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音楽スタートアップは今が大きな転換の時期, imeemのファウンダDalton Caldwellが語る

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先週行われたY CombinatorのStartup Schoolでは、シリコンバレーのベテラン起業家や投資家たち10名あまりが、スタートアップの立ち上げや投資等を目指す数百名の聴衆にアドバイスを贈った。その中でとりわけ印象に残ったのが、Dalton Caldwellの講演だった。彼は今は亡き音楽スタートアップimeemのファウンダで、現在は彼の第二の企業であるpicplzを経営している。音楽スタートアップをやってみたいと考えたことのある人や、なぜ失敗するサイトが多いのか不思議に思っている人は、ぜひ彼の話を聞くべきだ。この記事には、彼の話をすべて収めたビデオと、彼の本誌への寄贈により、彼がそのとき使ったスライドを埋め込んだから、彼が提示したデータを見ながら話を聞くことができる。

Caldwellはまず、なぜ自分がここにいるのかを手短に説明した。彼のimeemは今年の初めに玉砕したのだから、聴衆の参考になるサクセスストーリーを持ち合わせていないではないか。しかし彼は音楽業界を知り尽くしているし、不運な最期を遂げたimeemも、一時は月間のユニークビジターが2600万を数えたこともある。Y CombinatorのPaul Grahamが彼を招いたのも、音楽スタートアップを志す人が今でもたくさんいるので、彼らがいったいどんな世界に足を踏み入れようとしているのか、事前に知ってもらいたいと思ったからだ。

全体としてCaldwellの話は、音楽スタートアップを立ち上げたいと思っている人を勇気づけるものではない。最初のほうで彼はこう言った: “どの起業家にとっても、音楽スタートアップは、さまざまな可能性やアイデアの中で、もっとも成功の確率の低いビジネスです”。しかしCaldwellは、音楽スタートアップはだめだからやるな、と言っているのではない。ただ、あらゆる局面で、追い風よりも向かい風が多いから、ものすごく難しい。だから彼も、積極的には勧めない。

音楽スタートアップが軸とすることの多い、いくつかの主なビジネスモデルを、Caldwellは次のように分析する。まず、”アーチストのためのツール”タイプは、アーチストはおおむね貧乏人だからお金にならない。しかも市場はすでに飽和している。インディー系のコンテンツを粗利20%で売るのは難しい。また、ダウンロードストアも難しい。iTunesの勢力が強すぎるし、Amazonや(もうすぐ)Googleのような強敵もいる。imeemのビジネスモデルでもあった広告依存は、四半期ごとに必ずレーベル(レコード会社)に払う料金と広告収入が均衡しないことが多い。上のスライドを見ると、これらのビジネスモデルが抱える問題点…とても多い…がもっと詳しく分かる。

しかし、音楽スタートアップが多くの問題に直面しているからといって、Caldwellは、既存の音楽業界が悪者と愚か者だらけだとは考えていない(彼らが突きつける条件のひどさを見ると、ついそう思いたくなるが)。Caldwell曰く、彼らは業界の構造の犠牲者であり、メジャーの市場は1990年代の150億ドルから今ではその半分以下に縮小している。しかしそれでも彼らは、社員たちに目先の仕事を与えなければならない。彼らの短期的な小細工が、長期的な成長に導くわけではないが。

そこで、これからのスタートアップへの助言: レコード会社の重役たちは、何億ドルもの売上に結びつく商材を探している。スタートアップは徐々にユーザベースを築き上げ、それがある大きさに達したときに収益化を真剣に考える(そういう大きさに達しないことも多い)。大きな賭の対象にはならない。メジャーはかつて一度トライして、スタートアップは商材にならないと悟った。今の大手レコード会社は、インターネットの音楽サイトで大儲けできる/したいとは考えていない。そういう意味で今は、スタートアップにとっても大きな転換点だ。

画像はFlickr, Alexa Leeより。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))