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[jp]TC Disrupt―日本のGunzooも登場。「スタートアップの戦場」は初日14社がしのぎを削る

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すでに翻訳記事ではいくつか報道されているが、サンフランシスコのデザインセンターでスタートアップの祭典TechCrunch Disruptが始まった。今年5月にニューヨークで第1回が開催され、今回で2回目となる。John DorreやRon Conway、Reid Hoffmanといった著名な投資家や起業家たちのスピーチも魅力的なのだが、やはりこれからのサービスに全力を賭けて開発した新しいプロダクトやサービスをスタートアップが発表するStartup Battlefieldのセッションに注目が集まる。およそ28社が、まだ未発表のプロダクトを6分間のプレゼンテーションでアピールし、5万ドルを賭けてしのぎを削る――。

TechCrunchのイベントでのデビューといえば、AR技術で世間を沸かせた頓知・もその1社である。果たして今回はどんな企業が登場するのだろう。翻訳記事でもすでにいくつか解説が掲載されているが、このDisruptがお披露目の場となった初日の14のスタートアップのプロダクトの中から気になったものを紹介してレポートしよう。



まずは最初に壇上に登ったのがQwikiだ(詳細は翻訳記事を参照)。検索したいトピック(人物とか国とか動物とかいわゆる百科事典に載っているようなもの)を検索すると、そのトピックに関して音声、画像、映像を使って答えを返してくれるサービスだ。と書くと、すごくたわいもないものだが、魅力はその表現の仕方にある。シンプルかつわかりやすく音声や画像をうまく組み合わせてプレゼンテーションしてくれる。会場のデモでは審査員で壇上に登ったChris Saccaの詳細なレポートを返して会場を沸かしていた。デモの様子はこの記事でも見られる(英語)。


ジャーナリストが構築したというStorifyは、ソーシャルメディアをうまく組み合わせる新しいブログサービスとでも言おうか。Storifyにログインして記事を作成しようとすると、タイトルとサマリーを入力して、あとはtwitterやFlickrやYoutubeなどから掲載したい内容を呼び出してそれらを組み合わせて編集をするというものだ。たとえば、あるできごとについてブログで記事を書く前に、Flickrに写真を上げていたり、twitterでつぶやいていたりといったことを普通にやっているだろう。あるいは、ある話題に関連したことをソーシャルメディアから引用したいといったこともある。それをうまく組み合わせて1つのストーリを作るのに適したサービスといえる。Storifyはまだベータ版でサービスを使うのには招待が必要だが、現在サイトに訪れてinvite keyに「tcdisrupt」と入力すればサービスを体験できると会場で発表があったので興味がある人は試してみて欲しい。


日本のGunzoo(ガンズーではなくグンゾウと読む)はたくさんのビデオ映像を束ねてタイル状に表示して、1つのH.264のビデオストリームとして効率よく同時に配信できるFabricvideoを紹介した。壇上ではオーストリアに旅行に出向くという設定で、たくさんのオーストリアの映像の中から詳しく見たいものを探し出してみつけだすというシチュエーションをデモとして紹介していた。実を言うとこのGunzooはTechCrunch Japanのイベントで電通大学の笠井裕之氏が披露してくれた技術を元に創業された企業だ。その後、日本ではステルスモードで創業と開発が進められ、TechCrunch Disruptがそのお披露目の場となった。今回のプレゼンも笠井氏によるものだった。今回のDisrupt(の初日)では数少ないコアテクノロジーを持った企業と言えるだろう。


Badgevilleはウェブサイトのユーザーのソーシャル活動を高めるためにゲーム性をとり入れたソーシャルプラットフォームを提供するのがBadgevilleだ。Facebookのソーシャルプラグイン機能にForsquareのバッジ機能を組み合わせたものだといえばわかりやすいだろうか。Badgevilleを設置したサイトに対してユーザーがなんらかのソーシャル活動(たとえば、そのサイトを見るように沢山の友人を招待するといったことだろう)をした場合に、そのユーザーに対してバッジを提供するといったことができる。いわゆる自社のサイトをソーシャル化させるためのツールで、ユーザー分析などもできるという。対応するソーシャルメディアはFacebookだけではなく、Twitterもだが、それを考えると先日紹介したngiソーシャルコネクトに少し似ているが、ゲーム性が加わっているのが興味深いということだろう。


実を似たようなサービスが今回同じ壇上に登った。OneTrueFanがそうだ。こちらもForsquareのように、OneTrue Fanを埋め込んだサイトで、ユーザーがあるソーシャル活動――たとえばそのサイトのコンテンをたくさんソーシャルメディアにシェアするといったようなこと――をしたらそのユーザーにバッジを与えるというもの。こちらは2007年にYahoo!に買収されたMyBlogLogのファウンダーが創業したサービスだった。

GifiVenmoとFoursquareを足したようなサービスだという。日本では馴染みのないVenmoはケータイ電話を使ってテキストメッセージで友人同士でお金を送りあったり、お店でお金を支払ったりできるサービスだ。つまり、Gifiはギフトとして渡そうとするちょっとしたお金をある場所にきたら受け取れるサービスとなる。具体的には、コーヒーショップなどで友人がFoursquareでチェックインすると、あらかじめGifiで設定されていたギフトとしての数ドルを受け取れるというサービスだ。ローンチに際してDisruptの会場があるサンフランシスコ内にGifiから2500ドル分のギフトを隠しておいたと発表していた。


すでに翻訳記事が掲載されているがmisoMediaが提供するmisoMusicは一見すると普通のiPad上のギターアプリのようだ。チューニングも変えられたり、音ゲーのようにタイミングよく指示された弦を押さえれば、本当にギターを弾いているように音楽を演奏できる。ただ、これがすごいのが、ほんもののギターの音をマイクで拾うと、misoMusicがその音を解釈して同じように演奏できるように、misoMusic上に弦のポジションとタイミングをマッピングしてくれるというところだ。たとえば、先生が演奏してくれた音を取り込んで、misoMusicで練習するなんてことができるようになる。このアプリ自体は無料で、ギターとウクレレが演奏できるが、それ以上の楽器を使いたいのであれば、お金を払う必要がある。


Foursquareの位置情報へのチェックインや今回壇上に登ったOneTrueFanのウェブコンテンツへのチェックインに対して、SnapDragonはプロダクトにチェックインするサービス。日本のはてなモノリスのように、ケータイ電話であるプロダクトのバーコードを読んで、そのプロダクトに対してチェックインをして情報をシェアしようというサービスだ。たくさん情報をシェアするとボーナスとしてバーチャルグッズ――SnapDragonオリジナルのコミックブックがもらえるというところが少し目新しいのかもしれない。

ほかにも、Twitterなどの大量に流れるリアルタイムデータを分析するDatasiftCheckPointsCloudFlare(いずれも翻訳済み)、ソーシャルメディアを活用した仕事のマッチングサービスのNamesake、DNA分析のSeqCentral、Y combinator出身でQ&AプラットフォームのOpziなどが壇上に登った。

いつも驚かされるのは、このイベントのためにローンチの照準を合わせてスタートアップが開発を進めて、これだけのプロダクトがいくつも生まれていることだろう(実際にはこれ以上のサービスが生まれている)。

1つ1つのアイデアをとってみると、中にはすごいものもなくはないが、実際には総じてすごいアイデアというよりも、そのアイデアを想像できるプロダクトも多い。今回、日本からはGunzooのみの登壇だったが、これならば日本から参戦してもいいセンまでいくのではないかと思うが、プレゼンテーションやデモの作り込みはさすがと感心させられる。明日もStartup Battlefiledは続くのでお楽しみに。