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Alex Payne

Twitterを分散化せよという社内意見は軽視され忘れ去られた–Payneが辞めた最大の理由

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Alex Payne がTwitterについて書いたことを取り上げて記事を書くのは、たぶんこれが最後になるだろう。

Payneは昨日(米国時間9/15)自分の個人的なブログに、twitter.comの新バージョンとそれの意味について、自分の考えをまとめたすばらしい記事を書いた。その中で彼は、自分が(約3年半)Twitterにいたときのことを、回顧してもいる。Twitterを辞めた彼は、新たな仕事として、銀行の改革を理想として掲げるBankSimpleのCTOになった。Payneは昔から歯に衣着せぬことで有名で(ぼく自身も間接的に彼をトラブルに巻き込んだことが少なくとも二度あった)、しかも非常に洞察力に富んでいる。今回も彼はこう念を押している: “この記事を短絡的にTwitterの未来だと受け取る人は、おバカさんである“が、でもTwitterの最近の過去に関する彼の考えの一部は、真剣に受け取る意義がある。中でも重要なのは、Twitterを分散化せよという彼の呼びかけだ。

Payneはこう言う:

Twitterにいたころ、ある単純明快な内容の社内回覧板を回したことがある。それは、Twitterは分散化する必要がある、そうしなければ死ぬ、という趣旨だった。死ぬのは明日でもないし、10年後でもないかもしれないが、当時も今も、ぼくの変わらぬ信条としては、コミュニケーションのためのメディアは今後すべて、その避けられない運命として分散化する。そして、これまでの、高い塀で囲まれた刑務所の庭のようなものを運用してきた企業はすべて、自壊する。

こう考えているのは、彼だけではない。数年前にTwitterが急速に伸び始めたとき、人びとは(ときには、本誌のライターの一部すら)、Twitterのようなマイクロメッセージングのためのオープンな規格を作るべきだと主張した。Identi.caが登場したときは、まさにこの理由で、”Twitterキラー”ともてはやされた。ただし、当然ながらそうはならなかった(Identi.caとその親会社のStatusNetは今も健在である)。しかしユーザ数1億5000万と巨体化したTwitterのまわりには、コンテンツを囚人化するでっかい刑務所の庭がまた一つできるだけじゃないか、という不満が渦巻き始めている。

Payneの立場がユニークなのは、彼の社内回覧板努力にもかかわらず、Twitterの内部からは分散化という声が聞こえてこないことだ。Payneによれば、一部の同僚は個人的に彼に賛同したが、”重役たちは分散化の検討が経営課題として優先されるべきとは考えなかった“。Payneも、たしかに少なくとも当時の経営という視野では、それは箸にも棒にもかからない話だっただろう、と認めている。Payneは理想主義者だが、Twitterの株主でもある。悲しいことに、いや、よくあることだが、この二者が歩調を合わせることはない…少なくともPayneの心の中では。彼曰く、Twitterには、Twitterという企業と、人びとがツイートすること(すなわちメディア)を、分けて考えることができなかった、それが、自分がTwitterを辞める決意をした最大の理由である。

彼の話の核心は:

Twitterを分散化せよという呼びかけは、利益よりも深い動機に基づいている。それは、良質なエンジニアリングと社会正義だ。正しく実装され運用される分散化による、一対多のコミュニケーション機構は、今日の中央集中型のTwitterが持ち得ない強力な弾力性/障害回復力(resilience)と高い効率を誇りうる。分散化はアーキテクチャとして優れているだけでなく、検閲や、資本やマーケティングからの腐敗した影響力を寄せ付けない力を持つ。いちばん控えめに言っても、分散化によってツイーティングが、今のメールと肩を並べるほどの、インターネットの基盤的恒久的な部分となる。

Twitterが彼の分散化という考えを正式に取り上げていたら、今回の新バージョンのTwitterのようなものに取り組むことはあり得なかっただろう、とも言っている。それは、Webにとっての損失だった、と彼は結論する。

Payneはまた、昨日ぼくが考えたように、新バージョンのtwitter.com自身は新しいタイプのプラットホームになったと言っている。しかし最初からプラットホームとしてスタートし、サイト外へと拡張したFacebookと違い、Twitterはその逆をやっているようだ、とPayneは観察している。さらに、彼によれば、新バージョンは主に”広告宣伝を受け入れやすくすることが目的だ“。ここでもまたTwitterは、メディアとしての未来よりも企業経営が優先だ。

ただし、新デザインは”快適に使える”とも言っている。デザインの変更によってTwitterは、”リッチな情報発見プラットホーム”として、望みどおりに、ますます大衆的でメジャーなサイトになるだろう、と。

一般大衆は新しいTwitterに好意的に反応しているようだ。心配しているのはデベロッパだ。Twitterを分散化せよという声は、今後もデベロッパたちからわき起こるだろう。そして彼らの論点の中心には、Payneが指摘したことの多くがあるにちがいない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))