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[jp]独走が始まった日本のグルーポンは年内700人体制の企業に

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Groupon系サービスは一説によれば国内でも100程度はサービスインしているという。TechCrunch Japan編集部でも50程度は把握しているが、これらの中でも差がはっきり見えてきた。本家Grouponが資本参加したQpodがクーポンの販売額では群を抜いてトップを独走しているようだ。

Qpodは10月1日に社名をグルーポン・ジャパンに変更し、名実ともに「グルーポン」としての活動を開始した。現在はすでに200名まで従業員を拡大し、この年末までには従業員数をなんと700名まで増やすのだという。後発だったグルーポン(前Qpod、以下グルーポン)は短期間のうちになぜ他のサービスに勝っているのか。その秘密について、Qpodの構想から創業に携わり、そして現在も同社をサポートし続けるインフィニティー・ベンチャーズLLPのパートナー、小野裕史氏が語ってくれた。


まずはこのグラフを見て欲しい。これはグルーポン側から発表されたものだが、9月の累計クーポン総販売額(毎日のクーポンの販売枚数×販売額の月額合計)を表している。この資料によればグルーポンは2位以下を大きく引き離して1位となっている。これがグルーポン独走ということの所以だが、グルーポンのサービス開始は6月下旬と、この市場の2番手グループにいるPiku(4月スタート)やカウポン(5月スタート)よりも2カ月ほど後発だ(2番手グループのもう1つリクルートのポンパレは7月下旬にサービスイン)。後発だったが3カ月で一気に大きく成長したのは、そもそもグルーポンの事業母体となったパクレゼルヴに秘密があるようだ。

グルーポンの前身となるQpodは事業会社のパクレゼルヴとファンドを運用するインフィニティベンチャーズとで共同で立ち上げられた事業だ。当初からパクレゼルヴから20名程度社員を移籍してQpodはスタートさせられている。グルーポンの代表取締役の瀬戸恵介氏はパクレゼルヴの専務取締役を務めるなど関係は強い。

いわゆるグルーポン系サービスの事業はインターネットのサービスのノウハウ(コンテンツ作成やインターネットのマーケティング)と店舗開発という営業的側面の2つが必要となる。Qpodの立ち上げには、その両方の事業経験があったパクレゼルヴの協力が大きく影響していると小野氏は分析する(パクレゼルヴはモバイルのコンテンツやサービス事業とブロードバンドの訪問販売事業という2つの異なる事業を併せ持っている)。

小野氏によればグルーポン系サービスは意思決定の早さや実行力が問われる事業だ。それを実現するための枠組みや組織づくりが功を奏したということだろう。2番手グループに付けるPikuやカウポンは市場への参入は早かったが、ベンチャーであるが故に営業組織作りが弱かったのではないかと小野氏は指摘する。その真偽の程はわからないが、ベンチャーであるが故にネットのサービスの立ち上げは早かったが、地域展開や現在の商品数などを見ると営業力の部分でやや劣っているようにも見えなくもない。

もう1つは1日1商品(またそれ以上)をかたくなに守り続けていることだ。休みも含めて異なる商品を毎日出し続けているという。これによってユーザーを飽きさせないようにしている。同じ商品が何度も出ないようにも配慮をしている。常にバイラルが起きるように短期間で売り切るという性質上、商品をフレッシュに保つことが必要だということだ。またウェブサイトで見せるための文言などいわゆるコンテンツ作りも力を入れている。

そしてなによりもこの市場を焼き畑にしないように、店舗とのリレーションをしっかりとるという。店舗のコンサルティングまでできないと新規の店舗を開拓だけしていくだけの市場となってしまう。店舗側が満足するようにクーポン化する商材なども、既存の商品や店舗のビジネスに大きく影響が出ずに、次にリピーターがつながるようなものにするための方法論があるのだという。

ほかにも成功の秘訣として次の点を上げてくれた。

  • Grouponの傘下に入ったことで、世界規模で実施されている成功例、失敗例を知ることができた。このおかげでトライ&エラーが減った
  • こちらに不備がなくても最終的にユーザーが満足してくれないのだったら返金をするという徹底した「グルーポンプロミス」を採用し、顧客満足度を上げている

グルーポンではすでに国内から海外での戦いになっているようだ。どういうことかと言えば、グルーポンは世界にあるGrouponの子会社同士で競い合っているのだという。売上や利益では国の経済が異なるため単純な比較ができないので、Groupon独自のKPIを使って比較をするのだという。また世界の首脳の交流もあり(先々週Grouponの世界のグループ会社の首脳が集まるグルーポンワールドサミットが開催された)、互いに成功事例などを教え合っている、と動きが活発だ(米国では先週には新しいプロモーションサービス、Grouspawnが開始されている)。

日本のGroupon系サービスもこのままグルーポンの独走となってしまうのか――そろそろ体力が尽きてきたサービスもあるようだが、新たな展開を期待してウォッチしたい。