Evan Williams
Dick Costolo
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Twitterファウンダー、Evan Williamsはプライバシーの達人

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これは、何百万人というTwitterユーザーが誰をフォローし、何をリツイートしているかということでも、DMの奥深い聖所のプライバシーの話でもない。私が言いたいのはEvan Williamsのプライバシーについて ― Web 2.0時代の最も成功した起業家の一人でありながら、Gawkerのカメラマンが家に来たこともなければ、彼に関する不快な映画が作られたこともなく、彼について書かれたヒット作品がたくさんあるわけでもない。

これまてWilliamsが遭遇した中で、最もスキャンダルやプライバシー侵害に近かったのが、ハックされた彼のメールをTechCrunchが公表した時だが、世界はWilliamsを叩くどころか彼に同情した。Williamsは寡黙でシャイで不器用な典型的シリコンバレー寵児なのかもしれないが、なぜか彼は高慢とか高飛車とか言われたことがない。概して彼は、シリコンバレーの〈いい人〉であると考えられている。

ブログやソーシャルメディアの時代に、有名な偶像的ファウンダーに対する反発は避けられないものだし、その大部分が嫉妬 ― Kevin Roseのカリスマ性であれMark Zuckerbergの巨万の富であれ ― に関わるものであることを知るのに社会学の学位は必要ない。それではなぜWilliamsは逃がれてきたのか。彼は、世界有数の象徴的ソーシャルメディアサイトを共同設立し、出資し、運用しているにもかかわらず、偶像的存在にならずにいる。

Twitterの立ち上げ当初、看板役は共同ファウンダーのJack Dorseyだった。CEOを引き継いでからもWilliamsは、オプラーの番組など表舞台に登場した時に、共同ファウンダーらを賞賛したり、先週コモンウェルスクラブでそうしたように、共同ファウンダーを同席させたりするなど気を遣っている。人もうらやむスティーブン・コルベアの番組に出番が回ったのは共同ファウンダーのBiz Stone。現Twitter CEOのDick Costoloが男性モデルを演じたことを先日本誌でからかったが、実は共同ファウンダー、Biz Stoneはウォッカの広告に主演してある ― 2度も。「Twitter Pioneer」と「Nerd of the Year」という肩書きで、ひとりで一杯やっている。 あれは、成功できないオタク連中を棒でつつくようなものだ。この言葉を覚えておいてほしい、「言いたいやつには言わせておけ」。これぞまさしくWilliamsが守り続けてきたことだ。

Williamsは、DorseyからCEOの座を奪った時も、すぐに友人でFeedburner共同ファウンダーのDick CostoloをCOOに推し一年後にそのCostoloが昇進したが、それに驚いたり憤慨したりした者はWilliamsという人物を知らない。私の知る限り、会社に近い人間から彼に向けられた最大の非難は、Williamsが自分の周囲を友人たちで固め、業務に適した人物を配置していないというものだ(Costoloがこのビデオインタビューで言及している指摘)。これは裏を返せばWilliamsが一匹狼ではなく、また目立ちたがり屋でもないということだ。

Williamsのスポットライトを避けるこの能力を、最もよくものがたっているのが、Twitterを始めた時彼がDorseyにCEO就任を薦めたことだ。彼は、とにかく「その男」でいることが好きではないからと言っていた ― TwitterがWilliamsの前の会社からスピンアウトしたサービスでありWilliamsの資金だけで作られたにもかかわらず。それでもなお、人間性に固有のエゴという特性を考えると、彼が一度もスポットライトへと誘惑されなかったことは、驚きである。

それが戦略でもあったには違いない。Williamsはシリコンバレーで、その危うさや、行きすぎたハイプの持つ利点の限界を見てくるだけの時間を過ごしてきた。つまり、Twitterには、自身を誇大に宣伝しないという習性が浸透している ― $1B(10億ドル)というFacebokやZyngaやGrouponと比べて全く無価値とも思える評価額を見てほしい。もちろん、われわれの泡のようなウェブ経済の外にいる人たちにとって、「無価値」という言葉は「妥当な評価」という意味かもしれない ― これは、ほぼすべてのニュースや娯楽番組にTwitterコーナーがあり、有名人と出会う機会も多いにもかかわらず、注意深く目立つことを避けてきた会社である。そして、Williamsは会社の最初の出資者なので、同社の控え目な評価額は、彼の自己資本分控え目なままであり、あのZuckerbergが避けられそうにない最年少億万長者のランク入りから、彼を遠ざけている。

これからCEOを目指す人たちへ。世界中で自分のプライバシーを守りたければ、自分の個性ではなく、自分の商品をスターにすることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)