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ソーシャル(S)は群れるSから多くの「個」が輝くSへ: 次世代Sが成功するための7つの原則

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[筆者: Gina Bianchini]
ソーシャルな製品は、おもしろい猫だ。すごく経験豊富な製品デザイナーが抱き上げようとしても、ソーシャル製品はその手をするりと抜けて逃げていく。ソーシャル製品に関する当然のような定説は多いが、それ以上に多いのが、あまりにもまずい間違った設計ノウハウの数々だ。とくに、細かい部分の決定では、何が重要かを設計者自身が知らないことが多い。

しかし、Webのノイズの一部になりはてることなく、人の時間とお金をとらえる力のある、すぐれたソーシャル製品が共通して持っている特性は、それらがいくつかの重要な設計原則を満たしていることだ。

1. 情報過多の中で消費者の心に明確な好印象が刻まれる製品。 2010年ともなると、人びとの時間の中では、圧倒的な量の人間、アプリケーション、リクエスト、アラート、関係、要求などなどがひしめき合っている。誰でも、自分が作った製品は好きだ。その利点などは、自分にはもちろん完全に分かっている。でも、あなたとあなたのチームの全員が、一般消費者があなたのソーシャル製品から感じ取る利点を明快に表現できないかぎり、そこにはまだ何かが足りないのだ。一般消費者が15分ぐらい使ってみたら、FacebookやLinkedInやTwitterにない魅力がはっきりと感じられる、そんな製品でなければ作るだけ無駄である。

それは、表面的なデザインの美や巧妙さの問題ではない。あなたのソーシャル製品を使う人は、その機能や、ゲームの仕組みや、100万人ぐらいの人が使うようになったらおもしろくなるだろう、といった部分には関心を持たない。誰もが、自分の時間に関しては利己的だから、何か本当に新しいものであることが、数秒で分かる/伝わるようなものを、作らないとだめだ。

時間を無駄にしないためには、あらゆるものを自分のコントロール下に置き、それらを唯一の存在理由を持つ唯一のブランドへとシームレスに編成〜組織化すること。エモーショナルな製品(人の心を揺り動かす製品)を作ること。チームが行うすべての決定が、消費者がこの製品を使ったときにはこう感じてほしい、とあなたが願うエモーションの生成に寄与していないときには、製品の存在理由があまり強力でない。チームと、あなたが行う製品に関するさまざまな決定を導くもの、それがその製品の存在理由だ。

2. 一つだけ世界最良のものを持て。さらに焦点を絞ると、どんなソーシャル製品も、少なくとも一つは、世界最良のものが必要だ。年商4億5000万ドルのLululemonは、ヨガ用のパンツだけでそれを達成した。Twitterは、140文字のメッセージだ。Facebookは、すでに知ってる人同士をネット上で結びつけること。そしてこれらの企業では、やっているすべてのことが、その世界最良のものを支えることに集中している。

どんな世界最良を目指すのか、最初は分からないことが多い。間違ったものを大事にすることもある。でも、そういう核となるガイドラインがないままソーシャル製品を作るのは、もっと悪い。たった一つのもの。それだけは誰にも負けない、というもの。目標をそれにしぼることが重要だ。

自分自身とチームのメンバー一人一人に問うてみよう。毎週自分がやってることで、世界最良のものは何か? そして、それを明確に定義し、全員の合意を形成し、印刷し、公式に声明し、壁に張り出す。そしてそれが、製品に関する決定を行うときのフィルタになる。

3. ユニークであれ。今日のソーシャルプラットホームとソーシャルアプリケーションは、人びとの帰属本能を満たすという点ではすばらしい。しかし、それと共に重要なのは、…とくに情報過多の時代には…、自分は人と違う、自分は特別だ、と思わせる何かである。人間は、稀少性を求める。人間は、自分だけ/自分たちだけというものを求める。そこに、「個」としての人間の、人生の生き甲斐がある。ただしそれは、特定のニッチに限定されたソーシャル製品を作れということではない。少人数のニッチしか認めない違いは、一般的に人間が求め認める違いではない。Frontiervilleは大衆製品だから、友だち全員とプレイできるが、隣人やカスタム化、自分のプロットなどを通じてユニーク性を打ち出せる。…そういう意味だ。

自分だけ/自分たちだけという排他性や稀少性は、ゲームの仕組みについても言える。ゲームの仕組みも、今まであったありきたりのものを実装したら、問題を抱えることになる。つまりそれは、情報の過多、Web上のノイズの仲間になってしまう。これまでのソーシャル製品には必ずあったから、という理由で、ポイントやバッジ、レベルなどを、またまた世の中に増やしてしまったって、それは排他性や稀少性を失うことにしかつながらない。むしろ、個々のゲームの具体的な細部を考える前に、うちのサービスでは人びとが何をユニークだと感じてくれるのか、何を特別だと感じてくれるのか、それにまず集中することが、何よりも重要だ。そしてそれをはっきりさせたあとに、あなたのサイトのエモーショナルな(人の心にうったえる)存在理由を強化する機能を、一つ一つ慎重に決めていく。

