KivaのCEO曰く: 小額融資もZyngaやFoursquareの真似をして楽しいサイトにすべき

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誰がKivaの最大の強敵か?

敵は、Kivaと競合するNPO系スタートアップか、と思ったあなたは間違っている。この、マイクロレンディング(micro-lending, 小額融資)サイトの社長Premal Shahは、意外な名前を挙げる。

それはZyngaだ。FarmvilleやMafia Warsを成功させたこのゲーム界の巨人は、ほかにも、インターネット上の古典とも言える有名なゲームを至る所に配信している。でも、仮想肥料(Farmvilleの有名なアイテム)と小額融資とのあいだに、何の関係があるのだろう? 大いに関係がある、とShahは言う: 戦いが、人の余暇時間と可処分所得を奪い合う戦いだからだ。

“われわれの本当の最大の敵は、たぶんZyngaだと思う。ほかのNPOたちではない。Zyngaなんかとわれわれは、人びとの関心を奪い合っているのだ。夜の2時間、Farmvilleに夢中になっている人の関心を、どうやってウガンダの飢えと貧困に向けることができるのか。Kivaの上で、本物の農園作りに手を貸すことが、Facebookの上の仮想農園以上におもしろい、と人びとが思ってくれたら、われわれの勝ちと言えるのだ。”

こんな観点は、Kivaの今後の路線を大きく変えるのではないだろうか。

Shahによれば、この非営利サイトは今後の数年間で、ゲームやソーシャルツール、モバイル、緑化や水資源確保のための融資など、内容と活動を多面化していく。そのために、2015年までに10億ドルの資金を調達したい。〔これまでの事業は個人起業家への小額融資のみ。〕

この小額融資サイトは、立ち上げ時の2005年に確保した資金がわずかに50万ドル、翌2006年には200万ドルだったから、10億は巨額だ。Kivaは今夜(米国時間10/13)、サンフランシスコで創立5周年を祝うが、これまでの道のりは苦難の連続だった。

今では60名の職員を、サンフランシスコとニューヨークの事務所に抱える。また、世界各地に小さな拠点がある。最近は、学生ローンや合衆国の国民への融資も始めた(後者は批判も多かった)。10億ドルはまだまだ先の話としても、Kivaはこれまでに、およそ40万人の起業家に合計1億7000万ドルを融資している。現在の融資のペースは、週に100万ドルだ。もちろんこれらの額は、Kivaが調達できた/できる資金の額でもある。

現在のKivaは、最初のころのような話題性先行のサイトではなく、堅実に成長しているから、 Shahと協同ファウンダのMatthew Flanneryは、短期的な将来に関しては楽観している。

しかし、ビデオの撮影後のインタビューでは、Shahは明らかに、Webの変化動向とKivaのこれまでのイノベーション努力、とくにそのスピードについて懸念していた。それは彼が優れた社長である証拠だろう。Shahの野心的な計画では、サイトのデザインと構造を今後数年以内に刷新する。Kivaの基本原則と中核的使命は変わらないが、サイトをよりソーシャルに、対話的に、そしておもしろくするための層を加える。博愛主義的FoursquareやZyngaになるつもりはない(ただしバッジは使う)が、こういった人気サイトから借りれるものはどんどん借りて、もっと参加性のあるNPOサイトにしたい。

“たとえば、ゲームのリーダーボード(上位成績者表)のようなものも作りたい。サンフランシスコの最高の融資者は誰だろう? また、4大食材別のバッジも作る。肉屋をやりたい人に融資した人、乳製品のお店をやりたい人や、野菜生産農家になりたい人、果樹栽培をしたい人、これらの人たちに融資した人が、それぞれのバッジをもらえるようにする。これからのKivaは、個人の自己実現を助けるサイトだ、と考えてもいい。そして、あなたが今、ほんのちょっと手を貸すだけで、ほかの人たちの人生を大きく変えることができるのだ、ということを分かってもらいたい。Zyngaでゲームをするだけでは、それだけの感覚を持つことはできないが、Kivaなら持てる。それが、Kivaの’ゲーム’の最大の売りになる。また、そうやって助けの手を差し伸べた人たちと、助けてもらった人たちからのフィードバックも、有効かつ強力に生かしていかなければならない。融資をいただいたらそれで終わり、ではだめだ。重要なのは、会話と参加性の持続だ。”

モバイルに関しては、すでにケニヤで実験をしている。地元のパートナーと組んで、Kivaと融資希望者とのコミュニケーションをSMSでサポートする(最終的には融資者との直接対話も可能にする)。このパイロットプログラムの結果次第で、Kivaは世界のほかの地域にもモバイル展開していく予定だ。

Shahのこの路線は、正しい。

モバイルとソーシャルとゲーム、これまでこのサイトになかったこれら3つの要素が成功すれば、2015年に10億ドルも夢ではないだろう。ただし、大きな障害が一つある。Shahも、それは最大の障害ではないが、当然の課題だと言う。

Kivaが描くロードマップは、目標実現のために優秀な技術者を必要とする。今、チームは10名だが、Shahはこれを2倍にしたいと考えている。今年はKiva全体で15名を増員したいが、その多くが技術者だ、と。

シリコンバレーで優秀な技術者をスカウトするのは、どのスタートアップにとっても難しいが、NPOは給与が比較的低いからなおさら難しい。Shahに、もっと効果的な人集めの方法はないのかと聞いたら、彼曰く、問題は、世界の貧困や飢えについて知らない人が多いこと、そして、NPOという文化への偏見だ。“NPOは、年に一度、休日などに、何かの行事をする団体だ、と思っている人たちもいる。誰でも、心の奥底では社会に貢献したいと思っているが、その気持ちが顕在化するのは、大きな事件が起きたときだ。あるいは、自分が定年退職したときとか。今、そういう意識そのものは育ちつつあると思うが、Kivaのようなことをしたいと思っている有能なデベロッパやプロダクトマネージャたちも、実際にそういう機会が存在していることをまだ知らない”。

下のおまけビデオは: 5年計画を説明するShah。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))