政府によるDNS介入法案はとりあえず未成立–でもそろそろDNSに代わるやり方が必要では?

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COICAは、言論の自由と適法手続きの原則に反するとして、先週来騒がれてきたが、結局は今国会では成立せず、インターネット関係者を一安堵させた。選挙の年によくある人騒がせな法案と片付けることもできるが、しかしわれわれが行動を起こすべきいくつかの問題も浮き彫りにした。

法案の目的は表向きは”オンラインの権利侵害と戦う”とされているが、もっと広い意味では、インターネットの基幹技術の一つであるDNSへの(政府による)”ルートアクセス”を許すというものだ。そんな重要技術が簡単に政治家やロビイストたちの手中に落ちてしまったら、その信頼性はどうなるのだろう?

Webの、現状のオープン性は、ほとんど奇蹟だ。パケットの優先順操作とか、ISPによる監視、言論の自由の範囲の定義、といった法的問題がないわけではないが、今のインターネットは事実上、とんでもなくオープンであり、その管理や規制が最初からまったく話題にならなかったのが不思議なぐらいだ。しかし最近では著作権法による規制がインターネット上で大手をふって歩くようになり、閉鎖されたり、巨額の罰金を払わされたサイトも少なくない。著作権を侵害しているコンテンツはただちに無条件で取り下げてよい、という法律もできた(ここにすでに適法手続きの欠如がある、と私は言いたい)。

しかし、そういう規制がもたらしたものは、分散化だ。それは、武術の上達に関して「水のようであれ(Be like water)」と教えたブルース・リーの功績かもしれない。つかまえることのできないものは、罰することもできない。というわけで、Bittorrentやその同類たちが繁茂した。彼らによる大々的な不法ファイル共有は、人の性(さが)と言えるものかもしれないが、そういうデータ伝送のやり方は、セキュアであり、秘密を保てるのだ。

ファイルを、ピアツーピアの発見に基づいてほかのIPアドレスに直接送れる。あるWebサイトがどこにあるかを知るために、サードパーティの私企業*に頼る必要が、どこにあるのだ? 中央集権型(==非分散型)のDNSは、そろそろ引退の時期を迎えている。破壊(disrupt)されるべき時期を、と言おうか。〔*: DNSサービスプロバイダ。〕

ぼくは技術屋ではないので、見当外れなことを言ってるかもしれないが、でも、Bittorrentの原理や、一般的にピアの発見は、Webサイトを見つけたり、Webサイトがサービスを提供するためにも利用できるだろう。アクセス性を確保するために、データやサーバやDNS等々を、わざわざ複数の外国に置く必要はないはずだ。政府が本誌のようなブログをブロックすることは考えられないが、でもそんな最悪の事態…たとえばDNSサーバがハックされた!…が起きても、クライアントとサーバ間のコミュニケーションの鎖を確立できる予備プロトコルがあれば(われわれがそれを持っていれば)安心だ。

それは単なる匿名化アクセスでもない(TORHaystack)のような)。なぜなら、Webサイトやサーバのブロックは、それが行われる場合には、クライアントが匿名か匿名でないかとは無関係だから。しかも、悪質なサイトをその近隣のノードで通せんぼするような深刻なやり方ともなれば、迂回も難しい。でも現実には、事態がそこまで深刻になり、ギブソンのサイバーSFみたいになってきたら、技術以外の解決策が必要だろう。

中央集権型のDNSに頼らない、分散〜ピアツーピアのプロトコルは、過去にも、そして現在も、いろいろ試行されているはずだ。でも、その多くは隠れた存在であり、表面化していない。まして、一般ユーザが今日からすぐ使えるものにはなっていない。でも変化は、Bittorrentや広告ブロッカーがそうであったように、ボトムアップで進行するだろう。あなたには、どんな案があるかな?

〔訳注: 原文のコメントは、この記事本体よりもおもしろいかも。DNSも、完全分散化したら政府等…単一〜少数主体…による介入は不可能。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))