4. もっとも重要な対話機能にそれが完成するまで集中せよ。 重要な機能をすべて定義したら、そこには、これだけは完全に正しく実装されていなければならないといえる、もっとも重要な対話機能が一つあるはずだ。人が再訪するかどうかは、その対話的機能の完成度にかかっている。細かいところまで完成していないと、そのサイトの本来の良さも十分に発揮できない。とにかく、その、軸となり核となる対話機能に、マニアックに(狂気じみて一心不乱に)集中すること。Twitterの場合それは、Twitterのストリームだ。Polyvore本誌記事)ではセットのページ、Facebookではニューズフィード、YouTubeではビデオのページだ。Dailyboothでは、ライブフィードのページだ。そこは、マジックが起きる対話機能であり、十分なケアと注力によって、スーパースター級の人気ページを作る必要だある。

5. ありきたりの言葉を使うな。初期のソーシャル製品ほど、それまで誰も使わなかったような独特の言葉を使った。初期にはそれだけ、これまでとは違う新しい重要なことだ、という自覚があった。というより、過去30年の偉大なる製品(Webにかぎらず)はすべて、熱心で反抗的な人種にアピールするところからスタートした。Virginは? セックスとドラッグとロックンロールだ。Appleは? 1984年のあのコマーシャルだ。Nikeは? ひげ面のランニング狂だ。Facebookは? 何人かの人は今でも、あのScarfaceのロゴをおぼえているだろう。

ほかのサービスからのコピーでよいものと、ほかにない独特のものでなければならないもの。レイアウトは? 頑張るのもいいが、今すでにうまくいってるものでも十分だ。色は? これも独自性を出すのは難しい。ブルーは使われすぎだが。アイコンは? どうでもいい。用語は? 独自のものを。あなたが選んだ言葉が、あなたの製品に込めたエモーショナルな意味を表し、伝える。それだけでなく、あなたのソーシャル製品を使ってどんな関係を築いて欲しいのか、というメッセージも伝える。

6. 博物館ではなくパーティーを作れ。偉大なるソーシャル製品は、クリーンでシンプルで速い。成功している製品は、デザインがとても簡素で、人間や写真やビデオ、テキスト、コメントなどが主役として目立つ。色や装飾やフォントやグラフィクスに凝れば凝るほど、あなたのソーシャル製品はパーティーよりも立派な博物館に見えてくる。あるいは、高級雑誌に。博物館も雑誌も、優れたソーシャル製品の目標ではない。ソーシャル製品は、活発で、人の息づかいが伝わるパーティーであり、誰も座らぬ豪華な椅子ではない。

7. 機能ではなく関係を増やせ。現代人は、現実世界でも仮想世界でもきわめて多彩な人間関係を築いている。新しいソーシャル製品を設計するときには、写真、ビデオ、イベントといった機能を提供するだけではだめで、その上で築かれる人間関係がユーザにとって重要で、Facebook、LinkedIn、Twitterなどの上にすでに持っている関係とは違うのだという独自の特性、およびそのことの訴求が、きわめて重要だ。

どんな新しいソーシャル製品でも、”人間”の部分はFacebook Connectが担当する、と言う人が多い。しかし、Facebook Connectはあくまでもきっかけであり、あなたのソーシャル製品ならではの新しい関係を早めにユーザに示せなければ、ユーザそのものをFacebookにごっそり持って行かれてしまうだろう。

たとえば私の例では、新しいソーシャルアプリケーションに参加するとだいたいいつも、10名ぐらいのFacebook上のフレンドに会う。Facebookの上でつきあいがもっとも活発な人たちだ。しかし多くの場合、それらの新しいアプリケーションはFacebook上でそれまでやっていたことの延長にすぎないから…写真、イベント、リスト、ビデオなどの共有…、その新しいアプリケーションを再訪する理由がないのだ。

あなたの新しいソーシャル製品に必要なのは、オンラインや現実世界で持っている関係を、拡張し(’延長’ではなく)、深化し、変えていくような性質だ。それを実現するのは難しい。しかし、それを見事にやっている製品の例がQuoraだ。Facebookのソーシャルグラフという土壌に芽生えたが、すぐに変身し、思慮深い重要なコメントや経験や専門知識をくれる重要な人たちをユーザに引き合わせるという、深化した関係の構築で独自の境地を開拓している。

新しいソーシャル製品の中で新しい人たちとの関係を築き育むのは、誰にとっても安易なことではない。しかし、自分と価値観を共有できる人を見つける、あるいは、あなたのアプリケーションがねらいとしている新しいタイプの関係を築く、そのために費やす時間とエネルギーなら、決して無駄ではない。

今後5年はもちろんのこと、今後半年のあいだですら、ソーシャルソフトウェアによって新しく作られ、発見され、発明され、あるいはイメージが変わっていくものがいくらでもあると考えると、興奮を抑えることができない。ここまで述べたいくつかの原則は、あなたの足元のほんの数フィート先を照らすだけだが、新しいソーシャル製品が成功するたびに、新しい原則も生まれるはずだ。Alan Kayの、古びることのない教訓はこう言っている: “未来を予言する最良の方法は、それを発明することだ”。そういう未来が、待ち遠しい。


Gina BianchiniNingのファウンダだ。ここは、世界中のオーガナイザーたち、活動家たち、指導的立場の人たちなどが自分自身のソーシャル経験を作れるサイトで〔誰もが自分のSNSを作れる〕、各月のユニークユーザ数は8000万を超えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))