YouTubeがライブストリーミングを2日にわたってテストする―コンテンツパートナーへの公開も近い

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何ヶ月、いや何年も前から流れていた噂は結局本当だった。YouTubeはフル機能のライブストリーミング機能を提供しようとしている。これによってYouTubeのコンテンツ・パートナーは直接ユーザー向けにビデオをリアルタイムでストリーミング配信できるようになる。YouTubeがUstreamJustin.tvLivestreamなどのサービスと直接競合するライバルとなるわけだ。われわれは最近、YouTubeが政治ビデオの専門チャンネル、CitizenTubeで実験的に提供したライブストリーミングのスクリーンショットを見た。当然ながら、YouTubeはもっと大きなプランを用意している。

月曜朝から火曜の夜までの2日間にわたり、特に選ばれたYouTubeのパートナー4社(Next New Networks、Howcast、Young Hollywood、 Rocketboom)がYouTubeにライブストリーミングを行う(上にエンベッドしたウィジェットがストリーミング放送の番組表になっている)。しかし、一般ユーザーが喜ぶのはちょっと早い。これはまだアルファテストだ。2日間のテスト期間が終了した後、YouTubeはストリーミング機能を一旦停止する。しかし、YouTubeはすべてのメディアパートナーに対してストリーミング機能を公開する計画だと確認した(ただ実現までには多少時間がかかる)。

今回のライブストリーミングはYouTubeサイトでのみ視聴できる(ウィジェットにはまだ組み込まれていない)。またYouTubeはストリーミングしたコンテンツをアーカイブしない。しかしどちらの機能も将来は実現されるようだ。ただしコメント機能は提供される。コンテンツ・パートナーはユーザーが書き込んだコメントにリアルタイムで反応できる。

さてここで注意する必要があるのは、YouTubeがストリーミング機能を提供する相手は何百万という一般ユーザーではなく、あくまでコンテンツ・パートナーだという点だ。これは特に驚きではない。一般ユーザーからのストリーミングを受け入れるということになれば大幅なインフラの拡充が必要になるだろうし、自殺をストリーミングするとか、そういった濫用の危険性も高まる。

YouTubeのストリーミングというのははるか以前から要望されていた機能だ。2008年の2月にYouTubeの共同ファウンダー、Steve Chenは「ライブ・ビデオを準備中しており、2008年末には公開の予定」と語ったことがある。もちろん、これは実現しなかったが、YouTubeは努力を続けていた。2008年11月には全世界で70万人が同時視聴したコンサートをライブストリーミングした。ただしこのときはサードパーティーのCDN、Akamaiを利用して配信を行った。

YouTubeはその後も2009年から今年にかけてU2のコンサート大統領就任式インドのクリケットのプレミアリーグの試合などの中継を行い、ライブストリーミング能力の強化に努めた。また、上で触れたように、YouTubeの政治チャンネル、CitizenTubeがライブストリーミングを行った。

しかし、CitizenTubeを例外として、過去のライブストリーミングは一回きりの単発イベントだった。これに対して新しいプラットフォームは、コンテンツパートナーが望むときに随時利用できる恒久的サービスになるはずだ。もう一つ大きな違いはサービスのインフラだ。過去のライブストリーミングではYouTubeは配信に外部ネットワーク(YouTubeはどのイベントにどのサービスを利用したか明らかにしていないが)を利用してきた。しかし、今回のテストではYouTubeは自前のCDNネットワークを使う。YouTubeでは2日間の実験は負荷テストを目的としたものではない(負荷テストは社内で実施)としているが、もちろん本番で技術的障害が起きないかチェックするのも大きな目的の一つだろう。

私はコンテンツ・パートナーの1社であるRocketboomのプロデューサーにこの新しいプラットフォームに特に何を期待しているか聞いてみた。彼らは明日2本、火曜日に1本のライブストリーミングが予定されていることに大いに興奮していた。番組のうちの1本はメインストリームTVの朝のニュースショーを模したものになるという。もう1本はやはり一般テレビの夜のトークショーそっくりに作られる。Rocketboomでは、普段の番組とは違って、複数のカメラやビデオスイッチャーなどの機器を用意している。ライブショーには普段のウェブビデオよりずっと手がかかるということだ。Rocketboomでは、たとえ手がかかっても今後もライブ・ストリーミングを実施していきたいと語っている。ライブストリーミングが行われるのは週一くらいのペースになるようだ。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01