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マイクロソフトのインターネット部門は史上最悪のスタートアップ。年間損失$2ビリオン

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「スタートアップ」と聞けば、たいていはインターネットのスタートアップ企業のことだと思うだろう。資金を調達する場合もしない場合あるが、その資金燃焼率ゆえ、まず間違いなくどの四半期も赤字になる。もちろんMicorsoftはスタートアップではない。スタートアップだったのも遠い昔のことだ。しかし、もしこの会社のオンライン部門が、Microsoft出資のインターネットスタートアップだったとしたら? ゾッとする発想。いや当然か。Microsoftにとって。

Microsoftは2011年Q1の収支を今日(米国時間10/28)発表した。結果はすばらしいものだった、ただ一つの汚点を除いて。それはオンライン部門。昨期同部門は$560M(5億6000万ドル)の損害をMicrosoftに与えた。これはその前の四半期の$696M(6億9600万ドル)よりはましだったが、一年前の$477M(4億7700万ドル) よりずっと悪い)。昨年一年間でMicrosoftは、$2B(20億ドル)を大きく上回る損失をこの部門から被っている。

もう一度書こう。1年で、$2B(20億ドル)の損失。

当然、これがスタートアップならとっくに破綻している ― この種の資金燃焼率では、いくら強力な資金供給を受けていたとしても、数週間のうちに引導を渡されるだろう。しかし、Microsoftはこの部門に資金を投入し続けている。そうせざるを得ないのだ。なぜなら、それが未来だと気付いたから。

Microsoftの上げる稼ぎの大部分が、2つの部門からやってくる。Windows & Windows Live部門(Windows)とMicrosoftビジネス部門(Office)だ。サーバー&ツール部門もかなり稼いではいるが、前の2つと比べると半分以下だ。そして、この2部門がいずれも直接攻撃の的になっている。

ウェブはWindows(および他のオペレーティングシステム)の重要性を下げると同時に、無料あるいは低価格なツールが、比較的高価なOfficeを置き換える時代をもたらしつつある。そして、スマートフォンやタブレットなどの新しいデバイスによって、事実上Windowsというプレーヤーを必要としないエコシステムが生まれた(ただし、発売されたばかりのWindows Phone 7に動向には注目)。そして、基本的にそういう空間にOfficeは存在しえない。

昨四半期が示すように、Microsoftは当面まだ大丈夫だろう。人々(主として企業)は未だにWindowsとOfficeのライセンスを買っている。しかし、これが未来永劫続くと思うのは愚かというものだ。

Microsoftがそのパワーを未来に向けて維持していくためには、オンラインでの存在を大きくする必要がある。だからこそ、あれだけの資金を注ぎ込んでいるのだ。そして、この戦略はBingなどの製品で成功していると言ってもよい。しかし、Microsoftに必要なのは、存在だけでなくそこから収入を得ることだ。そして、彼らはそれに失敗しているだけではない。目を見張るばかりの失敗ぶりなのだ。

実は5年前、Microsoftのオンライン部門は利益を出していた。たしかに、大きな額ではなかった。しかし黒字だった。しかし、それから19四半期連続で、Microsoftはこの部門で損を出し続けている。そして、昨期SAIがまとめたこのグラフでわかるように、損失は時と共に悪化している。それは他部門の利益に隠された大量殺りくである。

GoogleがYouTubeから利益を上げていないことがよく話題になる。しかし、少なくとも彼らはこれほど金をたれ流していない。しかも、もう少しで利益を上げるところまで来ている。また、Appleがオンラインで大成功を収めていないことも真実だが、彼らはそれほど力を入れてきていない。AppleにはMobileMeがあり、広く普及しているとはいえないが、利益は上げている。Twitterもまた、利益を上げていないことがよく話題になる会社だ。彼らも、現時点ではMicrosoftよりずっと近いところにいる。多く見積もっても四半期毎に$500M(5億ドル)は使っていないと私は思う。
では果たしてMicrosoftはこの状況を好転させられるのだろうか。Bingは一定の人気を獲得し続けているようであり、今やMicrosoftはYahooの検索事業を完全に制御していることから、いくらかの望みはある。しかし、それでもなお、本格的に利益を上げ始めるための明確な方法が見えてこない ― さらに大金を注入しない限り。Yahoo検索は下降気味であり、Bingは収益化しようとしているものの、最終的に収益化に必要な集客のために、膨大な広告費を投入している。19期連続の損失はひどすぎる。収益動向があらぬ方角に向かっているという事実は、さらに問題だ。

Facebookを丸ごと買うには遅すぎるだろうか(Microsoftはごくわずかな株式を所有している)。もちろんその通りだが、SecondMarketに行って、今捨てている年間$2B(20億ドル)の一部でも投じれば、Facebookの株をある程度買うことができるだろう。それも、オンラインで儲ける一つの道かもしれない。

[画像:Warner Brothers]

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(翻訳:Nob Takahashi)