[jp] Vuzzは友達と「今日なに食べる?」まで投票で決められるソーシャルランキングサイトだ

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ウェブ上での投票ランキングは手軽にユーザーの声をコンテンツに反映できる定番の方法だ。価格.comの満足度ランキング食べログの口コミで評価される各種ランキングは誰もが一度は目にしたことがあるだろうし、なんらかの判断材料に使ったことのある人も多いはずだ。

シンプルなだけにこれ以上の進化がないかと思っていたランキングも、ソーシャルグラフと繫がるとまた新たな利用方法がみえてくるらしい。ーーそんなソーシャルウェブを強く意識したランキングサイト、それがVuzz(ヴァズ)だ。

Vuzzはユーザーが自由にランキングを作成して投票することができるシンプルなサービス。ユーザーが投票し続けることで興味ある情報が新鮮な状態で提供される仕組みだ。

投票ランキングをつくりたいユーザーは、Twitterライクのタイムラインに160文字以内で投票してもらいたいコンテンツを登録する。ランキングが出来たら投票対象になるエントリを登録するか、他のユーザーに投票対象をエントリしてもらう。このときTwitterやfacebookなどを通じて外部のソーシャルグラフを使うこともできる。あとは投票してもらえばOKだ。

興味深いのはやはりソーシャルグラフと繫がる点だろう。投票ランキングといえば、どうしても読者投票や世論調査のような大きな範囲で考えがちになる。前述の価格.comや食べログもレビューを書いてる人が友人、という方は少ないのではないだろうか。

Vuzzが可能にしてくれるのはやはりもっと小さな単位、自分のソーシャルグラフの範囲でのランキングだ。友人達と投票で決めなくてはいけないシチュエーション、例えば「今日、どこでなに食べるか?」とかそういう話題レベルも充分ありえる。

具体的に考えてみよう。数人の友人達と食事にいこう、という予定があったとする。別に予定は決まっていないし幹事を決めて…というほどの話でもない。そんなときVuzzで「今日六本木で何食べたい?」というランキングを作って、行きたい場所やレストランをエントリしてもらう。呼びかけはTwitterやfacebookなどのソーシャルグラフを使えばいいだろう。

後はみんなで投票して決めればいい。当然、オープンなコンテンツだから関係ない人も入ってくるかもしれないが、そういう意外性から新しいスポットを知ることができるかもしれない。そもそもクローズドに決めたかったらメールでやり取りすればいいので、そういう突っ込みはナシだ。実は、私もこの方法で友人と行くお店を決めてみた。すると他の友人が別のお店をランキングにエントリしてくれた。最終的に人気はなかったので却下されたがちょっと意外で楽しい発見だった。

もちろん、これは使い方の一例に過ぎない。当然普通のランキングにも使えるし、全然違った使い方も考える人も出てくるかもしれない。重要なのはランキングや投票がソーシャルグラフと繫がることで極めてパーソナルな意思決定のツールにも変化するという点だ。一般的に使われているランキングという表現から少し離れるかもしれないが、そこに新しい可能性が感じられる。

9月にローンチしたばかりで、まだランキング投稿とコメント投稿の導線が曖昧だったり、ソーシャルグラフへの投稿コメントが短かすぎて内容がよくわからなかったりと不安定な部分はあるが、この辺りはユーザーが増えてくれば意見を吸い上げて反映させてくれるだろう。

それよりも単なるランキングとして使おうとすると、もう既にゴマンとあるランキングサイトと何が違うのかよくわからなくなってしまう。ユーザーがランキングを通じてソーシャルグラフと繫がる楽しさや利用方法をもっと積極的に伝えて、ユーザー自身に利用方法を開拓してもらえるような仕掛けがあればさらに盛り上がりそうだ。

ところでこのVuzzでもうひとつ、大変興味深い点がある。それが開発チームの構成だ。ヴァズ株式会社のCEOである舟田善氏はライブドア前身のオン・ザ・エッヂ取締役兼CIOを経てシーサーに参加、取締役兼CSOとしてSeesaaブログを手がけるなど日本ウェブ業界のメインストリートを歩いてきた人物だ。

当然豊富な経験や人脈を元に堅牢なチームを構成しているーーと思いきや、なんと開発チーム全員なんらかの本業を持って参加するという究極の「二足のわらじ」チームだそうだ。

舟田氏が「みんなが集まる六本木ヒルズのライブラリを利用できるカードはこちらで負担しているが、それ以外は立ち上げてから」というように、まずはサービスを立ち上げてから、というスタイルは新鮮だ。逆にいえばウェブサービスの立ち上げコストが極端に下がっていることを証明してくれているともいえるだろう。

ビジネスモデルは「トラフィックが生まれてから」(舟田氏)というように、まずはユーザーを集めてから次のステージで明確にするのだろう。グローバルに対応するため英語版を最初から用意しているように、ターゲットとするマーケットも日本にこだわっていない。広く範囲を設定することで対応も大変だろうが、このチャレンジから新しいサービスのコンセプトやビジネスが生まれてくれることを期待したい。