イノベーション(用語)

中国の起業家、成功への道のり

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ようやくBob Comptonと私で意見の一致するものが見つかった。

このワシントンDC拠点のベンチャーキャピタリストが挑発的なドキュメンタリー、2 Million Minutes[200万分]を制作した。これは6人の学生 ― 米国、インド、中国からそれぞれ2人ずつ ― を彼らが高校3年の時に追跡したものだ。そこにはインドと中国の学生たちが数学と科学の勉強に精を出し、アメリカの学生がビデオゲームで遊んでいるところが映し出されている。Bobは、やがてアメリカはインド人と中国人に仕事を奪われるだろう、なぜなら彼らの方が良い教育を受けているからという結論を下す。番組には私も出演してインドと中国の子供たちがじっさいアメリカの子供たちよりよく勉強すること、彼らが教育はすべてであり成功するか飢えるかの違いを決めると信じるよう育てられ、また彼らの殆どが少年期を高度な内容の本を暗記するのに費したことに同意した。しかし私は、米国の競争力が番組で言われるほど悲惨ではないという異も唱えた私のグループが実施した世界の技術育に関する調査研究によると、インド人と中国人の95%以上が高度な教育を受けておらず、しかも教育を受けた場合も、実社会で必要とされるスキルを身につけるまでにはアメリカ人よりもずっと時間を要していることがわかった。たしかにアメリカのティーンエージャーはアルバイトをし、人と交流し、パーティーもする。しかし彼らが生み出す自立性と社会性のスキルは、社会に出た時に大きな強みとなる。実験し、規範に挑戦し、リスクを負うことを学ぶ。はじめから革新しているのだ。

この記事で説明したように、インドは貧弱な教育制度にもかかわらず革新と研究開発の能力を養うことに成功してきた。民間企業が技術系卒業生を再教育するのだ。中国の業界にはこれに相当する労働力開発の習慣がないので、研究開発の外部委託や革新で遅れをとっている。中国は基盤の底上げによって目ざましい成果を上げてきた。何億人もの人々を貧困から救い、世界に通用する大学や最先端研究施設を設立している。しかし、この国の大企業 ― 業界を支配している ― は依然として官僚的で腐敗し共産党員らが独裁的に経営している。多国籍企業は彼らが中国で行っている研究開発を吹聴するが、現実にはそこで行われている仕事の殆どが自社技術の現地化であり革新的新製品の設計ではない。そして、その目ざましい数とは裏腹に中国人学者らの発行した論文や研究者らの申請した特許の数々は、それを印刷した紙の価値もない ― 盗作か的外れが殆どである。

しかし中国の事情は急速に変化している。この国では人々の起業家精神が非常に高まっている。そしてSara Lacyがここここに書いているように、欧米技術の模倣を脱したものも出始めてきた。革新が始まりつつある。Comptonはこの起業家精神の流れを正確に記録した新しい作品、Win In China: China’s Entrepreneurial Explosion[仮題:「中国で成功する:中国起業家精神の急成長]を作った。そこでは中国の資本主義経済への急激な推移が描かれ ― 同国の起業家たちがその先陣を切っている。

今週私は北京を訪れ、同じ傾向をこの目で見てきた。訪問の目的はUCバークレーの起業・テクノロジーセンターが主催したクラスで教えるためだった(私は同センターで講師を務める)。50人ほどの学生を教え、数十人の地元技術系起業家たちと会った。学生たちはUCバークレーやデューク大で教えている学生と変わらない。同じように知的、柔軟、革新的であり世界を変えようという意欲を持っている。起業家たちもまた驚くほどシリコンバレーで会う面々とよく似ていた ― 野心的で恐れを知らず世界に通用する会社を作る決意を持っている。この5年間に私が何度か中国を訪問した時に見た時と比べて気付いた大きな違いの一つが、以前よりも失敗を受け容れるようになり、自分たちがアメリカの技術 ― 彼らがTechCrunchで読んだことは何でも ― を模倣していることを率直に認めるようになったことだ。しかし、彼らの殆どが話していたのは、体験を活かし中国市場向けに新しい世代の製品を作り出すことだった。欧米向けに製品を作ることへの関心はなかった。以前の世代と比べてずっと自信たっぷりで成熟していた。

というわけでBobと私は、中国起業革命の重大さについては完全に同意見だ。そして、私たちの子供たちが心配しなくてはいけないことについても意見の不一致はない。国際競争力で中国人(およびインド人)たちがわれわれの子供たちが脅やかすだろう。どこで起こるにせよ革新が増えるのは良いことだが、アメリカは東から昇る力との厳しい競争に晒されることになる。子供たちには技を磨き、世界市場について学び、中国やインドの技術を模倣する時代に備えるよう仕向ける必要がありそうだ。

P.S. 11月15日から世界起業週間が始まる。Kauffman Foudationによって、中国で起きてきた「流れを変える」種類の起業を推進すべく始められたこの取り組みは、100ヵ国4万種類のイベントを通じて1000万人が参加する運動へと成長した。是非参加することをおすすめしたい。

編集部注:ゲストライターのVivek Wadhwaは起業家出身の学者である。同氏は現在UCバークレー客員教授、ハーバード法科大学院上級研究員、およびデューク大学、起業および研究商用化センターの研究担当理事を務めているる。Twitterアカウントは@vwadhwa、同氏の研究成果はwww.wadhwa.comで見ることができる】

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(翻訳:Nob Takahashi)