[jp] gumiがGREEから数億円規模の調達に成功。120人まで体制を強化してSAPの頂点を目指す

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Zyngaのウノウ買収による日本進出、短期間に繰り広げられるDeNAの投資買収による米国への影響力拡大、スタートアップ、ポケラボの10億円の調達成功など、このマーケットに関する話題は無数に存在する。そして今日、またここにひとつ新しい話題を提供してくれるプレーヤーが現れた。gumiだ。

代表の国光宏尚氏によるとgumiは近々、GREEによる第三者割当を実施することになるという。調達の詳細な額は伏せられたが、国光氏によると「数億円規模」になるそうだ。また同氏は今回の調達に関して「体制の強化」を第一に挙げた。「携帯電話向けソーシャルアプリケーションプロバイダー(以下SAP)のNo.1を取る。これは一気にいかないといけない」と話すように、5月時点で20数名だったメンバーは現在80名以上で、この体制を年内に120名まで引き上げるのが具体的な目的のひとつになるそうだ。

gumiの設立は2007年6月。日本で初めて携帯電話向けにOpenSocialを使ったゲームプラットフォームを提供したモバイルSNS「gumi」を運営していることで知られている。ここで得たノウハウを元に開発した幕末英雄伝やキャバウォーズ、刑事ハードボイルドなどのタイトルは現在トータルで500万人程度の月間アクティブユーザー数をたたき出すヒットゲームに成長し、mixiやGREE、DeNAなどのプラットフォームにアプリを提供する主要なSAPに急成長した。

国光氏は「ソーシャルゲームで注目すべき指標はDAU(日別アクティブユーザー)と課金率とARPU(平均課金単価)。この『打率』をどこまでシビアに最大化できるか」が重要だと分析、この打率に対して「どれだけ打席に立てるか、つまり体制をどれだけ強化できるかが勝敗の分かれ目になる」と語る。

パワーゲームのようにも見えて、当然創造力や高い技術センスのある開発者を集めるのは単純な話ではない。ここまでたった数カ月で4倍近くの増員が可能だった点については「ここはやはり経験。元々ソーシャルゲームが時流に乗る前からそこに注目して準備していた。この分野の開発についての絶対的な自信が伝わったのでは」と語る。

今回提携をするGREEとの関係については「ここからさらに成長するためにプラットフォームと協力関係を作ることにした。特にGREEは内制ゲームのクオリティが高かった。ここと様々な場面で協力することは自分達のレベルアップにつながる」と考えたそうだ。調達の内容同様、提携の詳細も伏せられたが、恐らくプロモーションや開発トレーニング、様々な情報の共有などがおこなわれるのだろう。両社ともに成長速度が強烈なだけに勢いも手伝ってシナジーは高そうだ。

さらに今後の展開として国光氏は興味深い話をしてくれた。gumiが将来的に注力するのはスマートフォン向けソーシャルアプリ、しかもそれはダウンロード型のローカルアプリではなくウェブアプリだそうだ。ここにgumiの考える今後の展開、特に世界進出への道筋がみえる。

「ソーシャルアプリを作る際の予算立てはやはり売上げ予想から逆算になる。そうなると国内だけで勝負していたらいつかは世界的なプラットフォーマーを相手に提供しているSAPに負けてしまう」。facebookなどの広大な市場にアプリを提供しているSAPからみれば日本は一市場に過ぎない。莫大な市場に対してビジネスが可能なSAPが収益予想から逆算した強烈な予算を投入すれば、自ずとクオリティに差がでてしまう。

携帯電話という日本特有のプラットフォームが強いうちは劇的なことは起こらないが、これがいつかスマートフォンと入れ替わったとき、転機が訪れると国光氏は予想する。「特にfacebook。現在は提供していないがスマートフォン向けにアプリを開放したとき様々なことが起こる」。

現在、オープン化が進められているmixiのスマートフォン向けにも彼らのタイトル「キャバウォーズ」が既に提供されているように、アジア地区での提携が発表されているmixi、Renren、Cyworldのプラットフォーム共通化の動きも視野に入れながら、国光氏はSAPの海外勢が強烈な予算を投下する前に手を打ちたいというのが考えだそうだ。

現在引っ越し中のオフィスはまだ増床工事が進みながらも続々と増える開発メンバーが次のタイトルを制作していた。もう既に国内だけの勝負ではなくなりつつあるソーシャルゲームの戦いはどこが制するのだろうか。