたわいもないようなものだが、たとえば、あるユーザーが商品を1度買ったらもらえるケースもあれば、友人が自分経由、つまり自分でソーシャルメディアに流したURL経由で買い物してくれたら、自分にも割引券がもらえるというものだ(当然、友だちも同時にもらえるケースもある)。紹介すればするほど自分のもらえる割引率が高くなる(あるいはタダになる)なんてこともできるのだ。

サービスだったら次にまた来てくれることを期待して、あるいは友だちをどんどん紹介してくれる強大なインフルエンサーに売ってもらえるように、リテンションマーケティングの一環で割引券(クーポン)を発行できる。

さらには、ユーザーがソーシャルメディアに流すURLもユーザーごとかつ商品ごとに個別のものが発行されるので、店舗側は、誰がどのソーシャルメディア経由でどの商品をどれぐらいの数だけ広めたか(販売したか)といったことまで明確にわかるのだ。

マーケティングツールとしてしっかりと使えるわけだ。当然、よく売ってくれる人にはよりサービスを提供しようということもできる。

とまぁ、雨後のタケノコのように出てきてるGroupon系サービスとは違って、品品は店舗側に使ってもらおうという姿勢がはっきり現れたサービスとなっているようだ。

品品は9月13日は物販からスタートすることになるようだが、今月後半からは実店舗を持つところからのサービスの販売などが始まるようだ。

なお、店舗側が払う費用は、いまのところ商品の販売に応じたマージンのみだが、今後は楽天のような月額の出店料を徴収する可能性もあるという。

このアイデア自体は日本でGroupon型サービスが参入する前の今年前半に思いついて、開発にとりかかっていたのだと品品を提供するアライドアーキテクツ代表取締役の中村壮秀氏は語ってくれた。次々とスタートするGroupon型サービスを尻目に粛々と開発を続けてきて、やっとサービスにこぎつけるわけだが、「単なるサル真似ではなくて差別化をしたかった」とは中村氏の弁。

品品が爆発するかはまだわからないが、サル真似ではなく、そこに改良を加えていくことこそイノベーションの源泉だと気付かさせてくれる新しいサービスだ。