[jp] Qponが仕掛ける共同購入クーポン構築プラットフォーム「Ponde」が無料で使えるワケ

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初期立ち上げプレーヤーの大型資金調達、本家Grouponの日本上陸モール型サイトの登場、そして大手メディアの参入。

想像以上の話題をもたらしたという点で、この共同購入クーポンは2010年のウェブシーンに強烈なインパクトを与えてくれたといえるだろう。そして今日、また新しい話題がここに追加される。フリーミアムモデルのポンデだ。

ポンデはQponを運営するディールメートの新しいプロジェクト。フラッシュマーケティングを活用した共同購入クーポンを発行したい店舗はこのシステムを利用することで「あの」クーポン発行ページを作成することができる。決済システムの利用料として売上げの5.5%を支払えばシステムの利用料や初期費用などは全て無料で利用可能だ。

利用時間や販売期間、割引率など必要な情報をセットすれば各店舗毎にオリジナルのURLが発行される。モール型ではないので、そのページを自社のウェブサイトなどに合わせて組み込むことも可能だ。Twitterやメール会員など、ユーザーを呼び込む導線を既に持っている事業者であればクーポン発行から集客、販売課金まですべて自社だけで完結させることもできる。

登録には審査があり、審査基準をクリアしたサービス業であれば商品内容は問わないとしている。今日から利用者の募集を開始する。

ディールメートの小川卓也氏は立ち上げの背景に「Qponでは吸収しきれないニーズ」を挙げた。「例えば地方の展開を考えたとき、本当は地方名産品などに使ってほしい。しかし売上げなどのことを考えると今の仕組みでは難しい」と語る。

ギャザリングで知られるネットプライスとTwitterの日本運営を支援するデジタルガレージが共同で立ち上げたQponは、そもそも共同購入とソーシャルウェブに対するノウハウや情報量が多い。現在混沌とする市場に対し、自分達の持つ強みを生かすには別のアプローチが必要と考えたようだ。

たしかにこの共同購入モデルには常々どうやってスケールさせるかという大きな課題がのしかかる。どうしてもひとつひとつ手作りでディールを作っていく商品の性質上、人手が多くかかってしまう。本家Grouponも短期間で企業買収を繰り返し、いまや世界の従業員数は1200名を超える規模になっている。

ここをクリアしなければ商品の多様性や広範囲のユーザーへのリーチが難しくなる。結果、首都圏に集中し、レッドオーシャンの色合いがさらに濃くなっているのが現状だろう。この多様性の確保という点でポンデのようなウェブ的アプローチは効果的だ。

一方問題はいくつもある。まず質の担保と導線の確保だ。極めて短時間にユーザーへ強烈なインパクトのある情報(価格や希少性など)を与え、購買や口コミなど「次のアクション」を促すことが共同購入の成立には重要な要素となる。提供する商品の質の担保の方法について小川氏は「審査の段階でガイドなどを提供してフラッシュマーケティングのノウハウを渡す」ことや「効果の悪い店舗の入れ替えなども検討する」としている。

また、集客に必要な導線確保も当然重要なポイントだ。モールで集客して導線を分配するスタイルではないので個別のフォローアップが重要になる。この点については、Twitterを運営するデジタルガレージとの連携を活用した対応を検討しているという。

例えば今後提供が予定されている広告宣伝ツイートツイナビの活用など、Twitterの利用に関するノウハウや情報を提供、販売することで、ポンデを活用する事業者のソーシャルウェブに関する個々の知識や影響力を向上させることが、このビジネスを継続させる上で重要と考えているそうだ。

次にビジネスだ。ポンデは決済システムの利用料だけでサービスを開始する。しかし決済は外部サービスであるので、多くの利益を見込んでいるとは考えにくい。そこで重要になるのが「プラットフォーム」の構想だ。共同購入を活用したい事業者に極めてオープンにプラットフォームを開放することで、ここには共同購入に関する大量のデータが蓄積されることになる。

まずはこのデータを活用した解析サービスやユーザーへのアプローチなどがプレミアムの商品として検討されているそうだ。共同購入に関するデータを蓄積することで「事業者が離れられない」場所に成長すれば、周辺のオプションが販売できるーーそれが当面考えられているモデルだ。

また小川氏はこのポンデという共同購入プラットフォームもさらに大きな構想の一部だと語る。ネットプライスをはじめ、周辺事業との連携でさらに新しいエコシステムを作ろうとしているそうだが、詳細についてはまだ教えてくれなかった。共同購入に関しては(物販という違いはあるけれど)経験が豊富なグループであるだけに、今後彼らがどのようなアプローチを仕掛けてくるのか引き続き注目したい。