新Twitterの右カラムはミニプラットフォームだ―参加各社の思惑を探ってみた

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Twitter.comの新バージョンの発表はそれだけでもビッグニュースだが、Twitterのエコシステムに与える影響もきわめて大きい。といっても、今回Twitterが追加した機能に似た機能を提供しているため苦境に追い込まれかねないサードパーティーのクライアントのことを言っているのではない。そうではなくて、Twitterがいくつかの外部パートナーと提携してTwitter.com内にリッチ・コンテンツを直接呼びこもうとしている動きのことだ。

Twitterは今回、まず以下の16社と提携した。Dailybooth、DeviantArt、Etsy、Flickr、Justin.TV、Kickstarter、Kiva、Photozou〔フォト蔵〕、Plixi、Twitgoo、TwitPic、Twitvid、USTREAM、Vimeo、Yfrog、YouTubeの各社だ。これらの提携サービスのコンテンツはTwitter.com内に直接表示することが可能になった。つまり、提携各社にとってはそれだけページビューが減ることになる。いったい全体、各社はなぜ参加を決めたのだろうか?

何社かはすでに建前としての回答を与えている。つまりユーザー体験の改善になるから、というわけだ。その通りであるのは疑いないところだが、こうしたサイトの多くはコンテンツと同時に表示される広告に頼っている。こうした広告はTwitter.com内では表示されない。そこで、やはり、「なぜ?」という疑問が湧いてくる。

私は昨日の発表会の後で、Twitterのプロダクト担当副社長のJason Goldmanにこの点について尋ねてみた。その返事はなかなか面白いものだった。まず、YouTubeとFlickrが代表的な例だが、いち早くコンテンツを他のサイトにエンベッドにすることを許可した大手の写真、ビデオ共有サービスがそれによって大きな成功を収めた。そこでエンベッド機能の重要性が認識されるようになった、という。

このエンベッド戦略でサービスのブランド価値が大きく向上しました」とGoldmanは説明する。YouTubeやFlickrはこれ以上ブランド認識を高める必要はあまりないだろうが、もっと小規模なプレイヤーの場合、Twitterと提携するメリットはあるに違いない。つまりTwitterで友達がTwitgooやDailyboothを通じて写真を公開しているのを見れば、自分も使ってみようかと思うユーザーが出てくるだろうというわけだ。

Goldmanは「こうした提携パートナーのサイトでコンテンツに広告が表示されていても、Twitter.com内では表示させることはありません」と確認した。しかし、写真が表示されることそのものが、これらのパートナーにとっては極めて価値の高いブランド広告になる。

同時にGoldmanは「YouTubeや他のビデオ共有サービスの場合、プレロール、ポストロール広告はそのまま表示します」と述べた。つまりビデオの場合はエンベッド表示からも広告収入が得られる。

当然Twitterは現在の16社以外にもコンテンツ提携先を拡大していく計画だろう。今回、KickstarterとKivaと提携したことは特に興味深い。というのはここでは単にコンテンツがエンベッドされるのではなくメディアそのものがエンベッドされているからだ。こうした例は今後どんどん増えていくだろう。近々ロケーション・サービスの多くがTwitter.comの右カラムにコンテンツを表示することになると予想しても外れることはないだろう。FoursquareはTwitterのiPhoneアプリで同様の提携を行っている。

Twitter.comはさらにシームレスなユーザー体験を提供しようと努力中だ。Twitterはある意味で新しいミニプラットフォームを構築しようとしている。従来、Twitterのプラットフォームはすべて外部のサイトに存在した。しかし今回の右カラムの導入で、サイト内でもプラットフォームが提供されるようになった。この新しい状況に対応する面白いアイディが近々登場するものと私は期待している。

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(翻訳:滑川海彦/namekawa01