[jp] PCが無くてもUstream配信が可能に。CEREVO LIVEBOXからみえる新しいライブ配信

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10月8日、Cerevoは全てのビデオカメラをPC無しでUstream配信可能にするCEREVO LIVEBOX(以下LIVEBOX)の販売予約を開始した。価格は5万円でオフィシャルサイト、もしくはいくつかの取り扱い店舗で購入が可能だ。

Cerevoはネット家電を取り扱うスタートアップ。最初のプロダクトは写真を撮影すれば自動的に様々な共有サイトへアップロードしてくれるCEREVO CAMだ。その後、CEREVO CAMがアップデートしてCEREVO CAM live!となりUstreamへの配信に対応。117gほどの小さなカメラ単体でPC無しのライブ配信を実現している。

CEREVO CAM live!が単体でのUstream配信が可能だったのに対して、今度のLIVEBOXはカメラ部分が外部接続のため、ズームや表現など主に絵作りの箇所を既存の機材で自由に変更できるのが特徴だ。

またネットワークやUstreamなどのセッティング方法もユニークだ。このLIVEBOXを使ってライブ配信をしたいユーザーは予めネット上のCEREVO LIFEで情報をセットアップする。ウェブアプリケーションなので、ネットに繫がっているPCやスマートフォンなどでも可能だ。面白いのはLIVEBOXへの転送方法だ。通常USBなどのケーブルを使うと思いきや、使うのは音声用のピンジャックだ。

これはiPhoneやアンドロイドなどのスマートフォンでセットアップした情報をLIVEBOXに送るときにも使えるという理由からだそうだ。同様の理由でピンジャックを使った機器にTwitterの共同創業者が立ち上げた決済サービスのSquareがあるが、柔軟な発想はCerevoらしいなと感じた。

設定をLIVEBOXに送信すれば後はビデオカメラを繋いでLIVEボタンを押せば配信が開始される。配信用に使える回線は有線、無線両方とも可能で、バッテリーを内蔵しているためワイヤレス状態でも配信できる。また、ビデオが2系統(Sビデオ、コンポジット)用意されているので、2台のカメラを接続してスイッチするという使い方も用意されている。

従来、PCで配信を実施していた場合、ビデオキャプチャデバイスや電源、スイッチなど、結局大掛かりになった本格配信を、かなりスッキリした構成で可能にしたことは歓迎されるだろう。

さて、ではこのボックス、どのようなシチュエーションで使われるのだろうか。Cerevo CEOの岩佐琢磨氏は利用シーンについて「インフラがあって配信の可能性もある。でもITへのリテラシが低い、そういう場合に対応できるようにしたい」と語る。

設定済みのLIVEBOXであれば現場で接続してボタンを押すだけなので、確かにそこのリテラシは低くても大丈夫だ。そういったハイアマチュアから企業ユースを想定し、特に機動性が必要なイベントや音声などのクオリティを求めたいセミナーなどの場合に適しているといえる。

ところで取材時に、岩佐氏とライブ配信ビジネスがどこに向かうのかという話題で少し盛り上がった。これは配信プラットフォームのビジネス、課金や広告といった話だけでなく、配信側がどのような利用シーンを想定すればさらにドライブがかかるのか、というライブ配信全体のエコシステムに関する話題だ。

中でも配信側のモチベーションをどう作るかという点について、岩佐氏は「5人や10人といった極めてクローズドだけど、当人達にとっては重要なコミュニケーションを作ること」がポイントで、さらに「濃いコミュニケーションに対しての課金は成立するのではないか」という考えを話してくれた。

CSなどとそんなに変わらないモデルで、テレビ通販やプレミアムコンテンツへの課金が成立するのは既存の放送モデルの延長で、さらに新しいモデルができるという考え方だ。

ソーシャルウェブが発達していない時期のライブ配信と違い、最近のUstreamはTwitterなどのタイムラインと一緒に放送されるのが当たり前になりつつある。小さなソーシャルグラフが密度の濃いコミュニケーションを生み出すと考えれば、コンテンツよりもコミュニケーションに対して課金チャンスがあるという考えは面白いかもしれない。もちろん課金が成立するということはLIVEBOXのような配信クオリティを向上させるハードの出番も増えるだろう。

Ustreamがアジアに展開を開始して約半年。最近では様々な中継のクオリティも上がっているなか、LIVEBOXのようなハードも揃いつつある。ライブ配信のこれからがどのような展開を見せるのかも含め、機会があればこの話題は改めて取り上げたい。