[jp]サイボウズLiveはビジネス向けソーシャルネットワークサービスに向かう

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ソーシャルネットワークサービスといえば国内ではまずはmixiということになるが、それは個人のプライベートな空間を楽しむものであって、北米を中心としたLinkedinのような「ビジネス向け」のSNSは何社かトライしながらも日本では成功したものが現われていなかった。

その理由は実名・匿名ということだけではないだろう。どちらかというと、ビジネスで利用するイメージが沸かなかったということなのではないだろうか。そこで、サイボウズは無料のオンラインで使えるチームコラボレーションツール「サイボウズLive」をビジネス向けのソーシャルネットワークサービスに仕立てようと、本日新しい発表を行った。

サイボウズLiveはmixiのように日記を書くツールではない。グループ間でスケジュールを共有し、仕事をグループで進めていくためのツールだ。プライベートを含むグループ間のコラボレーションツールと位置づけているわけだが、それまで「アドレス帳」として使われていたコンタクトリストを「コネクション」としてソーシャルネットワークサービスの要素を加えた。

このコネクションの特徴はグループに所属すると、そのグループに加わっている全員が自分の「コネクション」に加わることになる。なので、いままでのソーシャルネットワークサービスのように一人ひとりにリンクを申請するようなことは必要ない。したがって、一緒にグループで仕事をすれば自然と自分のコネクションが広がっていくようになっている。

もちろん、ユーザーを探して一人ひとり自分のコネクションに加わるように申請することもできるので、ご安心を。

もう1つはプロフィールを複數持てるようにしているのも興味深い。マルチプロフィールによって、あるグループに対しては、自分のほとんどの情報を公開したり、ほとんど出さなかったり(あるいは変えたり)、ということが可能になる。プロフィール写真なども変えられるので、グループによって自分の立ち居振る舞いをコントロールできる。

サイボウズLiveはビジネスシーンだけでなく、プライベートなグループでも利用できるので、たとえば、ビジネス上の付き合いの人にはそういった風貌のプロフィール写真を掲載し、ご近所づきあいのグループであれば、そういったプロフイールを掲載するといったこともできるわけだ。

そして、もっとも大きいのは、今日からサイボウズLiveは招待制を辞めて、誰もが自由に登録できるサイトになったことだろう。サイボウズLiveは昨年の11月末にサービスを開始し、招待制ではあったが、現在では4万1,077人のユーザーが利用し、1万2,191グループが作られている。

これを「3年後に300万ユーザーのサイトに育てる」とサイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏は期待を込めて答えてくれた。

自由登録制に伴って、いままではサイボウズLiveユーザーしか見られなかったプロフィールだけでなく、ユーザーの公開プロフィール(筆者例)も用意されることになった。

このほか自身の近況をコネクションにいる人たちに伝える投稿機能(TwitterやFacebookのような近況を伝える投稿機能)も備えた。

サイボウズのネットワークサービス事業本部副本部長の丹野瑞紀氏によれば、ビジネスSNSの要件としては、「ビジネスパーソンが使い続ける理由があること」「 実名登録の必要性があること」「上司・取引先ともつながれること」と3条件を上げた。

仕事で利用するサイボウズLiveはこの3条件を満たしていると胸を張る。

確かにコラボレーションツールとして利用すれば、サイボウズLiveをビジネスパーソンが使い続ける理由はあるし、彼らが言うように、自然とネットワークが広がる可能性はある。特にコネクション(コンタクトリスト)が、いままでのソーシャルネットワークサービスの「フレンド申請・承認」モデルから彼らの言う「アクティビティ反映」モデルとなるのは、便利にも思える。

が、やはりコラボレーションツールとしてサイボウズLiveを使わせる動機をどこま醸成できるかによるだろう。青野氏は自ら自分の住むマンションの自治会で利用していることをアピールし、ゲストで壇上に登ったKiznaの中村仁氏は、新しいTwitterクライアント開発に離れたスタッフ同士のコラボレーションでサイボウズLiveの優位性を語った。ほかにも医療の現場の利用事例も発表された。

こう考えると、コラボレーションツールとしてのアドバンテージがある分、いままでの国内で出てきたビジネスソーシャルネットワークサービスよりは遥かに使われる可能性は高い。

サイボウズLiveはフリーミアムのビジネスモデルとなっている。グループが20名までは無料だが、それ以上のグループを運用するためには、1人あたり月額100円が課金される。ただ、期間限定でグループが100名までは無料となっている(2012年1月末まで)。今後はほかにも新しい機能の追加によって、個人向けの課金をしていきたいということだ。

青野氏はサイボウズLiveのビジネスの今後はまだ想像がつかないとしながらも、現在の既存サイボウズプロダクトの300万アカウントと同じだけの規模にサイボウズLiveを育てたいということを汲み取ると、今後のサイボウズのビジネスとして、フリーミアム型のサービスに期待しているようではある。