[jp] Evernoteの500万ユーザー達成はもう目前ーー新お披露目のSite Memoryはウェブメディアの新しい使い方を提案してくれる

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ここ数カ月におけるEvernoteのリリースラッシュはとどまるところを知らない。5月の記事で300万だったユーザー数は堅調に伸び続け、今日の段階で450万人、500万人までもうあとわずかというところまで来ている。CEOのPhil Libin氏によると現在、毎日1万1000人増えているというから、間違いなく近いうちにその通過音を耳にすることになるだろう。

堅調なのはユーザー数の伸びだけではない。ビジネス面についても興味深いデータを解説してくれた。今日の発表でPhil氏やパートナー企業がよく口にしていたのが「蓄積」というキーワードだ。「情報はエンターテインメントやソーシャルと違い、長く使えば使うほど、蓄積され価値が高まる」と考える同氏。これを証明するのがこのグラフだ。

「2008年3月に加入したユーザーを対象に調査したデータで当初が31000人。この翌月ユーザーの50%は戻ってくれなかった。たしかにその後も5%〜10%は減っているかもしれない。しかし、その後は減っていない」。実際、私もEvernoteにはお世話になっているが、ある一定の時期から有料会員となってもう解約することはできなくなっている。理由は彼らのいう通り、ここが情報の集積地になっているからだ。

さらに興味深いのは売上げの推移だ。この残った1万人ほどのユーザーからの売上げは2008年6月当時で月に700ドルほど。それが2年後の今、同じ1万人あたりの売上げが月に1万ドルまでアップしている。これは2年前に残ったユーザーがどんどん有料会員になって、さらに解約しないということを示している。Phil氏は「ウェブサービスの中でこのような退会の状況は他に類をみない。これが私達の売上げに貢献している」と語った。

さらに今Evernoteが力をいれているのがTrunkを中心とするエコシステムの構築だ。数々のパートナーが参加し、ウェブサービス、ハードウェア、ちょっと関係なさそうなアナログ文具まで巻き込んであらゆる経路から情報をEvernoteに蓄積しようとしている。今日発表があっただけでも10社以上、全世界的には2000以上のパートナーがAPIなどの連携でサービスを準備していて、250以上のサービスが実際に提供されている。

中でも新たに追加されたSite Memoryというウェブクリップボタンは興味深い話題だった。従来FirefoxやChromeといったウェブブラウザに機能拡張やブックマークレットとして提供されていたクリップボタンをそのままサイトに埋め込めるようにしたものがSite Memory。このボタンをクリックするとそのサイト上に掲載されている情報をクリップできるだけでなく、それまでクリップした関連情報を一覧できる機能もある。

ITmediaの藤村厚夫氏は、すでに実装されている@IT自分戦略研究所を手始めに「Site Memoryを我々のメディアすべてに展開してゆく」と発表した。同様にウェブメディアではITpro、NECビッグローブが参加を表明している。

ところで、このウェブクリップの機能、すでにEvernoteのヘビーユーザーであれば特に目新しい機能に見えないかもしれない。しかし、この機能があるおかげでウェブサイトからコンテンツをEvernoteに蓄積し、その後にそれを引用してブログを書いたり、Twitterやmixiのようなソーシャルウェブに発信したりすることが容易になった。従来「プロっぽい」人たちだけの機能だったウェブクリップがSite Memoryによってもっと身近な存在になる、と考えてよいだろう。

藤村氏が「サイトは読んで消費するだけでなく、記憶し情報を発信するというエコシステムが重要になる」と語るように、ソーシャルウェブが活性化する中、ウェブメディアの次の姿を考える上でもこの機能は(シンプルではあるが)重要に感じられた。なお、Wordpressを利用している方はここにSite Memoryプラグインの情報が掲載されている。

なお、Evernoteはエコシステムをより活性化させるためにアフィリエイトプログラムの提供も実施している。これはパブリッシャーやデベロッパーパートナーから得られた最初の10ドルを支払うという仕組みで詳しい情報はここ(英語)にある。参加したい方は問い合わせしてみるといいだろう。

発表の最後には過去6カ月で起こったモバイルデバイスのユーザー変化についても言及した。Phil氏の説明によるとWindows Mobileの利用率は32%、Palm(WebOS)は9%の減少、逆にBlackBerryは44%、Apple iOSは既に最大のプラットフォームであるにも関わらず126%の成長をしている。そして最大の成長率をみせたのがAndroidで613%。実にユーザー数が7倍になっているそうだ。またimodeを始めとする日本の携帯にも対応すると発表した。

「Evernoteは人間の記憶のグローバルプラットフォームになりたい」と語るPhil氏。オープンにパートナーを受け入れている姿勢からもその勢いはまだまだ続きそうだ。